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10月に発売される日本初の糖質0ビール「一番搾り 糖質ゼロ」をひと足先に飲んでみた

2020.09.05

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

消費者の「おいしいビールが飲みたい」×「健康も気になる」に応えた新商品

10月の酒税改正に向けたビールカテゴリー強化として、キリンビールの新商品発表会が開催された。発表されたのは、10月6日から発売となる「キリン一番搾り 糖質ゼロ」。発泡酒、新ジャンルでは糖質ゼロ・オフ商品が出ているが、ビールカテゴリーで糖質ゼロを実現したのは、日本初となる。

「新型コロナの影響による巣ごもり生活での運動不足や、健康に対する意識の高まりで、糖質オフ、ゼロの商品が選ばれる傾向が続いている。また、2026年までに段階的に酒税改正が行われる予定で、本年10月1日の第一弾改正により、狭義のビールは減税、新ジャンルは増税となり、ビールカテゴリーは缶商品を中心に再成長の機会がある。

今後予想される、こうした環境変化を踏まえて打ち出したのが、新領域として10月より発売する『一番搾り 糖質ゼロ』。ビールカテゴリーで糖質ゼロを実現するにはハードルが非常に高く、業界では全く存在しなかった。しかし、キリンが長年培った技術力を駆使して、酒税改正のタイミングに合わせて発売することができた。ビールカテゴリーの第二の柱に育成したいという想いで力を入れていきたい」(キリンビール代表取締役社長 布施孝之氏)

キリンビールでは2026年の酒税一本化に向けて、フラッグシップブランドの「一番搾り」を、中心価値である「おいしさ」で日本のビールの本流になるという旗印を掲げ、選ばれるビールとして全社を挙げて取り組んでいる。

ビールとして初の糖質ゼロ商品として「一番搾り」ブランドが選ばれた理由を、キリンビール 常務執行役員 マーケティング部長 山形光晴氏はこう話す。

「『一番搾り』以外のブランドでも検討したが、『一番搾り』ブランドを日本のビールの本流にしたいという想いを、糖質ゼロでもお客様に届けたかった。健康志向の高い方にも『一番搾り 糖質ゼロ』を飲んでいただき、一番搾り製法のおいしさを知っていただく機会が広がることを期待している。

『一番搾り』が支持されているのは麦芽100%だからというより、おいしいということから。おいしいビールを提供し続ければ、『一番搾り』のDNAは、糖質ゼロが出てもしっかりと守れるのではないかと判断している。ターゲットはビールユーザー全般で、広く市場を活性化させたい」(山形氏)

ビール離れと言われて久しく、市場も縮小しているが、「好きなお酒」の調査では、ビールは圧倒的なトップを誇る。にもかかわらずビール飲用が減った理由は、「太りそう」「カロリー、プリン体、糖質が高い」という健康に関する理由が多い。

「おいしいビールが飲みたい」「健康も気になる」。消費者が持つ、相反する2つのニーズに応えるべく誕生したのが本商品だ。

「ビールで糖質ゼロの商品があればお客様のニーズに応えられるのではないかと考えた。

発泡酒、新ジャンルの糖質ゼロとオフの市場構成比は6対4とゼロが多く選ばれている。健康を意識するビール類購入者は約3500万人、糖質ゼロ・オフ系ビール類購入者は約1400万人で、その差は約2100万人。ビールで糖質ゼロの商品があれば、健康を意識するビール好きのお客様の選択肢が広がるのではないか」(山形氏)

「一番搾り 糖質ゼロ」の2020年販売目標は大びん換算で約120万ケース。「一番搾り」ブランド(缶)全体の年間販売目標は大びん換算で約1670万ケースと、年間前年比約1割増を目指す。

「『一番搾り 糖質ゼロ』のボリュームは一番搾り本体の3分の1ほどを獲得できればと考えている。非常に高い販売目標ではあるが、『一番搾り 糖質ゼロ』の先行商談では、非常に反応が良く、こういう商品を待っていたという高い評価をいただいており、初動も当初の計画よりも大きく上回るのではないかと手ごたえを感じている」(布施氏)

ビールで糖質ゼロの開発はパパ友の何気ない一言がきっかけだった

「一番搾り 糖質ゼロ」の技術開発を担当したのは、キリンホールディングス 飲料未来研究所 廣政あい子氏。開発のきっかけとなったのは、育児休業中にママ友、パパ友とお花見をしているときに、パパ友が発した何気ない一言だった。

