
サッポロビールに勤める牧本梨奈さんは、同社初の女性フィールドマンを目指して研修中だ。フィールドマンとは、原料の育種、栽培、加工の専門家のこと。現在、群馬県にある原料開発研究所原料育種開発センターで、ビールの原料である大麦の品種改良に勤しむ。
牧本梨奈さん/京都大学農学部卒業後、同大学院農学研究科修了。大学院では果樹園芸学研究室で育種に興味を持ち、2019年にサッポロビールへ入社。今後はフィールドマンとして北米エリアを担当予定。
「品種改良は、まず、品質や収量などに優れた品種同士を交配した種を秋にまき、春にそれを収穫して、DNAマーカーなどを使って良い性質を持つ大麦だけを選抜します。育種は基本的に10年以上かかるんです」
品種改良を終えた大麦は、サッポロビールと協働契約栽培を行なう日本やオーストラリア、北米など世界各地の生産者により栽培される。
「生育のチェックのために現地を訪れ、生産者と円滑な関係を築くこともフィールドマンの大切な仕事のひとつです。ビールにはまだまだ可能性があります。より良い原料を生み出し、今までにないおいしいビールを作りたい!」
Q.仕事をする上で欠かせない道具や習慣がありましたら教えてください。
まずは物差し。麦の穂がどれだけ伸びたか、生育具合を計測するために使います。大麦を交配して育てる人工気象庫では、花などを採取するためにハサミとピンセットも使います。余計な花粉がついて意図しない受粉が起こらないように、手先を洗い流すためのエタノールも必須です。
Q.休日はどう過ごしていますか?
主に旅行です。最近、クルマを買ったこともあり、関東エリアをドライブするのが休日の楽しみ。大学院までは西日本にいたので新鮮です。昨今の状況が落ち着けば、学生時代みたいに海外旅行にも行きたい。ちょっと珍しいところだとバルト三国が印象的でした。ビールがとてもおいしくて、たくさん飲みましたね。
Q.今、ハマっていることを教えてください。
サウナ。研究所がある群馬には、天然温泉を備えたスーパー銭湯があり、お風呂の環境が充実していて楽しい。サウナから出たら水風呂に入り、その後は外気浴。いわゆる〝ととのう〟サイクルにハマってます。気持ちがシャキッとして、明日からまた頑張ろうって思えるんですよね。ビールはお家に帰ってから飲みます。
Q.趣味・特技を教えてください。
趣味は野球観戦。子供の頃からカープ女子です。せっかく関東に来たので、いろんな球場で観戦したいと思っているんですが、まだ行けてなくて残念。特技は少林寺拳法。中学校から大学まで10年間、少林寺拳法部に所属していて、全国大会で好成績を残せました。
Q.好きな本やマンガ、映画を教えてください。
電車通勤中は本を読むようにしています。ほぼ小説ですね。今読んでいるのは谷崎潤一郎の『細雪』。ほかには三島由紀夫とか、日本の古典や名作をよく読みます。現代の作家では恩田陸さんが好き。
Q.好きな食べ物を教えてください。
イクラと牡蠣。ふるさと納税を今年から始めました。北海道のイクラが今、冷凍庫にたくさんあって。すごく幸せ(笑)。牡蠣はどんな食べ方でも好きなのですが、最近のおすすめは生牡蠣にレモンとタバスコをかけて食べること。これが今、一番おいしいと思います!
Q.最近購入したモノで一番のお気に入りは?
ソファです。前よりちょっとだけ丁寧な暮らしが送れるようになりました。母の影響で、手芸が趣味のひとつなので、最近はレース編みをしながら動画配信サービスを観るのが癒しの時間です。
Q.やってみたいこと、行きたい場所、欲しいモノはありますか?
いつかペルーのマチュ・ピチュに行きたい! 高校時代の友達と長年、約束しているんです。そのためだけじゃないんですけど、大学ではスペイン語も勉強。だから「ビールください」はスペイン語で言えます(笑)。
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取材・文/佐藤太志 撮影/西村智晴 ヘアメイク/佐藤美香
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