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ファーウェイが独自に開発したスマホにも使えるOS「HarmonyOS 2.0」の全貌

2020.09.20

 ファーウェイは2020年9月10日、アプリ開発者会議「Huawei Developer Conference 2020」を開催。コンシューマビジネスグループのCEO、リチャード・ユー氏が基調講演を行い、独自OS「HarmonyOS」の最新版HarmonyOS 2.0を発表しました。このHarmonyOS 2.0はスマホ向けも用意されており、2021年中にはHarmonyOS搭載のスマホが登場しそうです。

HarmonyOSとは?

 HarmonyOSは、2019年のアプリ開発者会議で発表されました。幅広いデバイスで使えるのが特徴の分散型OSで、サクサクと動き、高いセキュリティ性能も備えるとアピール。アメリカ政府による禁輸措置でAndroidが使えなくなった場合のOSとして開発したのではないかと推測されましたが、スマートTVやスマートウォッチなどのIoT製品に導入されると当時は説明されていました。

 今回のHarmonyOS 2.0はソフトウエアバス(複数のソフトウエア間のやり取りを制御するソフトウエア)、データ管理、セキュリティなど既存の機能をアップグレードしました。また、世界中の様々なデバイスで利用できるようにするUXデザインのフレームワークを導入しています。

 今回のアップデートでHarmonyOSは正式にオープンソースとなり、アプリ開発者はエミュレータ、SDK(ソフトウエア開発キット)、IDEツール(統合開発環境)が利用できるようになります。

 基調講演では、いくつかの開発キットが紹介されました。「Camera Kit」では高度な写真撮影機能が提供され、ポートレートモードやHDR、背景ぼかし、夜景モードなどが可能になり画質が向上します。

「Share Kit」は通常のAndroidよりも80%速い、最大160Mbpsで近距離無線通信を可能に。また、地図でARによる道案内を可能にする「Cyberverse」という機能も開発されています。さらに、多くの車種に対応する「HiCar」を利用することで、スマホとクルマのインフォテインメントシステムが接続され、クルマの車載パネルでスマホと同様のことができるようになります。

 しかもHarmonyOSは業界で最高のセキュリティ認証を受けており、多彩な機能を安心して利用できるとしています。

 HarmonyOS 2.0は、まずスマートTV、スマートウオッチ、ヘッドユニット向けのベータ版が9月10日から提供されています。また、今回はスマホ向けも用意されており、12月に利用できるようになります。ユー氏は「2021年にはHarmonyOSのスマホも見られるようになるかもしれない」と発言していました。

アプリの充実がカギ

 ファーウェイは2019年、2億4000万台のスマホを出荷。マーケットシェアが中国で高いのはもちろん、グローバルで第1位を獲得している四半期もあります。また、スマホ以外の様々な周辺機器までフルラインアップする「All-Scenario(オールシナリオ)」戦略をファーウェイはとっていて、ウエアラブルデバイスやスマートウォッチ、タブレットでもシェア上位に位置。ノートPCやTWS(True Wireless Steleo)イヤホンでも業績を伸ばしています。

 ただ、HarmonyOSが成功するには、アプリの充実がカギとなるでしょう。かつて、iOS、Androidに次ぐ第3のOSとしてTizen、Firefox OS、Windows 10 Mobileなどが注目された時期もありましたが、アプリが充実せず、一部のスマートウォッチでTizenが使われている以外、成功していません。

 ファーウェイは現在、「AppGallery」で9万6000以上のアプリをファーウェイ製スマホ向けに配信しています。開発環境は急速に充実していますし、開発者にも様々な支援が提供されていますが、App StoreやGoogle Playのラインアップの充実度には遠く及びません。ユー氏は、「世界中のユーザーに中国の開発者を紹介している。それと同時に、海外の開発者が中国のユーザーにサービスを提供できるように支援したい」と語っていました。ファーウェイの取り組みと開発者のやる気に期待したいものです。

 ただ心配なのは、アメリカ政府による禁輸措置が強化され、ファーウェイはアメリカの技術を使って製造されているチップセットを完全に入手できなくなっていること。現状では、中国国内でしかチップセットを調達できません。しかし、中国のチップセットメーカーは、それまでファーウェイが採用していたメーカーより、技術的にかなり遅れをとっており、高性能スマホで使われている高度なチップセットを作ることができないといわれています。

 今後、ファーウェイのスマホ生産はどうなるのか……世界のスマホ市場の先行きを左右する巨大メーカの行動が、ますます注目されることでしょう。

取材・文/房野麻子

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