
新型コロナの「サイバー攻撃」が日本で15倍に増加
Bitdefender社が「新型コロナウイルスにまつわるサイバー攻撃が全世界で増加している」と注意喚起を発表している。
去年までのサイバー攻撃は、ランサムウエアやバンキング型トロイの木馬が主流だったが、今年は世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルスによるパニックや恐怖心、情報操作を利用したサイバー犯罪が急増した。
全世界では新型コロナウイルスの感染・影響は 3月上旬にピークに達した。それに伴い、犯罪者は、マルウエアの高度化に重点を置くのではなく、パンデミックを悪用して、特定の地域や国を狙ってマルウエアを仕掛ける作戦を計画したと考えられる。
2020年4月18日
3月~4月上旬にかけてのコロナウイルス関連の脅威を見ると、攻撃者が当時のパンデミックの中心となっていた地域を狙っていた。
日本ではコロナウイルスに伴う攻撃が3月14日は10件でしたが4月18日には、153件と15倍に増加。だが報告される脅威の数は減少傾向にあり、5月の脅威の数は減少した。しかし、これでこの脅威が終わったわけではなく、サイバー犯罪者は再度攻撃の機会を狙っている可能性がある。架空の健康関連製品を使った不正なキャンペーンや、新しい治療法の提供を約束するスパムメールなどに注意が必要だ。
全世界でパンデミック後は旅行や休暇を狙った詐欺が急増
コロナウイルス関連のスパムは過去半年の傾向であり、ウイルス流行への恐怖心がマルウエアとスパムの拡散にも影響を及ぼしている。2020年の前半を通して、コロナウイルス関連のメールの10件に4件はスパムと判定された。
パンデミックの間は旅行や交通サービスがストップしていましたが、政府によるロックダウンが徐々に解除され、旅行の制限も緩和され始めている。こうした状況を受け、5月下旬ごろから、旅行や休暇をターゲットにした攻撃が観測されています。5月31日をピークに、スキャンされたすべてのスパムメールのうち、10件中3件程度が旅行をテーマにしたものだ。
6月7日に再びピークに達し、その日にスキャンされた10件中4件のスパムメールが旅行関連のものと判定された。
総括
3月から4月にかけて検知されたコロナウイルス関連のマルウエアは、新型コロナウイルス感染に関する恐怖心や誤った情報を悪用するもだった。しかし、6月から7月にかけて、攻撃者の狙いが旅行や休暇に関連するメッセージへとシフト。
パンデミックが落ち着き、旅行の制限が解除されたことで、制限後の休暇を楽しみたいという人々の欲求を、攻撃者が悪用しようと考えたことが要因だと考えられる。
日本においても「Go to travel」など旅行を促す施策が行われており、攻撃が行われる可能性がある。劇的な治療法や、ウイルスや流行に関する極秘の情報を利用する攻撃があることも想定されるため、引き続き注意が必要だ。
構成/ino.
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