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知ってる?故人をきれいな状態で送り出し遺族の心にも良い思い出を残す技術「エンバーミング」

2020.09.24

葬儀に参列中、亡くなった人とのお別れのシーンを経験したことがあるだろうか。その故人の顔を見たときに、どんな印象だっただろうか。その最期の印象は、故人をこの先、思いしのび続けるためにも、とても重要なもの。できるだけ生前に近しい姿であってほしいものだ。

そこで今回は、故人をきれいな状態で送り出せる「エンバーミング」という技術を紹介する。自分の家族はもちろん、知人・友人を送り出す際にも、知っておいたほうが良い技術だ。一般社団法人日本遺体衛生保全協会監修のもと、最新のアンケート調査結果とともに基本知識を解説する。

「エンバーミング」の認知度は2割程度

日本遺体衛生保全協会が2020年3月4日~5日、1年以内に葬儀(告別式)への参列経験がある20~80代男女500名を対象に「『葬儀』に関する調査」を実施した。

「葬儀において印象的だったこと・もの」を聞いたところ、「故人の遺影」(42%)と「故人(ご遺体)の表情」(39%)が上位に上った。

しかし、故人の顔と生前の顔を比べて「表情や顔つきに違いを感じた」人は、66%にも上った。

その「生前の顔と違いを感じた点」を聞くと、

「表情が硬く、生前の柔和な印象が感じられなくなっていた」(72歳・男性)
「硬直により表情がゆがんでみえた」(73歳・男性)
「闘病でやつれてしまったうえに、血色も感じられないので、違う人のようだった」(32歳・女性)
「薬の副作用で、顔色が紫にみえるほど膨張していて、とてもショッキングだった」(58歳・女性)

などの声が挙がった。

次に、故人の顔つきや表情を、生前元気だった頃の姿に近づけることのできる技術「エンバーミング」について知っているかどうかを尋ねたところ、「ワード・意味ともに知っている」人は22%で、「ワードのみ知っている人」も14%に留まった。

これまで参列した葬儀で、故人がエンバーミングをしていたことがあるかと聞いた質問でも、「ある」と答えた人は12%となった。

しかし、一方でエンバーミングに興味がある人は59%にも上り、エンバーミングを施した葬儀に参列した経験のある人からは次のような声が挙がった。

「エンバーミングと化粧をして送り出した叔母は、安らかな顔にみえた」(65歳・女性)
「実母が亡くなった時にエンバーミングをお願いしたが、表情が柔らかくみえて良かった」(58歳・女性)

日本における「エンバーミング」の状況

日本ではまだ認知度の低いエンバーミング。しかし海外では一般的に普及しており、1992年8月時点で米国では90~95%、英国では70%の割合で施されているという。主に、感染症を防ぐ方法として尊重されている。

海外と比べれば日本ではまだ一般的ではないが、エンバーミング処置年間推移件数は2017年時点で42,760件であり、2010年の21,310件、2015年の33,853件と比較し、増加の一途をたどっている(※日本遺体衛生保全協会HPより)。

近年、葬儀は家族・親しい友人たちと思い出や感謝を語りながら送るという形に変化していることも背景としてあるといわれる。

2019年からは、厚生労働省による認定エンバーマー、つまりエンバーミングを施す技術者の養成研修事業もスタートした。

今後はエンバーミング及び、エンバーマーの認知・注目度も高まっていくと予想されている。

「エンバーミング」とは

では、エンバーミングとは具体的に何をすることなのか。

端的にいえば、血液と防腐剤を完全に入れ替え、全身に防腐剤を流すことをいう。

このエンバーミング処置の役割の一つめは、遺体の消毒・殺菌。感染症の原因となる病原菌・ウイルスによる危険な感染を防ぐためだ。

二つめは、腐敗の防止。臭い・変色対策にも効果があるとされる。

さらに、修復・化粧も行うことで、生前の安らかな顔に近づけることができ、故人に対して遺族の心に、より良い想い出を残せるようになる。

衛生的に安全となった遺体と心ゆくまでゆっくりとお別れできる、ということもある。

エンバーミングは、故人またはご遺族の自由意思に基づき行われるものだ。日本遺体衛生保全協会はエンバーミングの目的として、「ご遺体の尊厳を守り、ご遺族、関係者の公衆衛生上の安全(感染防御)を確保して、故人とのよりよきお別れを実現する一助となること」と掲げている。

グリーフケアとしての役割

先に紹介したエンバーミングの役割の一つに、「故人に対して遺族の心に、より良い想い出を残せるようになる」というものがあった。

日本遺体衛生保全協会は

「エンバーミングにより、衛生保全に加え、修復・化粧を施すことは、故人との想い出を、元気だった頃の印象のまま残すことにつながる」

「長い闘病生活や投薬、事故による損傷などでお元気だった頃の面影が無くなり、親しかった友人に最期のお別れをしてもらえないという悲しい場面を減らすことも可能にし、ご遺族の悲嘆を和らげることにもつながります(グリーフケア)」

と述べており、この「グリーフケア」としての役割に今後、注目が集まるのではないかと期待されている。

家族や親しい知人・友人などとのお別れの際や、自分自身の将来について、エンバーミングという選択肢があることを知っておくことは「グリーフケア」のためにも大事なことといえそうだ。

【監修】
一般社団法人 日本遺体衛生保全協会
http://www.embalming.jp/

取材・文/石原亜香利

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