「ビールは好きだけど体重が気になるから、ビールは最初の1杯だけ」。

「これこそビール好きの本音だと思った。ビール好きの方に気兼ねなくおいしいビールを飲んでいただきたいという想いはあったが、ビール開発者として技術実現の難しさは重々わかっていた。それゆえに糖質ゼロビールは市場に存在していなかったが、ビール会社としてその難題に取り組むべきだろうと、育児休業明けの5年前に開発をスタートさせた」(廣政氏)

ビールで糖質ゼロが困難な理由は麦芽の比率にある。ビールは酒税法上、麦芽の比率が50%以上と規定され、発泡酒や新ジャンルより麦芽の使用量が多い。麦芽の使用量が多いと、ビールならではのおいしさが生まれるが、同時に含まれる糖質も多くなるため、ビールで糖質ゼロは難しいとされていた。

「糖質はビールのおいしさを構成する要素の一つであり、アルコールを生成する役割も持っている。おいしさやアルコールを担保しながらの糖質ゼロは至難の業だったが、実現できたのは、キリン独自の『新・糖質カット製法』『一番搾り製法』という2つの製法による。

開発に費やした期間は5年以上、試験醸造は、通常の新商品のビールであれば数十回だが、本商品は350回以上の試験醸造を繰り返し実施した」(廣政氏)

使用する麦芽の選定から見直し、キリンビールが培ってきた仕込技術、発酵技術を進化させ、ビールなのに糖質ゼロを実現したのが新技術「新・糖質カット製法」だ。

仕込技術の進化→糖質は酵母の働きにより、麦芽のでんぷんを大小さまざまなサイズに分解されるが、それを最適なサイズにコントロールするのが仕込工程に求められる技術。糖化時の温度など麦芽のでんぷんを最大限に分解する条件を模索し、酵母が食べやすいサイズにでんぷんを分解する条件に適した、仕込技術の開発に成功した。その結果、麦芽の特性と相まって、これまで以上に効率よくでんぷんを分解できるようになった。

発酵技術の進化→適切な酵母の選定、仕込技術により細かく分解された糖質が、発酵工程で酵母に食べられることによって、糖質ゼロが達成できる。発酵工程は通常のビールよりも厳しい管理を行った元気な酵母を使用することで、糖質の食べ残しを低減、糖質ゼロを達成できた。

さらに、ビールとしてのおいしさの追求のため、おいしさの決め手となる「一番搾り製法」を採用。麦汁ろ過工程において、一番搾り麦汁のみを使うことで、一番搾りブランドに共通する雑味のない澄んだ麦のうまみを引き出した。

【AJの読み】ビールのおいしさを担保して糖質ゼロは画期的

ビールの350ml缶にかかる酒税は現在77円だが、10月1日以降の酒税改正後は70円となり7円が減税になる。縮小しているビールカテゴリー市場を活性化するチャンスとしてビールメーカー各社が捉えている中で、「ビールで糖質ゼロ」という驚きの新商品が登場した。

事前の調査では、「糖質ゼロでもしっかりと麦のうまみが感じられる」「すっきりとして雑味がなく、糖質ゼロとは思えない飲みごたえ」と、糖質ゼロビール類を普段飲まないユーザーを含めて9割から味覚好意を得た。

「私は機能系ユーザーではなく普通のビールを毎日飲んでいるが、飲んだ瞬間のイメージはすっきりしていてとても飲みやすい。発泡酒、新ジャンルの機能系だと麦芽のうまみをあまり感じられないというのがあるが、こちらは麦芽のうまみもバランスが取れていて、ビールらしいおいしさ」(布施氏)

私自身、高血圧&糖尿病予備軍で、食事や飲み物にも配慮する必要があり、さまざまな糖質ゼロ・オフ系ビール類を試してきたが、メーカー、商品を問わず、うまみや飲みごたえを感じられず、継続して飲んでいる銘柄はなかった。

それだけに、ビールなのに糖質ゼロとはどういう味なのか、とても期待しながら試飲した。飲み口は本体の一番搾りよりもすっきりとしている印象だが、コク、うまみ、苦味はしっかりとビールであり、一番搾りの味わい。ビールのおいしさを担保して糖質ゼロは画期的。今までビールは週2回と制限していたが、これだったら1日置きに飲んでしまいそう。

文/阿部純子

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