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電子メディアの長時間使用が小児の学力に影響、オーストラリア・マードック小児研究所レポート

2020.09.29

電子メディアの使用時間が小児の学力に影響

小児における長時間のテレビ視聴はリテラシー(読解記述力)の低さに、長時間のコンピューター使用はニューメラシー(計算能力)の低さに関連することが、8〜11歳の小児を対象にした研究から明らかになった。

マードック小児研究所(オーストラリア)のLisa Mundy氏らによるこの研究結果は、「PLOS ONE」9月2日オンライン版に掲載された。

小児の電子メディア(テレビやコンピューター、ビデオゲームなど)の使用は、肥満、睡眠不足、その他の身体的健康問題に関連することが、過去の研究で報告されている。

その一方で、電子メディアの使用は、情報入手やテクノロジースキル、社会的なつながりの面でベネフィットをもたらし得ることも示唆されている。しかし、電子メディアと学力の関連については、明確になっていない。

そこでMundy氏らは、Childhood to Adolescence Transition Study(CATS)の2012〜2014年の調査データを用いて、小児の電子メディアの使用が、後の学力に及ぼす影響を調べる研究を実施した。対象となった小児は、8~9歳(日本の小学3年生に相当)の1,239人(46.2%が男児)。

対象者の学力は、研究開始時点とその2年後に実施された、NAPLAN(National Assessment Program - Literacy and Numeracy)と呼ばれるテストの結果で評価した。

NAPLANは、読解力、文章力、基礎英語能力(以上、リテラシー関連のテスト)、計算能力(ニューメラシー関連のテスト)を評価するオーストラリアの全国テストで、毎年、全ての公立・私立学校の第3、5、7、9学年の生徒を対象に実施される。また、電子メディアの使用状況については、質問票に対する親の回答を基に把握した。

これらのデータを解析した結果、小学3年生時点で1日2時間を超えてテレビを見ていた小児は、視聴時間が1時間以下だった小児に比べて、小学5年生時点でのリテラシー関連のテストの点数が低く、その差は、4カ月分の学習の遅れに相当することが明らかになった。

また、小学3年生時点で1日1時間を超えてコンピューターを使用していた小児では、コンピューターを使用していなかった小児に比べて、小学5年生時点でのニューメラシー関連のテストの点数が低かった。その一方で、ビデオゲームの使用と学力との間には、関連が認められなかった。

さらに、小学5年生時点での電子メディアの使用状況と学力との関連を検討したところ、試験開始時の学力とメディアの使用状況を調整した後でも、1日2時間超のテレビの視聴と1日1時間超のコンピューターの使用はそれぞれ、ニューメラシー関連テストの点数の低さと関連していた。

こうした結果を受けて著者らは、「今回の研究で得られた知見は、親や教師、医療提供者が、児童期の後期における電子メディア使用に関して、方針や推奨事項を作成する上で役立つ可能性がある」と述べている。

さらに著者らは、「今日のパンデミックが小児の時間の使い方に与えた影響の大きさを考慮すると、小児の学習に電子メディアが及ぼす影響についての議論は、かつてないほど重要な問題となっている」とし、研究を継続して、電子メディアと高校での学力の関連を調べることで、今回の結果をさらに強固なものにしていきたいとしている。(HealthDay News 2020年9月2日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0237908

構成/DIME編集部

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