人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

米中経済戦争の行方を握る中国のアフリカ進出の実態

2020.09.26

ますます激しさを増す米中経済戦争。

アメリカは11月に大統領選挙を迎えるのはご存知の通りだが、ドナルド・トランプ大統領だけでなく、民主党のジョー・バイデンも、選挙に勝利しても対中関税は継続せざるを得ない風潮になってきた。

対する中国・習近平政権は、もちろん、”断固反対”と揚げた拳を下せない状況。

米中の代理戦争となってしまったファーウェイ問題

”面子”を重視する中華的な世界。

アメリカが譲歩しない限り、揚げた手を下げるのは現実的になかなか難しいであろう。

注目は、やはりファーウェイ(Huawei)である。

同社の部品調達という側面から、この米中経済戦争は日本にも大きく影響する。

でも、実は、米中経済戦争のもたらす日本への影響は、この半導体などの電子部品に限った話ではないということを少し紹介してみたい。

筆者は長年、中国・上海市で現地国営企業と一緒にプラスチック工場を運営してきた。

そのご縁もあり、特に上海において、政府系の関係者とは今でも懇意にさせて頂いているが、最近のやり取りでは、当然、

”米中経済戦争、そちらではどんな感じ?”

というやり取りが生まれる。

あくまで筆者の伝手での情報なのでこれが全てではなく割り引いて聞いて頂くのが良いかと思うが、

“意外と国内は冷静である”

というのが私自身が掴んでいるところだ。

拳を振り上げ、“断固反対!”と叫んでいる中国はあくまで対外的な顔である。

本当にファーウェイが大打撃を受けると、雇用という観点からも中国は大打撃を被るはず、である。

にも拘わらず、国内では意外と冷静な反応をされている。

そのヒントがアフリカにある、と言ったら皆さんは驚かれるだろうか。

中国のアフリカ戦略

日本ではあまり報道されていないが、いま、アフリカでは着実にファーウェイの5Gシステムが採用される流れが進んでいる。

既にアルジェリアには生産拠点を有し、アフリカ経済をリードする南アフリカ共和国のRain社はファーウェイの5Gシステムをすでに導入。ケニア共和国最大手のSafaricom社も、ファーウェイ社との協議が最終段階に入っていることを公表している。

いま、世界の人口は約80億人と言われる。

これまでの経済をリードしていたヨーロッパは7億、アメリカは3億、日本は1億ちょっと、併せて12億ほど。今後の人口推移はどちらかといえば減少する傾向。

かたやアフリカ。すでに総人口は12億人を超え、今後も増加の一途。

実際、アフリカを訪れたことのある方なら皆ご存知だろう。

いまやアフリカで、スマートフォンを持っていない人を見つけるほうが難しい時代である。

いわゆるスラムのようなところですら、人は普通にスマートフォンを持っている。

“アフリカを制すれば未来を制する。”

のである。

そして、これが重要なポイントである。そんなファーウェイのアフリカ戦略を援護射撃してくれる企業がいる。

それが、国営の新華社通信だ。

いわゆるニュース配信会社、世界のトップ3はAP通信(アメリカ)、ロイター(イギリス)、そしてAFP(フランス)

皆さんがニュースを見ているとき、

”xx通信によりますと、アフリカのxx共和国でクーデターが発生し・・・”

というような切り出しを目に・耳にされた方は多いと思う。そう、こうした世界のニュースをキャッチ・配信するのが通信社で、アフリカの場合は、植民地時代の歴史的背景から、ロイターやAFPが強い。

ただ、元々経営が苦しいアフリカの各メディア、ニュース代も安いほうがよいわけである。

ここに切り込んでいるのが新華社通信だ。

安値を強みに、いまアフリカのテレビ局では新華社通信のニュース配信に切り替える先が続々と出てきている。

そして、ここで流れる国際ニュースで、中国に都合の悪い報道はされないわけである。

今回のファーウェイ問題もそう。

実際にどちらが良い・悪いはここでは触れない。

ただ、事実としてファーウェイに有利な報道が流れるわけである。それを見たアフリカ企業がファーウェイをどう思うか?

好意的に捉えるに決まっている。

そんなわけで、新華社通信による援護射撃もあり、ファーウェイのアフリカ進出は着実に進むわけである。

そして、実はこれは日本には大きな影響が出かねない。

分かりやすい例を挙げれば、アフリカの通信会社向けのシステム輸出などが言えるだろう。

筆者もアフリカの政治家や政商と呼ばれる方とも何人かお付き合いしているが、元々、日本企業のものは商品は良いのだが、中国勢に比べると価格が桁1つくらい異なる、と言われていた。

ここに、新華社通信による”援護射撃”が加わると、アフリカの通信会社にとってファーウェイを拒否する理由が無くなるのである。

これはあくまで一例であるが、米中経済戦争は、良い・悪いは置いておいて、結果として中国に欧米以外のどこかに注力分野をシフトさせるきっかけになり、ここで、日本企業はますます苦しい戦いを強いられる。

筆者が現地で見ている限り、この流れは間違いなく、そして、これは筆者自身のビジネスにとってもあまりよい話ではないので、どうしたものかと思いながら事態を眺めている。

最後になりますが、筆者のYouTubeチャンネル(旅するビジネスマン 小林邦宏チャンネル)でもこの話に関しては解説してますので、ご興味ありましたら参照ください。

文/小林邦宏
旅するビジネスマン。これまで行った国は100ヶ国以上。色んな国で新しいビジネスをつくるおじさん。
現在は新型コロナウィルスの影響で海外渡航制限中により国内で活動中。
オフィシャルサイト:https://kunihiro-kobayashi.com/
Youtubeチャンネル:「旅するビジネスマン 小林邦宏チャンネル
Twitter: @kunikobagp

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年12月16日 発売

DIME最新号の特別付録は「コンパクト撮影スタジオ」!特集は「ヒット商品総まとめ」&「2021年トレンドキーワード」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。