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作業療法士がアドバイス!夏の疲れを解消して免疫力を高めるために実践すべき10のこと

2020.09.14

9月になっても、まだまだ暑さが続く毎日。残暑疲れが出てきている頃ではないだろうか。そんなとき、睡眠については熱帯夜の寝苦しさなどもあり、苦労している人も多いはずだ。

そこで今回は、睡眠のプロに今すぐできる今の時期にぴったりの快眠術を聞いた。

残暑の時期の睡眠の大切さ

今回話を聞いたのは、東京都千代田区のベスリクリニックで睡眠外来を担当する作業療法士の菅原洋平さんだ。残暑の体調を崩しがちな時期の、睡眠の大切さについて次のように語る。

【取材協力】

菅原洋平さん
作業療法士。「あなたの人生を変える睡眠の法則」(自由国民社)、「『寝たりない』がなくなる本」(三笠書房)、「すぐやる~行動力を高める科学的な方法~」(文響社)など、著書多数。
ブログ:あしたを変える!脳の話
https://ameblo.jp/activesleep

「これから、季節の変わり目を迎え、気温が低下し、気圧が高くなります。体は、その変化に先取りして交感神経活動を高めて備えるはずですが、備えが整っていないと、季節の変わり目で体調を崩してしまいます。

体に備えさせるには、日照の変化を『朝の光』で知らせる必要があります。

そして、体調を崩さないためには免疫力を高めることが必要です。そのためには『睡眠の量と質を高める』ことが役立ちます。細胞の免疫機能を司るサイトカインは、1日のリズムの影響を受けており、もともと睡眠中に最も血中濃度が上がります。睡眠時間が減れば、サイトカインが増える時間が減るので免疫力が低下し、病気にかかりやすくなると考えられています。

ヒトを対象にした実験では、睡眠量を毎晩4時間に減らしたグループは、インフルエンザワクチン抗体の量や強さが、通常通り睡眠をとっていたグループと比較して半分以下にも満たないという結果が得られています」

睡眠の質を上げる方法

残暑バテで体調を崩しがちなら要注意。今の時期を元気に乗り切るために、睡眠の質を上げる方法を、寝る直前と日中それぞれ教えてもらった。

●寝る直前にやること

1.エアコンで寝室と寝具を冷やす

「睡眠の質を上げるには、内臓の温度である深部体温を下げる必要があります。眠り始めに汗をかき、その汗が蒸発したり、寝具に吸い取られたりすることで深部体温は下がります。ところが残暑の季節は、日中の日照で、建材や寝具に熱がこもっています。体が眠り始めに汗をかいて放熱しようとしても、汗が蒸発しにくく、深部体温が下がりにくいのです。

そこで、帰宅したらまず、まくらやタオルケットをどけてベッドを露出させ、寝室のエアコンをつけて建材と寝具の熱をとりましょう。眠るときには、エアコンの冷房の設定温度を高くしてつけたままにして就寝すると、体の熱を寝具が吸い取り、深部体温の低下が促進できます」

2.足首を温める

「人間の体は、足首が温まると放熱が促進されます。足首には、脛骨動脈(けいこつどうみゃく)という太い血管が通っていて、そこが温められると、足の裏から放熱をし、血液の温度が下がることで深部体温が下がります。就寝前に足首を触ってみて、もし冷たければ、深部体温が低下しにくく、良質な睡眠が得られにくいです。入浴で湯船につかる人は入浴後にレッグウォーマーで足首を保温しましょう。靴下を履くより、足先から放熱できるレッグウォーマーが最適です。シャワー浴のみの人は、シャワーの最後に、両足首に10秒ずつシャワーを当てると、足首を温めることができます」

3.ホットタオルで足の裏をふく

「熱帯夜では、足の裏からの汗による放熱が妨げられます。そこで、ホットタオルをつかって、汗の蒸発を促進しましょう。風邪をひくなどして高熱が出たときに、温かいタオルで体をふくと、少し体がラクになったという経験があるかもしれません。タオルの蒸気を利用すると、体の放熱が促進できます。レンジ対応の袋にぬれタオルを入れて温めると、ホットタオルがつくれます。就寝前に、ホットタオルで足の裏や指の間をふいてみましょう。ホットタオルの蒸気で熱が奪われ、ふいた後はさっぱりします」

4.耳から上の頭を冷やす

「保冷剤や冷凍したタオルで、耳から上の頭を冷やしてみましょう。大脳の温度が下がらないと、睡眠の質が低下してしまいます。大脳の周りには血管が張り巡らされていて、その血管が冷やされると、大脳の温度を下げることができます。冷やす場所は、耳から上です。枕に冷たいものを敷いて眠ってみると、耳から下の首のあたりに置いたほうが、しっくりくると感じるかもしれません。しかし、耳から下の位置は、生命維持の機能を司る脳幹があって、冷えると危機状態だととらえ、大脳を覚醒させてしまいます」

