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これってスイーツ?それとも焼きそば?「ペヤングApple Pie tasteやきそば」実食レポート

2020.10.06

■連載/大山即席斎の“三ツ星”インスタント麺

カップヌードル登場からもうすぐ半世紀。カップ焼そばも45年ほどの歴史を積み重ねてきて、メインのソース味以外のバリエーションも多数出て来た。その中で稀に登場して異彩を放って印象に残っているのが「スイーツ系」焼そばだ。

一般に広く認知されたのは2016年のバレンタイン向けに出した明星一平ちゃん夜店の焼きそばチョコソースだ。

その年のクリスマス向けに一平ちゃん夜店の焼きそばショートケーキ味、翌年にはペヤングも参戦してチョコ味焼そばが競合する事態となった。

明星はその後も2018年に一平ちゃん夜店の焼きそばみたらし団子/あんこ団子も出したがそれ以降は目立った商品も出ていなかった。

しかし、2年の沈黙を破りこの度まるか食品から「ペヤングApple Pie tasteやきそば」が登場した。

果たしてペヤングが再度登場させた商品はそれだけの価値があるものなのだろうかとにかく食べてみよう。

まるか食品「ペヤングApple Pie tasteやきそば」

パッケージの中心にでっかくリンゴの姿が描かれているのが目を引く。フタを開くと中身は麺・ソース・かやくといつものやつと大きく変わりはない。ただし、かやくを見てみるとどうやらドライのスライスアップルが入っているではないか。

作り方もいつもと同じ、かやくを麺の上にあけて熱湯をかけ3分間待ち、湯切りをする。そこに液体ソースをかけたら出来上がり。

出来上がったものを見てみると、麺はいつも通りに楕円形断面でちぢれた太さ中くらいのつやなし麺で、弾力感のあるモチモチ食感になっている。

そこに甘口のソースをかけてからめていただくと、おだやかな甘さがメインだけど微妙に塩味も効かせて甘じょっぱ仕上げとなっている。甘味はお菓子っぽくはない控えめなものだ。

かやくはりんご加工品で、湯切り後にはちゃんとりんごの味と食感になっている。全体の味わいと香りがまさにアップルパイ風になっている。これまでのスイーツ系焼そばが全部口に合った自分はこれも好きな味であった。

しかし、世間的には否定の意見も多く見かける。このようなチャレンジ商品はマスに受けずとも確実にいるニッチなファンに届けばいいのだとも言えるが、やはりこの商品の実力を多くの人に知ってもらいたいので、食べ方の工夫をご提案してみたい。

全体に暖かいことが「食事だかおやつだかわからない」と、立ち位置を曖昧にしてしまい肯定的な評価をしにくくしていると思うのでスイーツに寄せるために麺を冷してみた。うん、なかなかいける。

そこにメープルシロップをかけてもっとスイーツに寄せてみた。

さらにパイナップルも加えてみた。最後に酢を少量かけて甘酸っぱさを強調してバランスを取るのもオススメだ。

おお、これならピザにおけるスイーツピザみたいな感覚で食べられる。

ピザだけでなく、クレープやもんじゃ焼にもおかず系とスイーツ系の両者があってすでに定着している。なので、焼そばだってスイーツ系を根気強く出し続けてゆけば定着する可能性は高いと思われる。

では、ここで過去のスイーツ系焼そばを振り返ってみよう。

明星食品「一平ちゃん夜店の焼そばチョコソース」2016年

やや細めなちぢれ麺は油揚げ麺で、弾力感のあるモチモチ食感。そこにココアやカフェラテの甘みがあるウスターベースの液体ソースをかけてからめる。この時点ではまだ普通の焼そばっぽい。さらにふりかけをかけるのだが、これが胡麻とか青のりではなくて、シナモン風味があるチョコ風チップであった。この段階までは普通の焼そばなのかと思っていたから意表を突かれた。最後にチョコソースをかけて仕上げる。こちらは正真正銘のチョコレートだ。ふりかけ以外のかやくは入ってない。

食べる前は普通の焼そばにほんのり隠し味程度のカカオ風味がつく程度かと思ったのだが、しっかりとチョコの味がしていてちゃんと甘い。といっても完全にスイーツ風というわけでもなく、塩気の効いたバタートーストにチョコペーストをかけたのに近い旨さ。食べる前は「焼そば」と「チョコ」の違和感を楽しむつもりで、美味しさには期待していなかったのだが、ちゃんとウマイではないかー。冷めてからのほうがさらにウマイ。

