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江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜が愛用した天眼鏡から600年以上前の眼鏡まで!260以上のアンティークが見られる「東京メガネミュージアム」が面白い

2020.09.20

今から150年以上前、大政奉還を行った江戸幕府15代将軍・徳川慶喜公。彼が使っていた天眼鏡(以下:ルーペ)や、今から650年以上前の眼鏡や明治時代の検眼鏡など、歴史的価値が高いアンティークアイテムが見られることをご存じだろうか?

場所は東京都世田谷区。東急世田谷線「若林駅」から徒歩3分の場所に位置する「東京メガネ本部ビル」だ。ここには、およそ260点以上の眼鏡を中心としたアンティークアイテムが展示されている。

一体なぜ、こんなにも歴史的価値の高いアイテムが大量に展示されているのだろうか。

260点以上のアンティークアイテムを展示

東京メガネミュージアムは想像以上に広々としており、中央のテーブルの上に特別に展示されているガラスのショーケースには、徳川慶喜愛用のルーペをはじめ、4つのアンティークアイテムが展示されている。壁沿いに配置された棚には、年代別に眼鏡が置かれており、眼鏡の歴史や形の変遷を追うことができるのだ。

徳川慶喜公愛用のルーペや明治時代の検眼鏡が

まず注目は、大政奉還で有名な江戸幕府15代将軍・徳川慶喜(1837年〜1913年)愛用のルーペだ。

さらに、室町幕府12代将軍・足利義晴(1511年〜1550年)の眼鏡(レプリカ)が展示されている。諸説あるが、この足利義晴の眼鏡が現存する日本最古の眼鏡といわれているそうだ。ちなみに、日本に眼鏡を最初に伝えたのは、宣教師のフランシスコ・ザビエルが周防国(現在の山口県)の国主・大内義隆に献上したものといわれている。

現代の眼鏡の形とはかなり異なっている。なお、こちらはレプリカ品となっており、実物は京都の大徳寺が所蔵しているそうだ。

こちらは初期の日本製検眼鏡※。明治時代に作られたこの検眼鏡は今でもまだ、使えるというから驚きだ。

※検眼鏡 … 瞳孔に光を入れ、その反射光線で眼底の観察や屈折度の測定を行う器具。

上の写真は日本初期(1940年代ごろ)のプラスチック製コンタクトレンズと、そのケースだ。現在流通しているコンタクトレンズとは異なり、かなり大きめのサイズで、成人男性の親指ほどの大きさだった。

眼鏡の変遷がわかる展示コーナー

壁沿いの展示では650年以上前の眼鏡から近代の眼鏡まで、眼鏡の歴史が追えるようになっている。

眼鏡が視力の補正器具として誕生したのは、今からおよそ700年以上前の13世紀末期のイタリア・ベニス地方といわれている。上の写真は1300年代中盤に作られた「リベット眼鏡」の複製品だ。

当時、老いるとともに低下する視力は、「神様が与えた苦痛の1つ」という考え方があったそうだ。そんな神様が与えた苦痛を妨げる眼鏡は、「悪魔の仕業」といって、敬遠する人達もいたのだとか。

こちらは1500年代〜1700年代に作られたもの。上からべっ甲製の鼻眼鏡と右下は鯨骨製の鼻眼鏡。左は鮫革張り製の眼鏡ケースだ。フランシスコ・ザビエルが来日したのは、1500年代中盤といわれているため、ちょうどこれらの眼鏡が作られた頃、日本にも眼鏡が伝来したということだ。

ちなみに、現存する日本で最古の眼鏡は足利義晴が所持していた物といわれているが、ザビエルが周防(現在の山口県)の国主・大内義隆に献上した眼鏡だという説もある。

1600年代に入ると、西洋では「スパニッシュイタリアン型」と呼ばれる眼鏡が誕生。これは、従来までの手持ち式の眼鏡などとは異なり、紐を耳にかけて使うタイプのものだった。もちろん、このスパニッシュイタリアン型は日本にも伝来するが、鼻が高く顔の彫りが深い西洋人とは異なり、日本人がかけるとレンズと目が当たってしまうことが多かった。そのため、日本人によって使いやすいよう「鼻当て」(現在の「鼻パット」の原点)が生み出された。

1700年代に製造されたと伝えられているこちらの眼鏡は、「はさみ眼鏡」というものだ。本物のはさみでいうところの「刃」の部分を手に持って使っていた。可動式で折りたためて、持ち運びにも便利だったそうだ。

1800年代に製造された、長柄手持ち式の「ロングローネット」は、べっ甲や銀などで作られており、主に欧州の貴婦人たちの間で大流行した。

1800年代後半には、現代の眼鏡とほとんど同じ形の「巻つる式眼鏡」が製造された。上の写真は、1800年代後半に作られ、素材には錆に強いニッケルが用いられている。

このように東京メガネミュージアムでは、年代別に眼鏡の歴史を追うことができるのだ。無論、ここで紹介したコレクションは一部に過ぎず、もっと詳しく見たい人はぜひ、東京メガネミュージアムに足を運んでみてほしい。

ベートーヴェンが使ったものと同型の補聴器など貴重なアイテムが目白押し!

