Plug and Playはシリコンバレーで創業し、世界30か所の拠点でスタートアップの支援のみならず、大企業とのコーディネートを行なっている。日本支社の投資部門代表の村瀬功氏が強調するのは、大企業や行政などの大資本とスタートアップの連携の必要性だ。
「大企業は急激な変化への対応がいくのは苦手で、スタートアップは人材と資本が必要。本来両者は補完関係であるべきですが、連携がうまくいかないこともあります。
その中で、『食べチョク』を運営しているビビッドガーデンは、レストランや給食などがコロナ禍でストップし、納品先がなくなった農家を支援することで、注目されています。同社は大企業や行政とも連携し、スピード感を持って、次々と新しい取り組みに対応できている好例ですね」
こう語る村瀬氏自身も元大手電機メーカー出身だ。
「技術力がある会社は、技術信仰が強く、市場の求めるものとはズレた発想の商品を出してしまうこともある。スタートアップとの連携は大企業が変わるきっかけにもなるのではないでしょうか」
大企業とスタートアップによる創発のエコシステムを作っていけるかが、今後のポストコロナの日本経済のカギになりそうだ。
「食べチョク」は佐賀県と連携し、県内の生産者の販路拡大を支援する取り組みを開始。
Plug and Play Japan
Head of Ventures
村瀬 功氏
慶應義塾大学環境情報学部卒。1994年、ソニー入社。その後シリコンバレーに赴任し、2013年に退社。Pacific Sky Partnersを設立。今年1月にPlug and Play投資部門の日本代表に。
注目企業はココ!
ビビッドガーデン
「食べチョク」は、ヤマト運輸のような大手民間企業のほか、農水省の支援事業、佐賀県と連携するなど行政との関係を深め、市場における存在を大きくしている。
SYN
渋谷から3km圏内の個性豊かな飲食店から注文し、経験豊かな配達員が届けるサービス「Chompy」を提供。厳選されたレストランから選べることで人気急上昇中だ。
スペースエンジン
小規模小売店に向けた仕入れサービス「Orosy」を提供する。同サービスは、1品目から仕入れを可能にするほか、eコマース業者が実店舗の販路を作る機会を提供する。
エー・スター・クォンタム
量子コンピューター向けアプリケーションを開発する会社。専門知識のある研究者だけでなく一般の人が、自分の課題を解決するために使えるものを作ることに取り組む。
取材・文/橋本 保
現在発売中のDIME12月号では、注目のスタートアップ企業20社を紹介!
お近くの書店、オンライン書店、コンビニでお買い求めください。
<ご購入はコチラ>
https://www.amazon.co.jp/dp/B08KH3R18N/
https://books.rakuten.co.jp/rb/16479458/
https://7net.omni7.jp/detail/1222210413
※なお、電子版には付録は同梱されません。
こちらの記事も読まれています