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牡蠣とブルゴーニュ産のワイン「シャブリ」のペアリングが絶妙な理由

2020.08.30

夏を代表するワインといえば、フランス・ブルゴーニュ産の「シャブリ」。そして、シャブリといえば「牡蠣」。何となくこの組み合わせだけは知っている、聞いたことがあるという方は多いのではないだろうか?

日本で長らく通説だったシャブリと牡蠣のマリアージュを改めて検証するために、メルシャン主催の「アルベール・ビショー社のシャブリ×食 再発見セミナー」に参加した。講師は大橋健一MW(マスター・オブ・ワイン)と大越基裕ワインテイスター/ソムリエ。

コロナ禍におけるワイン業界の現状とは?

はじめに、大橋MWよりコロナ禍におけるワイン業界の現状について話があった。

新型コロナウイルス感染拡大は、ワイン業界にも大きな影響をおよぼしている。「オントレード(レストランやバーなどの飲食)」、「オフトレード(インターネットや小売店での販売)」に分けて考えたい。

「オントレード」

飲食店は大打撃を受けている。2020年8月は、東京都内の酒類の提供を行う飲食店およびカラオケ店に営業時間の短縮への協力がなされたこともあり、厳しい売上減少が起きている。

「オフトレード」

小売店での販売も、全体的に見たら決して良い状況とは言えないのが現状だが、コロナ禍で多くのレストランがテイクアウトを開始し、連日満席を極めるレストランのテイクアウトを家でも楽しめるようになっている。その結果、テイクアウトやオンライン飲み会など、家の中での過ごし方のオプションが増えてきて、オフトレード需要がより活性化している。

現在はオントレードの活性化が課題であり、オントレードに出掛ける意義が問われている。レストランでしか楽しめないワイン、料理、空間など、何か特筆すべき優位性がない限りオントレードに出掛けるのが難しいため、今後オントレード市場がより洗練されていかなければならない。

今、改めて「シャブリ」×「牡蠣」のペアリングを検証する必然性とは

日本へのシャブリの輸出量は世界でトップ3に入る。大橋MWの2015年の調査によると、東京の高級寿司店1433軒のうち、約40%のお店でシャブリがオンリストされていた。

シャブリは日本のレストランで知名度も高く、「魚介にシャブリ」、その中でも「シャブリには牡蠣」と長年言われてきた組み合わせを、今一度しっかり見直し、自信を持って根拠を示さなければならないと大橋MWは言う。

さらに、大越テイスターによると、単純に「シャブリと牡蠣が合う」だけでは通用しない時代になってきていると言う。「こういうタイプのシャブリが、この産地、この調理法の牡蠣に合う」など、より具体的に相性の良さを提案することが必要なのだ。

メルシャンが輸入するブルゴーニュの名門「アルベール・ビショー」のシャブリのラインナップと、様々な調理法で食べる牡蠣とのペアリングの検証結果を聞いた。

フランス・ブルゴーニュの老舗「アルベール・ビショー」とは

1831年に設立された老舗アルベール・ビショー社は、シャブリ地区からボージョレ地区まで、ブルゴーニュを代表する銘醸地に6つのドメーヌ(畑)を所有しており、大手エアラインでも採用され数々の受賞歴もある名門だ。

有機農法に特化していることに加え、一番注目したいのがワインの品質。アルベール・ビショーのワインは開けて1週間経ってもワインが酸化せずに楽しめる。

シャブリといっても味わいは「すっきり」から「リッチ」まで様々

シャブリ地区で造られたワインを「シャブリ」というが、一口に「シャブリ」と言っても、実に様々な味わいがある。セミナーでは6種類のシャブリが用意された。

上写真、左からスタンダードなシャブリ「Chablis La Cuvee Depaquit(シャブリ ラ・キュヴェ・デパキ)」、味わいに厚みのある「Chablis Long Depaquit(シャブリ ロン・デパキ)」、プルミエ・クリュ(1級畑)の「Les Lys(レ・リス)」と「Les Vaucopins(レ・ヴォークパン)」、グラン・クリュ(特級畑)の「Les Vaudesirs(レ・ヴォーデジール)」と「Les Clos(レ・クロ)」。

スタンダードなシャブリはすっきりとしたさわやかな味わいが楽しめるが、1級畑や特級畑になるにつれて値段が高くなり、ワインの色調も濃く、重厚さや複雑味が増えたリッチな味わいになる。畑や製法の違いなどで味わいはガラリと変わってくるのだ。

シャブリと牡蠣のペアリングを検証!

