冬に風呂場で起きやすい、突然死。突然死を予防する入浴法はあるのだろうか? 医師専用コミュニティサイトの「MedPeer」が以前、同サイトに会員登録をしている医師1051名にアンケート調査を実施したところ、様々な意見が寄せられた。ぜひ参考にしてほしい。
■1位 脱衣所や風呂場を暖めるなどして、入浴前後の温度差を無くす
・入浴前に衣服を脱いだ際に寒暖差が大きいと心臓に負担をかけるので、突然死につながりやすい。(一般内科、50代、男性)
・浴槽の湯との寒暖差により、血管収縮や拡張を招いて、急激な血圧の上昇による脳心血管疾患や、血圧の下降による失神や心停止などを起こすことがある。(救急医療科、30代、男性)
・脳血管障害や心臓病はヒートショックにより誘発されることが良くあります。これは血圧の急激な変動をもたらすからです。急な温度変化は、特に高齢者にとって、命取りだと考えて下さい。(循環器内科、60代、男性)
・とくに冬場は部屋と部屋の温度差でからだが参ってしまうので。(麻酔科、30代、女性)
・裸で冷えた風呂場に入って、そこから熱いお湯につかって、浴槽から出たら、また冷えてということを繰り返すことで、血管に負荷がかかるから。(精神科、50代、男性)
◎具体的な方法
・浴槽に湯を張り、入浴前には早めに蓋を取っておきます。また、シャワーだけの時も、先にお湯のシャワーで浴室内を暖めておきます。浴室暖房を使用することもあります。さらに脱衣場も暖めておきます。(一般外科、50代、男性)
・脱衣場を温めるときに、浴場のドアも開けておく。(呼吸器内科、60代、男性)
・一番湯を避けるのがもっとも簡単です。それができなければ、お風呂の蓋をせずに湯を入れるとか、更衣室に小さな暖房器具を設置するとかになります。いずれにせよヒートショックには要注意です。(循環器内科、60代、男性)
・温水シャワーを1-2分浴室床に打ち付けておく。(脳神経外科、50代、男性)
■2位 足先からゆっくり入り、心臓への負担を避ける
・血圧の変動を避けるように、ゆっくりと入る。(小児科、40代、男性)
・急激な温度変化は自律神経の過緊張をまねくから。(麻酔科、60代、男性)
・体温を徐々にならしていくのが望ましい。急に熱い風呂に入ると脱水症状が出る恐れがあるため、予め水分を摂取しておく。(循環器内科、40代、男性)
・心臓から遠いところから温め始める。(一般内科、60代、男性)
・先に温まった身体の血流からの循環により他部位の体温も上がっていくので。(精神科、40代、女性)
・まずは四肢を温めるようにする。そして、少しずつ、体幹を温めるようにする。湯の温度は40度ぐらいにする。(総合診療、30代、男性)
・血圧変動を考えるとこれが重要。全身浴もよくないのでできれば胸まで。うちの風呂は肩から白糸の滝のようなお湯の出るものにしました。これだと、肩まで入らなくても温まれます。(泌尿器科、50代、男性)
■3位 お湯の温度は42℃未満にする
・熱いお湯は、血圧上昇につながるから。(整形外科・スポーツ医学、50代、男性)
・急な体温変化は体に負担を与える。(一般内科、30代、男性)
・体温とお湯の温度が違いすぎない方がいい。(精神科、40代、男性)
・41℃を超えると血圧の変動が大きくなる。(アレルギー科、60代、男性)
・浴室の保温も重要ですが、熱い湯に入るのではなく40度未満の湯に、10分を限度につかるようにすると体の芯まで温まります。いわゆる入浴時の突然死も防ぐことができるでしょう。(老年内科、50代、男性)
・リラックスできる温度である。(整形外科・スポーツ医学、40代、男性)
【調査概要】
調査対象:医師専用コミュニティサイト「MedPeer」に会員登録をする医師
調査期間:2015年11月12日(木)〜2015年11月16日(月)
有効回答:1051名