ここ数年、人気の医療ドラマ。現在も「ブラックペアン」が人気だが、緊迫したシーンが多く、話題となっている。ところで、ドラマでオンエアされるシーンは、どこまでリアルに再現されているものなのか。メドピアが以前、同社が運営する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」に参加する10万人の医師ネットワークに特別アンケート調査を実施したところ、医師の“生の声”から、医師が医療ドラマで見るあり得ないと思うシーンや、医療現場で奇跡のような出来事を体験したことなどが明らかになった。
■医療ドラマで見る、現実ではありえないと思うシーンは?
◎1位「屋上のシーン」
・屋上は封鎖されていることが大半。転落事故や自殺予防のため。(40代、産婦人科、女性)
・何かあるたびに、わざわざ屋上には行かないし、そもそも屋上は簡単に出入りできないところが多いと思います。(40代、一般内科、女性)
・医師、医療従事者、または患者と屋外で会話することは考えられない。(50代、一般内科、男性)
・そんな暇じゃない。院外の緑の中のベンチシーンも同様。(50代、産婦人科、男性)
◎2位「患者を「クランケ」と呼ぶ」
・30年以上医者をしているがクランケなどという言葉は聞いたことがない。時代遅れ。(50代、小児科、女性)
・クランケなどのドイツ語はほとんど使わなくなった。ドイツ語で頻繁に使うのは「カルテ」のみ。(60代、消化器内科、男性)
・患者さん、あるいは患者名で呼ぶ。(40代、一般内科、女性)
・今は「患者さん」「患者様」です。(50代、放射線腫瘍科、男性)
◎3位「美男美女ばかり」
・美男美女は少ない。(30代、一般内科、女性)
・美男美女が多く職場が華やかすぎる。(50代、麻酔科、男性)
・現場では、みなさん、疲労こんぱいしており、オシャレをする余裕はありません。(40代、一般内科、男性)
・疲れ果てて美男美女であってもやつれている。(40代、小児科、男性)
◎4位「外科医が脳手術をしている」
・脳外科医以外が脳の手術をすることは現代ではありえません。(50代、呼吸器外科、男性)
・脳手術は専門性が極めて高く、一般外科医が行なえるものではありません。(50代、精神科、男性)
・外科医というだけで、なんでもやってしまう印象が一般的なのかと思う。(40代、呼吸器外科、女性)
・脳に限らない専門外の手術や、救急なども含め、外科医がなんでもやっているシーンを良く見るが、実際はもっと専門化されている。(30代、放射線腫瘍科、男性)
◎5位「医師と看護師の会話」
・医師と看護婦の話は、業務上のことに限られることが多い。(70代、一般内科、男性)
・実際の会話・やり取りはもっと事務的です。(40代、消化器内科、男性)
・看護師さんと医師が対立していてはうまくいきません。(30代、乳腺・内分泌外科、女性)
・変に色恋のトーンがあったり、妙に先輩後輩風だったり。(50代、精神科、男性)