明星食品「一平ちゃん夜店の焼そばショートケーキ味」2016年

丸っこい断面で細かくちぢれたちょい細め麺は、軽い噛みごたえで弾力感のあるモチモチ食感。

そこにまず色の淡いソースをかける。見た感じは醤油味と塩味の中間ぽいが、ただよってくる香りは生クリームのよう。味は非常に淡い醤油系。

さらに特製マヨをかける。味はスッキリしたマヨネーズ味だが、バニラの風味が鼻を抜ける。この時点で焼そばを食べてみると、香りは甘いものの味そのものは淡泊な塩醤油焼そばといったかんじ。

最後にあとのせかやくをかけるのだが、ちゃんと甘酸っぱいドライいちご、おだやかな酸味のヨーグルト風味キューブ、そしてカラフルな彩りシュガー(トッピング用のカラースプレータイプ)。これらはちゃんとスイーツの味になっている。麺の味は中華系で香りはケーキ風、そしてかやくは純粋にスイーツ。こんなにバラバラな構成なのに食べてみると主食とも間食ともいえない独特な旨さがある。あまりにも新しい味なので、旨さをうまく言葉で表現できない~。でも本当に旨いのだ。

明星食品「一平ちゃん夜店の焼そば謎チョコキューブ入りチョコソース」2017年。

ココアをまぶしたような黒っぽい色の細めなちぢれ麺はソフトな噛みごたえのあるモチモチ食感。麺をそのまま食べると中華麺らしさのキモであるかん水風味が控えめとなっている。そこにしょうゆ系でビーフの旨みがある液体ソースをかけてからめる。そのあとにかけるチョコソースはしっかり甘くてチョコらしい味わい。子供の頃に好きだったチューブ入りチョコを思い出す。最後にあとのせかやくをのせて出来上がり。

これがパッケージに表記された「謎チョコキューブ」だ。純チョコレートではなく油脂やココアで作ったチョコ風味キューブである。チョコキューブ以外のかやくはなし。

チョコ味なので当然甘いのだが、甘みだけでなく液体ソースの酸味や辛みがほんのり混ざり合い絶妙なバランスでおいしく仕上がっている。このバランスが少し変わるだけでおいしさが大幅に損なわれるだろう。

まるか食品「ペヤングチョコレートやきそばギリ」2017年

白っぽい中太なちぢれ麺は、コシ感がありつつやわらかめでもっちりとした食感。そこに黒っぽいソースをかけてからめ、クルトンと赤くて酸味のあるいちご加工品をのせていただく。

ソースはしっかりチョコレート味で、明星とは違って酸味や辛みはほとんどない。クルトンはそのまま食べるよりもチョコソースをしみこませてからいただくほうが吉。ほぼスイーツ味なので、追加で甘いものをトッピングしてもいけそうだ。

明星食品「一平ちゃん夜店の焼うどん十五夜お月見みたらし団子味/あんこ団子味」2018年

こちらでは焼そばではなく焼うどんに代えてきた。スイーツに仕立てるにはかん水のクセがある中華麺よりも純粋な小麦粉に近いうどんのほうが合わせやすい。コンビニで売られている団子はモチ米より小麦粉メインのものもあるくらいだからうどんとみたらしやあんこのマッチングはよくて当然なのだ。

今回の商品が世間に受け入れられて、チョコ味焼そばとショートケーキ味焼そばなどが再発売されることにも期待したい。

【今回の即席レビュー(5点満点)】
       スイーツっぽさ 旨さのバランス
アップルパイ ★★★+    ★★★★+
一平チョコ16 ★★★+    ★★★★
一平Sケーキ ★★★★    ★★★★+
一平チョコ17 ★★★★    ★★★+
ペヤングギリ ★★★★+   ★★★+
一平みたらし ★★★+    ★★★★+
一平あんこ  ★★★★    ★★★★

この商品が好きな人にはこんな一品もオススメ!

菊水「余市りんごのほっぺ冷しラーメン」
りんご果汁入はちみつスープ付

ゆで時間6分で作る四角っぽい断面のややちぢれ中太麺はサックリした噛みごたえで少しモッチリ。そこに醤油系液体つゆをかけて仕上げる。りんご果汁とはちみつ入りのフルーティーなほの甘さと微酸味が効いたスッキリ味。

文/大山即席齋

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