1979年から放映されたテレビアニメ『機動戦士ガンダム』以降、40年以上にわたってガンダムに関する様々な作品やゲームなどが生まれてきた。その中で、関連コンテンツの主題歌をたびたび担当してきたのが、森口博子さん。9/16発売のDIMEでは新譜のカバーアルバムに収録されたガンダムソングとともに、ファンから愛され続けるガンダム作品への思いについてお話を伺った。そんな森口さんのインタビューの一部を先行公開します!
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https://www.amazon.co.jp/dp/B08H6S19MR/
https://books.rakuten.co.jp/rb/16440149/
https://7net.omni7.jp/detail/1221500760
ガンダムの歌は哲学的でとてもスケールが大きい
――2019年8月に発売されたカバーアルバムの第1弾『GUNDAM SONG COVERS』は、オリコンウイークリーで第3位を獲得し、日本レコード大賞 企画賞を受賞するなど、話題作となりましたね。
森口 おかげさまで、私のアルバムがオリコンでベストテン入りするのは、実に28年3か月ぶりのことです。ファンやスタッフの皆さんといろいろなことを乗り越えていく中で〝夢には締め切りがない〟と感じました。アルバムをリリースするきっかけになったのは、2018年にNHKで放送された『発表!全ガンダム大投票』です。私のデビュー曲「水の星へ愛をこめて」(『機動戦士Zガンダム』主題歌)を含めて「ベストテンの全曲をカバーしてみては?」というお話をディレクターさんからいただき、ガンダム40周年の2019年、最高のタイミングで発売することができました。
――『GUNDAM SONG COVERS』でカバーした中では、どの曲が印象的でしたか?
森口 劇場3部作のひとつで『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士』(1981年)の主題歌「哀 戦士」ですね。作品公開当時に井上大輔さんがサックスを吹きながら歌っている歌番組の映像を最近見た時、力強いパフォーマンスに圧倒されました。「こんなにアグレッシブな方だったとは!」という衝撃とともに何てすばらしい楽曲なんだろうって。子供の頃から知っていた曲ですが、改めて感動しました。ガンダムシリーズの歌は、どれも哲学的でスケールが大きいんです。美しかったり力強かったりとタイプは様々ですが、どの曲も歌うのが難しい。多彩な表現力を求められますし、一音入魂というか、一曲ずつ〝俯瞰的なエネルギー〟を注いで歌わないと(聴く人の心には)〝届かない〟んです。
森口博子
1968年、福岡県生まれ。1985年の歌手デビュー以降、音楽活動と並行してバラエティー、ドラマ、舞台、ラジオ、CMなど多方面で活躍を続けている。2020年はデビュー35周年という節目を迎えた。
キングレコード
『GUNDAM SONG COVERS 2』 3000円
1. サイレント・ヴォイス / with 寺井尚子
2. 銀色ドレス
3. 君を見つめてーThe time I'm seeing you / with 本田雅人
4. いつか空に届いて / with 武部聡志
5. あんなに一緒だったのに / with 押尾コータロー
6. 星空のBelieve
7. DREAMS
8. 一千万年銀河 / with 塩谷哲
9. 月の繭
10. MEN OF DESTINY
11. 暁の車(Bonus Track)
12. 限りなき旅路 / with VOJA(Bonus Track)
歌手デビューをかなえたガンダムとの出会い
――森口さんはNHKの歌番組に出たことが、デビューのきっかけだと聞いています。
森口 『勝ち抜き歌謡天国』という番組の全国大会で準優勝をいただきました。その時、レコード会社の方からお声をかけていただいたのをきっかけに、オーディションに合格できたのが『機動戦士Zガンダム』の主題歌です。それまでは、たくさんのオーディションを受けては落ちるという繰り返し。最後に手を差し伸べてくれたのが、アニメのガンダムだったんです。今ほどにはアニソンが日本の文化として定着していない時代でしたが、毎週必ずテレビから流れる主題歌を歌えるのはラッキーで〝幸運の出会い〟と思いました。
