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ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル、5Gネットワーク競争で勝ち残るのはどこ?

2020.09.15

楽天モバイルが基地局設置を5年前倒しするワケ

石川氏:楽天の決算発表で、基地局設置が5年前倒しとしたのが衝撃的だった。

楽天株式会社 代表取締役会長兼社長最高執行役員 三木谷 浩史氏

法林氏:言ってるだけだよ。

石野氏:一般的に携帯電話のインフラって10年で1世代変わるっていわれていますが、5Gが始まろうとしている今、5Gの寿命の半分くらいかけて4Gを全国展開しようとしていた当初の計画って一体……という気はしました。

石川氏:計画といいながら計画になっていないような。

石野氏:5年巻き上げるための計画だったんじゃないかと。

石川氏:そうだし、たぶん、サービスを始めて色々見えてきたことがあるんだろうなという気がしています。ひとつに、KDDIのローミング料金がかなり負担なんだろうなと。楽天モバイルには、今、100万の契約申し込みがある。年内に300万、700万へと増やし、その辺が損益分岐点と言っているけれど、獲得スピードをあまり早めちゃうとローミング料が半端なく出ちゃう。なので、アクセルは踏みたいけれど、微妙に緩めている感じがする。

石野氏:トーンダウンしていますよね。

石川氏:そう。トーンダウンしているのは、明らかにローミング料が経営に響いているんだと思う。

法林氏:これくらいかなと思っていたより、だいぶ赤字幅が大きかったという感じじゃないかな。

房野氏:確かに結構すごい数字でしたね(2020年1~6月期の連結決算は最終損益が274億円の赤字)。

石川氏:楽天モバイルとして、自分たちのネットワークを作らないことにはどうしようもない。5年前倒しだけど、5年間かけてやる設備投資を1年でやるってことは、数千億円の赤字が出ることになるじゃないですか。経営的には痛いけれど、それをやらないことには、どうしようもないって腹をくくったんだろうなという気がします。ただ、彼らの計画では基地局が2万7000くらいしかないので、本当にそれで人口カバー率96%に達するのかというと、結構微妙だなと。

KDDIとのローミングの協定は、都道府県単位で楽天モバイルのエリアが70%を超えたら打ち切ってもいいということになっている。70%を超えた瞬間に、KDDIからバチッとローミング契約を切られるのか、「いやいや、もうちょっと待ってくださいよ」といって貸してもらうのか、これからの交渉次第なのかなと。

房野氏:ローミングの終了は2026年ですね。

石川氏:本来は2026年までの契約だけど、2026年まで時間をかけてゆっくりとネットワークを作っていけば、ローミングの契約としては成立するけれど、基地局建設を前倒しすると、KDDIが提供をやめることできるようになる。そのへん、どうなるかは注目。

石野氏:人口カバー率が96%だと、まだつながらないところが多いでしょうね。そこをどうしていくかですよね。

法林氏:ドコモのFOMA、iモードが2026年3月31日に終わる。2026年あたりは、業界的に色んな節目になりそうだね。でも、FOMAが終わるだけで、海外のローミングは受けるんじゃないかな。

石川氏:本来は、オリンピックがあるから、「とりあえず2020年まで、ドコモとソフトバンクは3Gを止められません」って話だった。KDDIは、CDMA2000ではローミングしないだろうということでケータイは3Gを止めた。

房野氏:日本で携帯電話を使えない、海外からの渡航者が出てくるでしょうか。

法林氏:対策はいくらでもある。日本に来た時にWi-Fiルーターを貸せばいい。レンタルサービスは色々ある。やっかいなのは電話。ただ、このコロナ禍で、インバウンドのことをそこまで考える必要があるかという部分がちょっとある。

石野氏:でも、コロナ禍が10年続くわけじゃないですから。

クラウドSIMのデータ通信無制限は最初から無理だった

房野氏:通信制限なしのモバイルWi-Fiルーターで注目された「どんなときもWiFi」が、速度低下でトラブルになり、総務省から行政指導を受け、結局、無制限プランを10月いっぱいで終了しますね。サポートの悪さも指摘されています。

石川氏:MVNOで無制限サービスをするのは無理があるというのがはっきりわかった。「クラウドSIM」※といっているけれど、あれも結局SIMカードの調達が制限されたら成り立たないわけだし。

※「クラウドSIM」:物理的なSIMカードを複数挿した「SIMバンク」と呼ばれる機器から、クラウドSIMサーバを介して仮想化されたSIMカード(SIMのデータ)を端末がダウンロードすることで通信する