フランスでは通常は生で牡蠣を食べるが、日本では生以外にも調理して食べる文化がある。

牡蠣の「産地」、「調理方法」、「ソース」の違いにより、どのシャブリとどのように相性が良いのかを、大橋MWと大越テイスターが検証した。

牡蠣の産地による違い

3種類の牡蠣で検証。北海道の厚岸産の牡蠣はクリーミーさが際立ち、兵庫産はミネラル感が強い。広島産はクリーミーさとミネラル感が中程度だ。

調理法による違い

・「生」・・・素材の味わいがダイレクトに感じられる
・「蒸す、茹でる」・・・柔らかなテクスチャーと高い温度が特徴
・「焼く」・・・水分が落ち、味わいに苦味が強調される

ソースによる違い

・ヴィネガー…明確な酸味が付与される
・レモン…ワインと同調感を出しやすい酸味を与える
・バター…コクと、なめらかなテクスチャーを加える
・ポン酢…旨味と酸味を与えるが、醤油の風味があるので白ワインとの香りの一体感を作りにくい

検証の結果、兵庫・広島の牡蠣をレモンで食べる場合は、フレッシュな酸と塩気が際立つスタンダードな「シャブリ ラ・キュヴェ・デパキ」との相性が良いことがわかった。

さらに、広島・厚岸をバターで、また厚岸をレモンで食べる場合には、味わいに厚みのある「シャブリ ロン・デパキ」が合う。

そのほかにも、牡蠣フライ、焼き牡蠣、蒸し牡蠣・牡蠣鍋でも検証したら興味深い結果が。

牡蠣フライは油をまとうことで味わいが重くなってしまうため、ライトな味わいのシャブリには合わせづらく、「ヴォークパン」、「ヴォーデジール」のリッチな味わいのシャブリと相性が良いことがわかった。蒸し牡蠣や鍋には、凝縮感とフレッシュさを両方併せ持つ「レ・リス」がうまく調和した。

【結論】シャブリと牡蠣のペアリングの考え方

大越テイスターによると、

「シャブリのワインは、塩気と乳酸発酵の製法により現れるミルキーな感じが出やすい。

シャブリの塩気の部分と牡蠣が持つ海由来の塩気の風味、牡蠣のクリーミーさとシャブリのミルキーなフレーバーが呼応し、シャブリと牡蠣の相性はとても良い。味わいの重ささえ揃えてあげれば、牡蠣のフレーバーとの相性を良いものに作り上げるといえる。

さらに、牡蠣はどんな調理法を持っても基本的に硬くならずに柔らかい。柔らかさも持ち合わせるシャブリのスタイルだとより良いだろう。アルベール・ビショーはそのスタイルが上手に表現されている生産者である。ワインの造り方自体も食へのペアリングに大きく影響を与える」と結論づけた。

ワインと食のテクスチャーを合わせるということがキーポイントだ。

「シャブリ」×「天麩羅」のペアリングは?

