
いつ新型コロナの新規感染者数が急増してもおかしくない今の時代。従業員の安全を守るため、企業はテレワークを導入しておくに越したことはない。しかし、「業務内容的に難しい」「インフラが整備されていない」など様々な理由で、導入が進んでいない企業もあることだろう。
そんな、テレワークの導入状況や導入の障壁に関する実態調査がこのほど、CO-NECT株式会社により、全国のメーカー・卸企業の経営者・社員を対象として実施されたので、その結果を紹介していきたい。
■テレワーク導入状況
テレワークを導入しているかを質問したところ、「全社導入している」と答えた企業は15%、「一部の部署・社員のみ導入している」と答えた企業は40%、「導入していない」と答えた企業は45%だった。
全社導入に成功している企業は10名以下の小規模企業・もしくは100名以上の企業のみとなっており、30~100名の企業がテレワーク未導入の最も多い理由を「テレワーク勤務時の業務フローや社内規定が整備されていない」と社内体制を挙げたのに対し、これらの規模の企業のテレワーク未導入の最も多い理由は「製造・物流、店舗運営など業務内容がテレワークに適していない」と業務上の理由となった。
■FAX対応がテレワークを阻害している
FAX対応はテレワーク実現の障壁になるかを質問したところ、35%の企業が「FAX対応の為に一部社員のテレワークが実現できない」と回答した。経済産業省の調査によると日本のBtoBの電子商取引は31.7%に留まっており(※1)、FAXや電話といったアナログな受注方法がテレワークを阻害していることがわかる。
■その他のテレワークを阻害する要因
その他、テレワークを阻む障害としては「製造・物流など業務内容がテレワークに適していない」と答えた企業が58%で、「店舗の運営があるためテレワークは難しい」「商品を動かす業務なのでテレワークだけでは完結しない」との意見が挙げられた。
次点で多かったのは「テレワーク勤務時の業務フローや社内規定が整備されていない」というソフト面での課題で、従業員数30~100名の企業が多く回答したことからノウハウ不足や情報を集めるだけのリソース不足が原因である事が推察される。
「FAXや電話経由での受注など、会社に行かないと注文情報が見れない」と回答したのは全体の37%で、システムへの移行やメールに頼った受注業務の難しさを感じられた。
※1 経済産業省「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる 国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」より。BtoBにおける電子商取引の割合を示すBtoB-EC市場規模は31.7%に留まっている。
<調査概要>
・調査対象企業:全国のメーカー・卸企業
・調査対象者:経営者、営業部門、情報システム部門他
・調査方法:Web上でのアンケート
・調査期間:2020年8月5日~8月11日
出典元:CO-NECT株式会社
構成/こじへい
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