2024年夏期 東海3県主要集客施設・集客実態調査の結果を公表

～ノロノロ台風10号による休業・人々の出控えが影響し半数超の施設で前年割れ常態化する猛暑は特に屋外型施設に打撃～




三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：池田 雅一）は、「2024年夏期東海3県主要集客施設・集客実態調査」の結果をとりまとめましたので、お知らせいたします。
1.本調査について
本調査は、東海3県（愛知県、岐阜県、三重県）の主な集客施設89施設を対象に夏期（7月21日～8月31日の42日間）の集客実態を把握するためアンケート調査（2024年9月～10月）を実施し、有効回答を得た77施設の集客実態を分析しました。
2.調査結果の要旨
(1) 集客数上位施設について
集客数上位5施設の集客状況は下表の通りとなりました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20489/123/20489-123-a0ce65e9406c3c0bd5678d9bb024f67d-1372x412.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図表1　集客数上位5施設の順位表
※ [1] 「ナガシマリゾート」は23年は7/15～8/31（48日間）、24年は 7/13～9/1（51 日間）の値。
(2) 対前年比増加率上位施設の動向
増加率1位（182.1%増）の「愛知県国際展示場　Aichi Sky Expo」（愛知県常滑市）は、前年同時期と比較して催事開催件数および延べ日数が増加し、大幅増となりました。催事開催数の増加は、日本ガイシホールを含む名古屋市総合体育館（日本ガイシスポーツプラザ）が改修工事に伴い休館していることにより、イベントやコンサート等の代替会場となったことも影響したと思われます。
増加率2位（52.6%増）の「岐阜県百年公園」（岐阜県関市）は、園内にある「岐阜県博物館」において、特別展「ポケモン化石博物館」が開催されたことが集客増をもたらしました。“ポケモン”関連では、増加率4位（42.5％増）の「志摩スペイン村」（三重県志摩市）は、ポケットモンスターとコラボレーションした期間限定イベント「『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』ポケモン課外授業 in 志摩スペイン村」の開催が奏功し、集客数増となりました。
増加率3位（50.2%増）の「日本中央競馬会　中京競馬場」（愛知県豊明市）は、期間中の中京競馬開催日数が増えたことが集客数増の要因となりました（23年夏期は2日、24年は7日）。
(3) 旅行需要の回復で集客が期待されるも、半数超の施設で前年割れ。猛暑に加え、ノロノロ台風10号、南海トラフ地震臨時情報の発表も影響。
国内旅行需要は、新型コロナの5類感染症移行（23年5月）等を受けて堅調な回復を見せ、24年も引き続き回復傾向にある中、24年夏期の集客数も前年を上回る集客が期待されました。しかしながら、23年夏期の集客数と比較すると、74施設※[2]中、39施設（52.7％）で減少、35施設（47.3%）で増加 となり、対前年比で減少した施設数が増加した施設数を上回りました（図表2）。
今夏は名古屋市で猛暑日の連続日数が統計開始以来最長となるなど前年に引き続き厳しい暑さとなり、約7割（66.7％）の施設が「猛暑」は集客に悪影響となったと回答しました。猛暑は、23年の調査結果でも、約7割（68.0％）の施設が集客に悪影響をもたらしたと回答しており、近年の猛暑への対策は恒常的な課題となっています。
また、今夏は繁忙期であるお盆期間中の天候は良好だったものの、8月下旬は台風の接近により悪天候が続きました。9割強（93.3%）の施設が「台風7号・10号の接近（交通機関の運休による影響も含む）」は集客に悪影響となったと回答し、「猛暑」による悪影響の割合を上回りました。特に、“ノロノロ台風”となった台風10号の影響で雨が長引いたほか、施設の臨時休業や公共交通機関の計画運休なども実施され、出控えにつながったと考えられます。
さらに、約7割（66.2％）の施設が「南海トラフ地震臨時情報の発表（2024年8月8日）」が集客に悪影響をもたらしたと回答しており、津波への警戒が特に必要となる海水浴場では遊泳禁止などの措置がとられました。
※ [2] 対前年比較可能な施設。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20489/123/20489-123-44de04079d640a87a562ef348944ad72-1058x612.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図表2　23年夏期集客数との比較（全体・施設種類別）
(4) 猛暑・台風は特に屋外型施設で悪影響となり、屋内型施設では約7割が対前年比増も、屋外型施設では約7割が前年割れ。
対前年比で増加した施設の割合を施設種別で見ると、屋内型施設では72.2％を占める一方、屋外型施設では29.4％、屋内・屋外複合型施設では43.6％ にとどまりました。特に屋外型施設では、記録的な猛暑や、8月下旬に接近・停滞したノロノロ台風10号による出控えが悪影響となりました。

調査結果の詳細につきましては、当社ホームページ掲載のレポートをご覧ください。
<https://www.murc.jp/library/report/seiken_241220/>PR TIMESプレスリリース詳細へ