石野氏:あの発表のおかげで、4月に書いた自分の記事がまたよく読まれています(笑)。あれもねぇ……どんなときもWiFiは相当軽率だったけど、若干騙されている感じもあって……

石川氏:ネットワークに対する知識がなさすぎ。

法林氏:クラウドSIMという仕組みが、魔法のように考えられている感じがするんだけど、ただSIMカードがクラウドにあるだけの話でしかない。

石野氏:SIMカードを仮想化するっていう話だって、イコール無制限じゃないのに、無制限みたいな言い方でガンガン広めちゃっていたのがそもそも良くない。

房野氏:SIMボックスの中に、本当にSIMカードが何枚も刺さっているのを見た時に、ちょっと驚いてしまいました。SIMカードがたくさんあるというだけで、有限ですよね。

石野氏:あの仕組み自体は面白い。別に悪くない。力業のeSIMみたいな感じ。

石川氏:海外のいろんなところでデータ通信する際に、現地のキャリアにつないで料金を安くするというのが真っ当な使い方。

法林氏:ビジョンの「グローバルWiFi」が、SIMカードが9枚入るWi-Fiルーターを採用していたよね。

石野氏:そう、あれのバーチャル版って感じですよね。

法林氏:あれを仮想化しているというか、あれをサーバに置いておいて、端末にはサーバを読みに行く専用のSIMが1個ある、みたいな感じ。

石野氏:クラウドSIMは仮想化といっていますけど、物理的なSIMカードが刺さっているので完全な仮想化もできていない感じ。でも、たくさんSIMカードを挿せるというところに目を付けて、「100GBとかの大容量のSIMカードを1つ挿して、それをシェアして、うまいこと回せば無制限になるんじゃないか」という商売の仕方をした時点で、ちょっと間違った使い方になった。

法林氏:結局、設計が甘いんですよ。

石川氏:データ通信を大量に利用する人は、半端ない量を使う。何に使っているかわからないけど、どんなときもWiFiの無制限プラン終了についての文書にも、テラバイトレベルで使う人がいるって書いていたくらい。使い放題をモバイルで提供したら、格好の餌食になるというのが目に見えた。

法林氏:もうちょっとオープンにしてというか、中の仕組みを見せていいかどうかという問題はあるけれど、監督官庁、なんとかしようよって感じはします。

石川氏:そもそも、ネットワークを持っているキャリアが無制限を提供できていないのに、なぜMVNOができるのかという、そもそものビジネスモデル的な疑問がある。ドコモですら、おっかなびっくりでようやく無制限プランをキャンペーンで提供しているくらいなのに。

法林氏:スマホでやり取りできるデータ容量は、だいたいこれくらいだろうという読みがあってやるんだけど、Wi-Fiルーターにすると、つながるデバイスは何でもありなんでね。「サーバをつなげられたら、お手上げ……」みたいな話。

石野氏:無制限を提供していた会社は、テレビCMの効果を見間違えていた。無制限という言葉を聞くと、テラバイトを使う人が集まっちゃうんですよ。避けて通れない部分なので、あらかじめちゃん対策していなかったことは、提供する会社側の責任だと思います。

房野氏:今はどういう状態なんですか?

石野氏:どんなときもWiFiは10月31日で無制限サービス終了。

石川氏:受付終了で、サービス終了で、代替えプランとしてホームルーターとモバイルルーターのセットを同じくらいの料金で提供する。

房野氏:制限付きプランを提供するとかは?

石野氏:制限付きは何かあるんじゃないですかね。

法林氏:どんなときもWiFiが出した文書内の「弊社の無制限データ通信についての考え」に、「現時点でキャリアからの特例的な契約がない限り、本当の意味での誰に対してもデータ容量無制限での利用は不可能」とある。だったらこのサービスの名称はなんだよって。

石川氏:それを先に知っておいてよと。

石野氏:その後に「無制限的な」サービスは提供できるけど、とある。最初から「無制限的な」と言っていなかったのがユーザーに対して不誠実でしたね。

法林氏:クラウドSIMのことも書いてある。「クラウドSIMシステムはデータ容量無制限を提供するものではなく場所とキャリアに縛られない通信環境を提供する技術である」。そんなこと、今さら何を言っているんだと。

石野氏:怒られるまで、それを言わなかったというのが良くない。

法林氏:迷惑を被ったのはuCloudlink。今はみんな海外旅行ができないから、「GlocalMe」が全然使われない。僕もお金が眠ったままになっちゃっている。払い戻せないし、どうしたものか。

石野氏:まぁ、でも今回の総務省の指導は早かったですよね。

法林氏:いや、もっと早くやるべきだったよ。

......続く!

次回は、新型iPhoneについて話し合う予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘

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