
「日本は子どもを産みやすい国に近づいていない」70.4%
テレワークの加速により私たちのライフスタイルに変化が訪れている。
公益財団法人1more Baby応援団の「夫婦の出産意識調査2020」では、テレワークを実施している夫の家事・育児時間が増加していることが判明した。下記、同調査の重要トピックスをまとめた。
1.幼保無償化の対象者に聞くと、「生活が楽になった」55.5%
二人目の壁を感じている人のうち「今後の出産に前向きになった」29.5%と出産意識の向上も一部に見られた。要因として、「日々の家計が楽になった」43.9%や、「生活費に関する心理的な不安が軽減した」39.1%と、経済状況に関する解答が多く見られた一方、「小学校以降の教育費がかかるから」30.3%など、まだまだ経済的な不安が解消されず、「二人目の壁」を感じている人も多くみられる。
2.「日本は子どもを産みやすい国に近づいていない」70.4%
「日本は子どもを育てやすい国に近づいていない」の回答も69.5%あり、出産・育児環境への不安がうかがえる。原因の上位は「社会制度が整っていない」75.7%、「給与が上がる見込みがない」59.5%、「保育・学校にかかるお金が高い」58.1%、と、社会制度や家庭の経済状況に関する回答が多数。
3.「二人目の壁」※73.7%の夫婦が実感、調査開始以来8年連続で7割以上
一方、「理想の子どもの数は二人以上」の人は68.4%。※「生活費や教育費に関連した家計の見通しや、仕事等の環境、年齢等を考慮し、第二子以後の出産をためらうこと」を指す。
4.新型コロナウイルスへの対策を機に、テレワークを実践している17.1%(自身が正規雇用・事業主)
自身が正規雇用・事業主の人全体のテレワーク実施率は23.3%となった。テレワークの実施により、「夫の家事、育児への参加時間が増えた」と解答した妻は47.9%と男性の家事・育児への参加率向上が見られた。また、夫の59.6%「家族とのコミュニケーションが増えた」と回答。
5.不妊治療未経験の妻が妊活中に取組む健康作りは、「禁酒」22.2%、「温活」19.0%が上位
通常生活の中で「禁酒」を実施している人、9.3%と比べると、12.9ポイント高いことが分かった。
【調査対象】
既婚者2,954名の条件
・対象:既婚女性20-39歳、既婚男性20-49歳(男性は妻が39歳以下)
・割付条件①:全国各都道府県均一回収(各県63名)
・割付条件②:既婚子なし/既婚子1人/既婚子2人以上 それぞれを均一回収
⇒47(都道府県)×3(子ども条件)=141セルのそれぞれを21名ずつ、計2,954名回収
※尚、高知県、佐賀県で一部未回収のため、本来の回収数(2,961名)からは少ない回収数を
回収後、①各都道府県の人口比、②一世帯の子ども人数の構成比を平成27年総務省統計データより
調査方法:インターネット
*調査対象者の説明のない数字については、既婚男女2,954名の結果としている。
調査実施期間
事前調査 : 2020/04/08 ~ 2020/04/10
調査 : 2020/04/10 ~ 2020/04/16
構成/ino.
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