東京メガネミュージアムでは、眼鏡以外にも様々なアンティークアイテムが展示されている。

こちらは、かの有名な音楽家・ベートーヴェンが使っていた補聴器と同型とされる、ロンドンドーム型集音補聴器だ。

1800年代頃に作られたといわれているこちらの集音補聴器は、見た目に反してとても軽く、筆者が手に持ってみたところ、スマートフォンよりも軽量であった。

1800年代。貴婦人の間では、スパイグラスが使われていたそうだ。上の写真は扇子のような形をした角製扇型単眼鏡(スパイグラス)。レンズが埋め込まれており、パーティ会場などでひっそりと、気になる御仁をレンズ越しに貴婦人が見ていたのではないかと思われる。

少し変わった物であれば、東京メガネが創業当時に使っていた接客用の火鉢なども展示されている。19世紀末期から使われていたとされるこの火鉢はもちろん、創業から130年以上経過している東京メガネの歴史も同時に感じられた。

なぜこんなにも大量のアンティークアイテムが見られるの?

東京メガネ 代表取締役社長 白山聡一氏

なぜ、東京メガネミュージアムは、260以上ものアンティークアイテムを展示しているのか。代表取締役社長の白山氏にお話をうかがった。

白山社長「先代の私の父(故・白山晰也氏)は、眼鏡をこよなく愛する人でした。創業100年という業界でも屈指の老舗の継嗣として多方面より”眼鏡の歴史”を尋ねられることが多かったようで、それを詳らかにすることが自らの宿命と思うようになったと聞いています。歴史を研究する過程で、アンティークメガネの実物に触れ、一層の魅力を見出し、蒐集するに至ったのだと思います。当初は展示する予定はありませんでした。しかし、一般の方にも眼鏡に興味を持っていただき、より深く眼鏡の歴史を知っていただきたいと思い、ミュージアムの設立にいたったのです。

ミュージアムには、ありがたいことに色々な方にお越しいただいております。大学生の方が論文の作成のために来館したり、夏休みの自由研究のために小学生も見学に来ます。

ここには260点以上展示していますが、私が1番気に入っているのは“足利義晴”の眼鏡ですね。こちらは1980年頃に私の父が職人に作ってもらったレプリカ品ですが、日本の眼鏡の歴史を知る上では欠かせない1品だと思っています」

聞くと白山社長は、現存する本物の足利義晴の眼鏡を見るために、数年に1度、京都の大徳寺まで足を運んでいるのだとか。

2005年に設立した東京メガネミュージアム。そこには、先代社長から受け継がれている、白山氏の「眼鏡への思い」が込められていたのだ。

東京メガネ宣伝室 室長 今泉典久氏

260点という展示品の数に驚いていたが、実は今泉氏によると、すべて合わせるとおよそ500点以上ものコレクションを同社は所蔵しているとのこと。季節により展示物を入れ替えているそうだ。

これらのアンティークアイテムは、基本的には東京メガネミュージアムに常時展示されているが、ほかの美術館などに貸し出すこともあるとのこと。見たい物がある場合は、事前に確認をしておくと良いだろう。

【参照】東京メガネミュージアム<S・T・A・G・E>

※東京メガネミュージアムの見学には、事前予約が必要。上記リンクよりメールまたは電話で、随時予約を受付している。見学およびガイドなど入館料は無料。見学所要時間は約40分となっている。詳細はリンクより確認してほしい。

見学可能日:平日10時〜16時(閉館17時)
場所:東京メガネ本部ビル 3階
住所:東京都世田谷区若林 1-20-11
交通アクセス:東急世田谷線若林駅下車徒歩 3分 https://www.tokyomegane.co.jp/shop/setagaya/
電話番号:03-3411-6351(宣伝室)
メールアドレス:stage@tokyomegane.co.jp

東京メガネの歴史

東京メガネの誕生は、今から100年以上前の1883年。東京は日本橋人形町にて、初代の白山斉明氏が眼鏡の販売を開始したことに端を発する。

戦前までは、日本橋人形町のほかに深川門前中町などいくつかの店舗を構えていたが、戦争によってこれらを消失。現在、本部が置かれている世田谷区若林は疎開先だったそうだ。

戦後は着実に店舗数を増やしていき、1968年には初の海外(香港)への出店にもいたった。2005年には東京メガネミュージアムを開設した。

ボタン1つで遠近両用になる画期的なアイウエアも!

ミュージアムで歴史に浸った筆者。しかし、併設されている店舗に置かれていた最新のアイウエアの機能に驚かされた。こちらは「TouchFocus(R)」(タッチフォーカス(R))という製品でフレームにボタン(以下:タッチセンサー)が組み込まれており、このタッチセンサーを1度押すことによって、瞬時に遠近を切り替えられる次世代アイウエアだ。

実際に筆者も試してみたが、タッチセンサーに触れてレンズの下部に埋め込まれた液晶に電圧がかかり、光の屈折率が変化することで、度数が変化するので、非常に利便性が高いと感じた。こちらは東京メガネ世田谷若林店をはじめとする、東京メガネの店舗にて試すことができる。気になる人は、ぜひチェックしてみてほしい。

※製造元:三井化学株式会社
※TouchFocus(R)およびタッチフォーカス(R)は、三井化学の登録商標です。

東京メガネ 世田谷若林店
電話番号:03-3411-6318
住所:東京都世田谷区若林1-20-11 
営業時間:10時〜18時
定休日:土・日曜、祝日(土曜日のみ予約受付可)
取扱商品:眼鏡、補聴器、コンタクトレンズ、眼鏡ケース、ルー-ペ

【参照】東京メガネ公式HP https://www.tokyomegane.co.jp

取材・文/高見沢 洸

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