
食欲の秋到来。
秋刀魚、松茸、里芋、栗、無花果…
美味しい旬の食材が沢山登場してくるこの季節。
日本の古都 京都で秋の食材をふんだんに使用した和食が食べられるお店をご紹介しよう。
1.ミシュラン3つ星の味をカジュアルに楽しめる「無碍山房」
ミシュラン星3つ獲得の京都の老舗料亭「菊乃井 本店」
大正元年に創業した、日本を代表する料亭である。格式高いお店ゆえ、少し敷居が高いと気後れしてしまう人も少なくない。
そんな方に是非訪れて欲しいのが「無碍山房」
「本物の和食を気軽に味わって頂きたい」という想いから、2017年に菊乃井本店の横にオープンした。
高台寺の緑に囲まれた清閑な地に佇む、山房をイメージしたモダンな数奇屋建築のこのお店で頂けるのは、菊乃井 本店の名物である「時雨飯」をアレンジした「時雨弁当(5,000円)」
豆の青味が香る枝豆豆腐を、ジュレで優しく包み込み、ピンクの穂紫蘇をトッピングした先付けや、柚子の香りとプリプリの食感が口の中で広がる、「揚げ海老しんじょうと椎茸のお椀」など、手間ひまかけられて作られた、繊細で味わい豊かなお料理に心が躍る。
お腹に余裕のある人は、是非食後に無碍山房の看板スイーツ「無碍山房の濃い抹茶のパフェ」を。
https://www.instagram.com/salon_de_muge/
苔のような深い緑色が鮮やかな、最高の宇治抹茶を使用した「締めパフェ」で、京の食材をとことん満喫して欲しい。
2.人気カフェプロデューサーが手掛けた初の和食ダイニング「IZAMA」
京都・烏丸エリアに位置する和食レストラン「IZAMA」
世界一の朝食が食べられる「bills」や、サーファーから愛される七里ガ浜の「パシフィックドライブイン」など、数々の人気カフェを生み出した「トランジットジェネラルオフィス」が手掛けた和食ダイニングである。
京町家をモダンにアレンジしたこのお店では、春夏秋冬と季節が変わるごとに表情を変える京の街と同じように、旬の食材を使用した料理を頂ける。
今の季節提供しているのは、一足早く秋を感じられる「秋のおばんざい御膳」
小さな三段のお重には、柿の白和えや、銀杏の松葉刺し、月見団子など、秋の風味を楽しめるおばんざいが詰まっている。
紅葉の形に切り抜いた人参、オレンジ色に染めて柿に見立てたウズラの卵など、女性心をくすぐる工夫がされた、トランジットらしさを感じられるダイニングである。
3.老舗料亭「和久傳」が手掛けた、アットホームなレストラン「丹」
八坂神社から徒歩10分ほどの場所にあるレストラン「丹」
老舗の料亭「和久傳」が手がけるお店だ。
「小さな真心」という意味を持つ「丹」という店名には、「丹後の本当に良いものを紹介したい」というお店の想いが込められており、京丹後の農家や酒屋、漁師から仕入れた食材をふんだんに使ったお料理が頂ける。
朝昼晩の3食を提供しているお店だが、オススメは朝ご飯。
https://www.instagram.com/tan_kyoto/
コロナウィルス感染拡大前は、他のお客様と1つのテーブルを囲むように座り、大皿に盛られたおばんざいを取り分けて頂くスタイルで提供していたものを、現在は1人前ずつ盛り付けて提供するスタイルに変更。
肩の力を抜いて、ゆっくりとあたたかい食卓を囲みたいと思った時に訪れたいお店である。
4.自由な発想で和と洋を融合させた和菓子店「亀屋良長」
老舗和菓子屋「亀屋良長」
白い暖簾にガラス張りのお店。
和菓子屋とは思えないようなスタイリッシュさを感じるのはインテリアだけでない。
店内には和と洋を融合させたモダンな和菓子が並ぶ。
例えば、亀屋良長のヒット商品「スライスようかん」(京都限定)
薄いシート状にした丹波大納言小豆の粒あん羊羹に、沖縄の塩を効かせたバター羊羹とケシの実をトッピングしたこの商品は、スライスチーズからヒントを得たという。
トーストにのせて焼くだけで、自宅で簡単に「小倉バタートースト」を味わえる。
あるいは、秋限定の羊羹「山の幸」
マカデミアナッツ入りの羊羹の上に、栗、柿、無花果、小豆、くるみ、マカデミアナッツをのせた、秋の味覚が詰まった和菓子である。
洋の素材をふんだんに使用し、見た目をポップに飾っていても、伝統ある和菓子の技法を取り入れて作られているこれらのお菓子は、和菓子の奥ゆかしい雰囲気や奥深い味わいは失われていない。
京都で秋の味覚を楽しんで
実りの秋に感謝して、旬の食材を生かした料理を京都で是非味わって頂きたい。
文/小松佐保(Foody Style代表)