5.部屋を暗くして夜をつくる

「残暑の季節は、日照時間が短くなってきています。睡眠時間は、日照時間に依存し、日照時間が短くなるほど睡眠時間は長くなります。冬至では夏至に比べて、2時間程度長く眠るのが自然な現象です。リビングの照明が明るいと、日照の変化が感知できなくなるので、帰宅後に照明を暗くする時間をつくってみましょう。照明の照度を低くしたり、使っていない照明を消したり、間接照明で過ごせると良いです。入浴中に、浴室の照明を消したり、音楽を聴いているときに、部屋の照明を消したりするなど、脳に『夜』がきたことを明確に知らせてみましょう」

●朝から夕方までの日中にやること

1.目覚めたら窓から1m以内に入る

「脳は、朝に目の網膜から光が入ると、その16時間後に眠くなる仕組みを持ちます。1日の長さを決めるメラトニンというホルモンは、朝に強い光を浴びるほど減り、朝しっかり減らすほど夜はたくさん分泌されます。目覚めた直後が最も光に対する感度が高く、時間が経過するほどメラトニンが減る効果は低くなっていきます。充分な光を得るには、窓から1m以内に入る必要があります。

残暑の季節は、日照時間が短くなってきています。脳は、日照時間の変化を感知すると、その2か月後の体調の準備をします。気温が下がり気圧が高くなる冬に向けてこの時期に準備ができないと、秋から冬の始まりに、イライラしやすくなったり、寝つきが悪くなったりすることがあります。季節の変化を脳に知らせましょう」

2.脱水を防ぐために水分補給をする

「熱中症予防には、こまめな水分補給が大切ですが、水分補給は睡眠の質を確保するためにも重要です。深く眠るには、発汗による放熱作用で深部体温を下げる必要があります。睡眠中の発汗量と睡眠の深さを照合すると、発汗が増えたタイミングで深い睡眠が出現します。日中の水分補給が少ないと、体は汗による水分の排泄が減り、排泄が減ると水分摂取の欲求が減るので、脱水しやすくなります。睡眠中にしっかり発汗作用が使えるように、昼間、できれば30分おきに水分を補給してみましょう」

3.炭水化物や甘いものは後で食べる

「夜間睡眠の質を低下させる要因として、昼間に深く眠ってしまうことがあります。残暑が続くと、アイスやジュースなど甘いものを食べる機会が増えがちですが、空腹時に甘いものを食べると、低血糖により居眠りしやすくなってしまいます。甘いものを摂取すると、急に血糖値が高まるので、その反動でインシュリンが急分泌されて一時的に低血糖状態になります。低血糖になると、へなへなと力が出なくなってボーっとしたり、眠気を感じていなくてもいきなり寝落ちするような居眠りをしてしまうことがあります。食後の低血糖を防ぐために、食事では炭水化物は後のほうで食べる、甘いものや飲みものは食事の後で食べるようにしてみましょう」

4.計画仮眠をする

「残暑では、体力が低下しやすくなります。夜間睡眠だけで体力を回復しきれない場合、昼の仮眠で補うことが有効です。夜の睡眠を阻害しない仮眠方法は、次の4つがポイントです」

(1)眠くなる前に仮眠する

「眠気を我慢してから居眠りをしてしまうと、目覚めた後に、ボーっとしてしまいます」

(2)1分~30分以内にする

「5分未満でもスッキリ感は得られますが、6分から15分が最適です。30分を超えると、夜間睡眠の質が低下してしまうことがあります」

(3)座ったまま寝る

「横になると、深い睡眠の脳波が出やすく、夜間睡眠の質が低下してしまいます」

(4)起きる時間を3回唱える

「何分後に起きるかを言語化すると、その数秒前に心拍数が高まり、スムーズに目覚められます」

5.夕方に筋トレをする

「夜間睡眠の質を左右する深部体温は、起床11時間後に最高になるリズムがあるので、この時間帯に体を動かして体温を上げることができれば、それだけ眠り始めに体温が急激に下がり、睡眠の質を向上させることができます。

熱を産生する器官は筋肉なので、朝起きる生活の場合、起床11時間後に当たる夕方には、筋力トレーニングができればよいです。強度の高い運動を低頻度行うより、強度の低い運動を高頻度行うほうが効果的です。スクワットなどその場ですぐにできるメニューを選び、夕方の時間帯に5分でも筋トレをしてみましょう」

どれも今夜から、または今すぐに実践できるものばかり。睡眠の質を上げて、残暑を元気に乗り切ろう。

取材・文/石原亜香利

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