天麩羅との相性も検証したが、前提として天つゆよりも塩の方がシャブリとの相性は良いようだ。アスパラ、サツマイモ、キス、穴子、海老を4種類のシャブリで合わせた。

スタンダードな「シャブリ ラ・キュヴェ・デパキ」とアスパラの相性は抜群だが、それ以外の食材とは合いづらかった。しかし、どの食材とも合わせやすかったのは、ジューシーでリッチな味わいの1級畑で造られる「ヴォークパン」という結果になった。

これからの時代に求められる「シャブリと牡蠣」を楽しむ視点

今回「シャブリと牡蠣」のペアリングの相性の良さは実際に保証されたという結果を得ることはできた。

しかし、その考察の背景には、日本人にもともと根差している料理の相性やワインの楽しみ方が、これからワインを消費していく次世代の方、また外国人にとって本当によく映るのだろうか? という疑問もある。

今は外国人観光客の受け入れが冷え込んでしまっているものの、新型コロナウイルスが収束した際にはインバウンド需要が復活してくるであろう。外国人観光客が日本で楽しみにしているものの一つに寿司、ラーメン、天麩羅などの「食」がある。その時に日本で長らく親しまれてきた「シャブリと牡蠣」ならば、その楽しみ方を自信と根拠を持って示すことが大切になってくる。

これからの時代に求められるワインと食のペアリングの考え方、日本でのワインの楽しみ方についても深く考えさせられた。「こんな牡蠣にこんなワインが合った」、「このワインにはこんな牡蠣の調理法が合った」など、一歩踏み込んだペアリングを存分に楽しんでいきたいものだ。

テイスティングワイン

1.「シャブリ ラ・キュヴェ・デパキ 2018」(Chablis La Cuvee Depaquit 2018)
参考小売価格3420円

レモンの香りとキュッと引き締まる酸味、そして強い塩味を感じるさわやかな味わい。キリっとした味わいが際立つワイン。暑い夏は特に飲みたくなるワインだ。

2.「シャブリ ドメーヌ・ロン・デパキ 2017」(Chablis Domaine Long Depaquit 2017)
参考小売価格4210円

3.「シャブリ プルミエ・クリュ レ・リス 2017」(Chablis 1er Cru Les Lys 2017)
参考小売価格6760円

4.「シャブリ プルミエ・クリュ レ・ヴォークパン 2018」(Chablis 1er Cru Les Vaucopins 2018)
参考小売価格6980円

5.「シャブリ グラン・クリュ レ・ヴォーデジール 2016」(Chablis Grand Cru Les Vaudesirs 2016)
参考小売価格1万2160円

6.「シャブリ グラン・クリュ レ・クロ 2017」(Chablis Grand Cru Les Clos 2017)
参考小売価格1万2830円

※上記1と4については、キリン通販サイトDRINXで購入できる。異なるタイプの飲み比べを楽しんでみては。

「アルベール・ビショー シャブリ ラ・キュヴェ・デパキ」と「ドメーヌ・ロン・デパキ シャブリ・プルミエ・クリュ レ・ヴォークパン」の飲み比べセット
https://drinx.kirin.co.jp/wine/bichot/chablisset/

「アルベール・ビショー社の一番の魅力は品質だと思っている。ワイナリーを訪れても、厳しい基準の溶存酸素の管理などに驚き、品質に真剣に向き合っていることをしっかりと感じられる。香味が素晴らしく、またエアラインでワインの導入を決めるテイスティングで出されたら、高い点数が付き採用されるような造り手だ。品質が維持し続ける限り、同社の今後の将来性も明るいだろう」と大橋MWは評価する。

【講師紹介】

・大橋健一氏 マスター・オブ・ワイン

1953年にイギリスで発足した、ワイン業界で最も権威のある称号「マスター・オブ・ワイン」を日本在住者でただ一人保持し、世界中で活躍。2017年よりアルベール・ビショーのブランド・コンサルタントに就任。

・大越基裕氏 ワインテイスター/ソムリエ

3年間渡仏し栽培、醸造の分野を学びディプロマを取得。銀座レカンのシェフソムリエを経て、2013年日本初のワインテイスター/ソムリエとして独立。

※当記事に掲載している情報は記事公開時のものです。

【アルベール・ビショー ブランドサイト】
https://www.kirin.co.jp/products/wine/bichot/

【取材協力】
メルシャン株式会社

取材・文/Mami
(一社)日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート

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