――アニメ主題歌ではあるものの「水の星へ愛をこめて」のジャケットは、ちゃんとアイドル歌謡らしい写真でしたね。
森口 ええ。松田聖子さんに憧れてアイドル歌手になりたいと思っていました。だけど、いざ発売されるとほかのアイドルの子たちと扱いが全く違いました。レコード店に行っても、ほかの子たちは専用のラックがあるのに、私のレコードは置いてすらもらえない。それでもガンダムの作品のパワーで何とかレコードは売れても、事務所は「これで森口の役割は終わった」と判断して、私を故郷に帰そうとしていました。「水の星へ愛をこめて」はいい曲だっただけに、とても悔しかったですよ。
――作詞作曲陣も豪華でした。
森口 お決まりのロボットアニメの主題歌にしたくないという富野由悠季監督の意向で、ニューヨークへ渡ってニール・セダカさんへ作曲をお願いし、作詞は売野雅勇さんでした。売野さんはずっと前から人々に伝えたかった思いを、この「水の星へ愛をこめて」で書くことができたそうです。この曲との出会いで「露出の多い曲だからといって、必ず人の心に届くとは限らない。露出がなくても良い曲は、世の中にいっぱい眠っているんだ」ということに、17歳にして気がつきました。自分のもらった曲はこんなにすばらしいのに、一部の大人たちが売ろうとしないから世の中に知られていないだけじゃないか……と。ちょっと生意気な気持ちでいました(苦笑)。
森口さんの「銀色ドレス」が初めて使われたのがアニメ『機動戦士Zガンダム』の第20話「灼熱の脱出」。ニュータイプの女性フォーが命を賭して、主人公カミーユを宇宙へ帰す名シーンだ。森口さんも『機動戦士Zガンダム』の中で最も印象に残っているという。
ガンダムに導かれた歌手のスタートライン
――その後、バラドル(バラエティーアイドル)として露出が増え、テレビに出ていない曜日がないほどの売れっ子になりました。
森口 顔と名前を覚えてもらうため、バラドルの仕事は手を抜かずにがんばりました。歌手の仕事をメインにするための通過点として出演していたバラエティー番組では「本業は歌手」と真面目にいっても信じてもらえなくて(苦笑)。悔しさのバネはずっと自分の中にありました。
――『機動戦士ガンダムF91』の主題歌「ETERNAL WIND ~ほほえみは光る風の中~」は、バラドルとして名前が売れた頃の曲でした。
森口 私の歌では、オリコンのベストテンに初めて入り、『NHK紅白歌合戦』にも出場できて、ようやく周囲に歌手として認識してもらえました。デビューはしていたものの、歌手の皆さんと同じ土俵に立たせてもらえないことが、それまではとても悔しくて。けれどガンダムのおかげで、歌手としてのスタートラインにようやく立つことができたんです。
ガンダムの歌はまさに運命の存在
――その後は、順調でしたか?
森口 実は30代に入ると、芸能界での自分のポジションについて悩むようになりました。「そもそも自分の存在は誰かに求められているのだろうか?」とまで考えてしまって。厄年とも重なって体調・仕事・人間関係・恋愛のすべてが滞り、コンスタントに続けてきたCDのリリースも途切れてしまったんです。そんな中、ファンの皆さんや家族に支えられながら、舞台やミュージカルなどの仕事で少しずつ体調も戻り、ひさびさにCDをリリースしました。それが、ゲーム『SDガンダム ジージェネレーションスピリッツ』のテーマ曲「もうひとつの未来 ~starry spirits~」でした。
9/16発売のDIMEではそんな森口さんを支えるファンの存在、ガンダムソングを歌い続ける理由をさらに深堀り! 続きは、DIME本誌のインタビューをご覧ください!!
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©創通・サンライズ
さらに、耳寄りな情報が!使いたい時にサッと取り出せて、すぐに作業ができる……9月16日発売のDIME最新号を買うと、もれなく付いてくる特別付録『DIME MULTI WRENCH & TOOL 14』は、工具のお手本のような折りたたみ式ツール。オープン、ソケット、棒などの各種レンチに加えて、プラスとマイナスのドライバーを合わせた計14種類が揃っている。気になる精度も高く、サイズに適合するネジ穴にピタッとはまり、締めたり緩めたりするのがラクにできる。家具の組み立てからロードバイクの整備まで様々なシーンで、ぜひ活用してほしい!
取材・文/廣田恵介 撮影/タナカヨシトモ