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夫婦は同じ生活習慣病に罹りやすい、筑波大学研究報告

2020.09.18

夫婦は同じ生活習慣病になりやすい――筑波大

夫が生活習慣病で治療を受けていると、同居の妻も同じ生活習慣病で治療を受けている割合が高いという事実が明らかになった。

筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野の田宮菜奈子氏、杉山雄大氏、渡邊多永子氏(現在の所属は厚生労働省)らの研究グループによる論文が、「BMJ Open」7月28日オンライン版に掲載された。

生活習慣病は、遺伝的背景と長年の生活習慣による負荷に加齢が重なって発症する。夫婦は遺伝的背景については異なるが、似通った生活習慣であることが多いため、二人とも同じ生活習慣病を発症しやすいことを示したデータが海外から報告されている。しかし日本人でも同じような傾向があるかどうかは、これまで分かっていなかった。

今回の研究では、2016年の厚労省「国民生活基礎調査」の匿名データを利用。同調査の調査対象だった約29万世帯から、夫と妻の双方が40歳以上で、データ欠落のない8万6,941世帯を抽出し、高血圧、糖尿病、脂質異常症の受療状況を調べた。

まず、国民生活基礎調査の協力者の中で、「治療を受けている」と回答した生活習慣病の人の割合を見ると、高血圧は妻17.4%、夫23.2%、糖尿病は妻5.0%、夫10.3%、脂質異常症は妻9.7%、夫7.2%であり、これら3種類の疾患のいずれかの治療を受けている割合は、妻25.7%、夫32.5%だった。

夫婦内での一致率(夫婦ともに治療を受けていない割合と、夫婦ともに治療を受けている割合の合計)は、高血圧に関しては73.2%で、糖尿病と脂質異常症はともに86.5%だった。

次に、高血圧治療を受けていない夫の妻が高血圧治療を受けている割合を基準として、高血圧治療を受けている夫の妻が高血圧治療を受けている割合を比較した。

すると、40歳代、50歳代、60歳代、70歳代、80歳以上の全ての年齢層において、後者の妻の方が高血圧治療を受けている割合が有意に高いという結果になった(すべての年齢階級層でP<0.005)。さらに、糖尿病、脂質異常症についても同様の結果だった。

続いて、ロジスティック回帰分析により、居住地、経済状況、および妻の年齢、学歴、飲酒・喫煙習慣、併存疾患で調整した上で、夫が生活習慣病の治療を受けている場合に妻が同じ疾患で治療を受けている割合(治療を受けるリスク)を検討。

その結果、高血圧についてはオッズ比(OR)1.79(95%信頼区間1.72~1.86)、糖尿病はOR1.45(1.34~1.58)、脂質異常症はOR2.58(2.41~2.75)となり、妻が夫と同じ生活習慣病の治療を受けるリスクが有意に高いことが分かった。

逆に妻が生活習慣病の治療を受けている場合に、夫が同じ疾患の治療を受けるリスクを検討すると、高血圧についてはOR1.82(1.75~1.89)、糖尿病はOR1.44(1.32~1.56)、脂質異常症はOR2.49(2.33~2.66)となり、やはり同じ生活習慣病の治療を受けるリスクが有意に高いという、同様の結果が得られた。

研究グループでは、これらの結果を、「日本人も夫婦で同じ生活習慣病に罹患しやすいことが分かった。夫婦がともに食事や運動習慣を改善したり、健診を受けたりすることが重要」とまとめるとともに、医療従事者には「疾患の予防や早期発見、進行抑止のために、患者の配偶者にも気を配る必要がある」と注意を促している。(HealthDay News 2020年8月31日)

Abstract/Full Text
https://bmjopen.bmj.com/content/10/7/e036281

Press Release
http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p202008031000.html

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

構成/DIME編集部

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