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池上彰さんとインド大使・ヴァルマ氏のスペシャル対談が実現!日本とインドによる共創のキーワードは「多様性」と「調和」

2020.09.26

世界第二位の人口を誇り、IT大国としても知られるインド。数年以内には日本のGDPを上回り、人口は2027年に中国を抜き世界一になると言われている。21世紀を牽引するインドと日本は、今後どのような関係を築いていくべきなのだろうか。

2020年9月15日、これからの日本とインドの関係性を考える「India & Japan: Future Forum(#日本インド未来会議)」が開催された。本稿では、ウェビナー形式で行われた同フォーラムの内容の一部をレポートしたい。

SESSION 1「インドの今とこれから〜日本とインドは協力関係をどう築くのか?」

SESSION 1は、駐日インド大使ヴァルマ氏と池上彰氏の対談。話はインドでの新型コロナウイルスの状況や収束の見通しから始まり、「なぜ今、世界で活躍するリーダーにインド系が多いのか」「今の日本とインドとの関係」「カースト制度への誤解」「ニューノーマル時代の捉え方」など、池上氏の質問に対しヴァルマ大使が考えを述べた。

中でも、インド系の人々が世界で活躍している背景の一つとして、インドの「多様性」が鍵になっているという話は興味深かった。インド人は英語ができるだけでなく、文化的背景が異なる人との生活に慣れている。外国に移り住み、言語、食習慣、服装などが違っても異文化に馴染みやすいのだという。

他にもヴァルマ大使からは、日本の若者への多くのメッセージも伝えられた。要約すると、以下のようになる。

【ヴァルマ大使から日本の若者へのメッセージ】

・たくさんの本を読んで欲しい
・今もこれからもインドと日本は非常に強いパートナー。お互いを誤解なく理解するためにも、インドに関する本も読んで欲しい
・インド文化と融合しそうな視点を自分なりに開拓して欲しい
・時には”ルール”に縛られず、自分の中の創造性を大切にすること
・できるだけ多くの言語、文化を学び、他国への理解を深めること
・歴史を学び、自分が行うべき義務を理解すること など

また、ヴァルマ大使は次のようにも語った。

「日本はイノベーションに長けた国で、新しい製品やプロセスを作ることが得意。科学技術とプロセス改革は、インドと日本がコラボレーションすべき2大分野です。(中略)両国の強みは競合するものではなく、補完的なもの。例えば、電子機器の設計・製造においては日本の方がインドよりはるかに強いが、コーディングや機械学習、IoTについては今のところインドの方が強い。互いの強みを組み合わせることができれば、1+1=(2ではなく)11になり、同時に弱点も補える」

日本とインドがお互いの強みを活かしながらタッグを組むことで、同時に弱点を補うこともでき、世界的にインパクトのあるイノベーションを起こせる可能性はとても高いことがわかる。

SESSION 2「インドの若者は今何を考え、どんな未来を目指しているのか?」

SESSION 2は、東京大学・東京工業大学にインドから留学している学生8人と池上彰氏とのディスカッション。「なぜ日本で勉強をしようと思ったのか」「日本とインドの教育の違いは?」「インドと日本の若者の違い」「日本の若者のここが嫌だ!」「日本のカレーをどう思う?」など、池上氏からの質問に学生たちが本音で答えた。

自立はしているが野心が少ない日本の大学生

特に印象深かったのは、インドの学生らが「日本の学生は自立している」という印象を持っていたこと。高校や大学に通いながらアルバイトをするなど、学びながらお金を稼ぐことが彼らには珍しく映っているようだ。というのも、今回参加しているインドの学生の周りでは「学ぶことに専念するため」に、両親が送り迎えをしたり資金を援助したりといったケースが多いのだという。

もう一つ印象的だったのが、「野心」について。日本の学生の多くは、大学で自分が学んだことをあまり活かすことなく、企業への就職を選択する。しかし、インドからの留学生からは「もっと野心的に自分の研究をしてもいいのでは」との意見も出ていた。インドの学生からすると、日本の学生は少し「守りに入っている」ように映るのかもしれない。

多様性に富んだ国インドで育った野心溢れる学生たちとの交流により、日本の学生にも刺激となり「安定の就職」以外の道が大きく拓かれていけば、日本もまた新たな成長を辿れるのかもしれない。

余談だが、インドの学生が「ココイチで5辛以上を頼むと驚かれる」など、プライベートでの生活の違いなど、何気ない文化の違いについての話も興味深かった。

SESSION 3「日印の共創ビジネスがもたらすグローバルインパクト」

SESSION 3では、日印ビジネスに関わるリーダーとインド首席公使によるパネルディスカション。各氏がインドで進めている事業や研究、取り組みなどについて紹介した。

【パネルディスカッションの参加者】

・ラージ・クマール・スリヴァスタヴァ 氏(駐日インド大使館首席公使)
・バラット・コーシャル氏(日立インド社 マネージングディレクター)
・アーローク・クマール氏(NECテクノロジーズインディア プレジデント兼CEO)
・西畑一宏氏(NTTデータ 代表取締役副社長執行役員)

それぞれの詳細なプロフィールはこちら

中でもNECテクノロジーズインディアのクマール氏による「インド国民IDプログラム」、NTTデータ西畑氏の「日本人とインド人の共通要素、補完要素」、日立インド社コーシャル氏の「Fintechの取り組み」に関する話は、日本にいるとなかなか知り得ない興味深い内容だった。

NECテクノロジーズインディアのクマール氏による、世界トップの照合精度を誇る国民IDプログラム「Aadhaar(アダール)」の解説

NTTデータ西畑氏による日本人とインド人の共通要素、補完要素に関する解説

農村部に住む市民にも銀行サービスを提供するATM

すでに日印のタッグにより成功を収めている事例を学ぶことは、日本の学生だけでなくビジネスパーソン、企業家にとっても大きな刺激となるはず。気になる取り組みについて、これを機に一度調べてみてみてはどうだろうか。

日印の共創のキーワードは「多様性」と「調和」

今回のフォーラムでは、全体を通じて「多様性」「調和」というワードが頻繁に登場した。最後にそれぞれの意味について少し考えてみたい。

「多様性」に富んでいるインドでは、それによる課題(宗教間の問題やカースト制度など)がある一方で、世界のどこでも活躍できる柔軟性と適応力を備えた人材を輩出している。この多様性の部分を日本がインドから学ぶことで、グルーバル社会で欠かせない要素が何か見えてくるのではないか。

そして今回のフォーラムを通じて、インド人と日本人は補完しあえる関係、つまり「調和」できる存在であることもわかった。同じアジア圏に生きる人間として共通している部分がありながらも、お互いにはない部分を補完し合える関係。これは、他国との組み合わせではなせないわざだ。

日本はまず、もっとインドのことを知り、そこから多様性による適応力を学ぶこと。そして、ビジネスにおいては積極的にインド人とタッグを組み、お互いの強みを活かしながらイノベーションを起こしていく。日本とインドとの調和によって、世界中にインパクトを与えるモノ・サービスが生まれる日もそう遠くはないかもしれない。

今回の配信はコチラから視聴登録すると、無料でアーカイブでも視聴することができる。また、インドに興味を持った方は、池上彰氏の近著『池上彰の世界の見方 インド 混沌と発展のはざまで』もぜひチェックしてほしい。グローバル化の中で生きるビジネスパーソンにとっても、新たな気づきや発見があるはずだ。

取材・文/久我裕紀

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