
生命保険部門NPSでNo. 1に選ばれた会社は?
NPS(Net Promoter Score)とは、「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、顧客ロイヤルティを図る指標のこと。NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査は、NPSの指標を共同開発した米国NICE Satmetrix社の調査手法に基づき実施している。
今回実施した調査ジャンルは「生命保険」。業界全体では、アフターフォローを通じて、生命保険会社とコミュニケーションが取れている契約者は、そうでない契約者と比較して、大幅にNPSが高い結果となっている。
生命保険部門NPS1位はアフラック
生命保険会社13社のうち、NPSのトップはアフラック(-37.1ポイント)となり、最下位の企業との差は30.7ポイントとなった。13社のNPS平均は-49.5ポイント。
期待値と満足度のギャップが大きいのは「コストパフォーマンス」と「保険商品の魅力」
18の要因別に満足度と重要度を分析したところ、重要度が高いにも関わらず満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップが大きかった)項目は、「コストパフォーマンス」、次いで「保険商品の魅力」、「加入後のアフターフォローの手厚さ」となった。
NPS1位のアフラックは、ギャップ項目である「コストパフォーマンス」や「保険商品の魅力」、「加入後のアフターフォローの手厚さ」に加え、「企業の寄り添う姿勢・お客さまの声を大事にする姿勢」や、「契約者ページの使いやすさ・分かりやすさ」などの項目で、高い評価を得ていた。
複数のコミュニケーション手段を通じてアフターフォローを受けている契約者はNPSが高い
生命保険会社からのアフターフォローの有無別にNPSを分析したところ、アフターフォローを受けている契約者のNPSは-41.0ポイントと、アフターフォローを受けていない契約者の-63.7ポイントを大幅に上回った。また、「電話」、「訪問」、「メール」、「契約者ページ」など、複数の手段でアフターフォローを受けている、コミュニケーションが密な契約者ほど、NPSが高い傾向が見られた。
図 アフターフォローの有無および手段数別NPS
契約者ページ(マイページ)の利用者は生命保険会社の体験全般の評価が高い
生命保険会社とのデジタルなコミュニケーション手段の一つである契約者ページ(マイページなど)について、利用有無を調査したところ、契約者の19.4%が利用している結果となった。契約者ページの利用者は、NPSが-28.1ポイントと、非利用者(-54.7ポイント)よりも高い傾向が見られた。
また、契約者ページの利用有無別に要因別満足度を分析したところ、全ての項目において、契約者ページの利用者の方が、非利用者よりも満足度が高い結果となった。特に、「Webサイトでの商品説明の分かりやすさ」や「申し込みや住所変更などの手続きの簡単さ」などのユーザビリティや、「企業の寄り添う姿勢・お客様を大事にする姿勢」について、その差が大きい結果に。契約者ページの利用により、利便性やコミュニケーションの向上が見られる結果となった。
新たな保険に加入する際は、推奨者の96.2%が既存の保険会社での加入を検討
今後、保険商品に加入する場合、既存の保険会社での加入を検討したいか調査したところ、推奨者(推奨度が「9」~「10」の回答者)と批判者(推奨度が「0」~「6」の回答者)で結果に大きな差が見られた。
推奨者は、96.2%が既存の保険会社での加入を検討したい(「非常にそう思う」、「そう思う」)と回答していたのに対し、中立者(推奨度が「7」~「8」の回答者)では89.0%、批判者では48.0%にとどまった。推奨者は「非常にそう思う」の割合も49.0%と高く、ロイヤルティの高い契約者ほど、同じ保険会社での新たな契約について、積極的に捉えていることが分かる。
図 今後保険に加入する際既存の保険会社での加入を検討したいか
調査概要
調査対象企業(アルファベット順、50音順):
SOMPOひまわり生命、アクサ生命、アフラック、オリックス生命、かんぽ生命、住友生命、ソニー生命、第一生命、東京海上日動あんしん生命、日本生命、プルデンシャル生命、明治安田生命、メットライフ生命
調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち上記生命保険の契約者
調査方法:NTTコム リサーチ*による非公開型インターネットアンケート調査期間:2020年5月8日(金)~ 2020年5月14日(木)
有効回答者数:6,304名
回答者の属性:
【性別】男性:56.0% 女性:44.0%
【年代】20代以下:6.3%、30代:14.1%、40代:20.7%、50代:20.8%、60代以上:38.2%
構成/ino.
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