
記録的猛暑に見舞われた2020年・夏。営業の外回りをはじめとした屋外で働く人にとって過酷な日々が続いたことは想像に難くない。また、身に着けていたワイシャツ、スーツが汗まみれになるなど、衣類や体臭に関する悩みも尽きなかったのではないだろうか?
ライオン株式会社ではこのほど、屋外で働く人がいる172家庭を対象に、「仕事と汗と洗濯に関する調査」を実施。その結果、屋外で働く人の約半数が「例年より汗をかいている」と実感していることが明らかになった。
なお、調査の対象は、自分または配偶者など同居家族が屋外で働いている172家庭(内訳:屋外で働いている本人が回答82人、屋外で働いている人の家族が回答90人)だ。
半数以上が「例年より汗が多い」と感じている
回答者本人が屋外で働く82人に、仕事中の汗について聞いた。すると、約9割(87.8%)が「汗をかくことが多い」と答えている[図1-1]。また、半数以上が「例年よりも汗をかくことが増えた」と実感している[図1-2]。
猛暑で大変な2020年の夏、まだまだ残暑も続くため、汗やニオイに関する悩み事がますます増える可能性がある。
屋外で働く人の約8割が「自分の汗のニオイ」を気にする
次に、仕事をする際に気にしていることを聞いた。結果は、「マスクをつけること」(84.1%)、「水分を補給すること」(81.7%)、「熱中症に気をつけること」(81.7%)に次いで、約8割が「汗などのニオイがしないか」(75.6%)と、自分の汗臭を気にしている[図2]。
そこで、自分の汗臭が気になる時間帯を聞くと、「昼・午後」(84.1%)が最も多くなっているが、半数近くは「朝・午前中」(45.1%)から気になると答えている[図3]。
2020年の夏、屋外で働く人の多くが、「汗臭」を気にしながら働いていることか分かった。
■2020年夏の洗濯意識
2020年は、コロナ禍を意識した生活がニューノーマルとなりつつある。そこで、屋外で働く人がいる172家庭に洗濯する際の意識を聞いた。3人に1人は「コロナウイルス感染拡大以前から、衣服についたウイルスを気にしていた」(35.5%)と回答している。また「コロナウイルス感染拡大以後、衣服についたウイルスを気にするようになった」(71.5%)は7割に上った。
また、「お洗濯で衣類につくウイルスを取り除くようにしている」も70.3%と多く、ウイルス対策として洗濯をする人も少なくないようだ。
今年の洗濯で増えたのは「部屋干しの回数」
屋外で働く人がいる172家庭に、今年の洗濯で増えたことを聞いた。最も多かったのは、「部屋干しの回数」(70.3%)であり、「洗濯物の量」(62.8%)、「洗濯の回数」(62.2%)に比べて多くなっていた[図4]。
次に、洗濯をしているときに気になるニオイ汚れを聞くと、「生乾き臭」(91.9%)が最も多く、「部屋干し臭」(86.6%)、「汗臭」(81.4%)の順となった[図5]。部屋干しの回数が増えているだけに、生乾き臭がより気になるのかもしれない。
これら「生乾き臭」「部屋干し臭」「汗臭」「加齢臭」「ペット臭」の五つは、洗濯で落としたい5大ニオイ汚れといわれている。
洗濯ハカセに聞く、ニオイ汚れ対策
最後に、2020年の夏のお洗濯対策、屋外で働く、汗が気になる人のニオイ対策などについて、洗濯ハカセとして知られる神崎さんの話を紹介していきたい。
■2020年の夏の洗濯に関する消費者トレンド
緊急事態宣言中には、洗濯物を洗う回数が増えたという話をよく聞きました。また長梅雨で部屋干しニオイを防ぐ洗濯の手法を生活者の皆さんが求めていたのは間違いないようです。今年は、汚れ落ち以上に、「菌やウイルス」と「ニオイ」を意識した洗濯事情になっていると思います。
■屋外で働く、汗が気になる人の、お洗濯での対策とは
この調査結果を見ると、屋外で働く人の9割が、生乾き臭や部屋干し臭を気にしており、8割が汗臭を気にしています。
また約半数が、朝から自分のニオイを気にしています。ニオイの原因は、衣類に残っている皮脂汚れによるもの。朝から気になるのは、洗濯で落としきれずに残っていた皮脂汚れが発汗によって雑菌が繁殖してニオイを放っている状態。
昼から夕方にかけて気にする人が増えるのは、汗や体温など適度な環境が維持されることよって雑菌が増殖、さらにニオイを放ちやすい環境になるからです。最近は機能性インナーなどのニオイも気になるところで、繰り返し使えば使うほど、汚れが目詰まりしてニオイやすくなる傾向にあるかと思います。また、化学繊維系の衣類に関しては、劣化することで化学繊維自体が吸着していたニオイが表れてきます。
こういった状況を防ぐためには、つけおき洗いをすることが効果的です。人の肌の温度と同じ程度のお湯を使うことで汚れ落ちがよくなるため、積極的にお勧めしています。
人の肌と同じ程度の温度は、皮脂汚れが溶け出す温度でもあるため、洗濯をする際に、一時的にその温度でつけおきしてから洗うことで、実際の洗濯時の汚れ落ちをワンランクアップしてくれます。特に、白い物やシャツ等で肌が擦れて、皮脂汚れがびっしり付着するような場合は、そういった洗濯が本来はお勧めです。
<神崎健輔(かんざき・けんすけ)さん 洗濯ハカセ>
洗濯・シミ抜き職人。実家の老舗クリーニング店「白洋社」部長。株式会社クラスタス CTO。宅配クリーニング「Nexcy(ネクシー)」CTOとして、全国から集配可能なクリーニング店の運営も行う。それらの経験をもとに、「洗濯ハカセ」として、家庭でもできる洗濯・シミ抜き術を発信中。テレビ雑誌等、メディア出演多数。
<調査概要>
実施時期:2020年7月23日(木祝)~7月28日(火)
調査手法:ホームユースweb調査
調査対象:自分または配偶者など同居家族が屋外で働いており、回答者が「週1回以上」洗濯をする172家庭
(内訳:屋外で働いている本人が回答82人、屋外で働いている人の家族が回答90人)
出典元:ライオン株式会社
構成/こじへい
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