世界が共通の危機感を持つこととなった今回のコロナ禍。経済や社会が動かなかったことで、世界の街の空気が澄み、海や森に生物が戻ってきたことを肌で感じ、自然を取り戻すことの大事さを感じた人も少なくなかっただろう。まさにこの数か月で人々の価値観は大きく変わり、今後の経済も今までのような効率重視、利益重視から「SDGs」を基にした持続可能な経済への取り組みが加速していくとみられている。
そんな中、各企業が真剣に取り組んでいることのひとつが「サステナビリティー」だ。マイボイスコムの1万251人に聞いたインターネット調査によると、言葉の意味を知っている人は21%。まだまだ知られていない言葉ではあるが、持続可能性、つまり「環境・社会・経済面など将来まで世の中をより良い状態に保ち続ける」という意味で使われている。
私たちができるサステナビリティーのひとつとして、環境に配慮された素材で作られたアイテムを選んで使うことが挙げられる。アパレル業界ではいち早くサステナブルな素材を使用したアイテムを発売しているブランドも多いが、最近特に目につくのはスニーカーだ。K・SWISSはアッパーにはリサイクルレザー、ソールには土に還る素材を採用。カンペールは100%リサイクルのアッパー、シューレース、ライニングを使用。さらにリーボックは、植物由来素材を使用し高機能なランニングシューズまで作り上げた。サステナブルなシューズは履き心地もよくデザイン性も高いのも特筆すべき特徴だ。おしゃれをしながら地球にやさしい活動に参加してみてはいかがだろう?
アウトソールのラバーやミッド素材は年月をかけて土に還る
K・SWISS『CLASSIC 2000 CC』1万円
アッパーにはリサイクルレザーと呼ばれる革の単材を再利用した素材、アウトソールのラバーやミッドソールの素材は年月をかけて土に還る素材を使用。またライニングの生地は海洋プラスチックを原料とした素材、シューレースはその素材とオーガニックコットンを組み合わせて作られているなど、徹底的に環境配慮にこだわり抜いた1足。
可能な限り高い配合率のリサイクル素材を使ったアウトソール
カンペール『Together with Ecoalf』1万7000円
スペインのサステナブルファッション「Ecoalf」とコラボしたスニーカー。100%リサイクルされたアッパー、シューレース、ライニングを使用。アウトソールには可能な限り高い配合率のリサイクル素材を使用。カラーは3色展開。1足の売り上げにつき2ユーロを、国際的なプロジェクト「アップサイクリング・オーシャン」を通じてエコアルフ財団に寄付する。
ソールに植物由来素材を使った画期的なランニングシューズ
リーボック『FOREVER FLOATRIDE GROW』価格未定
植物由来素材を使ったソールを採用した、初の高機能ランニングシューズを秋に発売予定。リーズナブルな価格帯に設定予定。リーボックは植物由来の素材を使用した商品を開発、製造することで石油由来のプラスチック素材の使用削減に取り組んでいる。商品に使用する原材料から新品のポリエステルの含有を削減し、2025年までに完全排除することに全力を注ぐ。
取材・文/編集部
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