MOTHER PROJECT
コピーライターの糸井重里さんがゲームデザインとシナリオを手掛けたファミコン用RPGゲーム『MOTHER』は1989年に発売され、子供から大人まで幅広い層に支持された名作だ。中世がモチーフのファンタジー系RPGが主流だった当時、現代のアメリカの田舎町「マザーズデイ」を舞台に、普通の少年がオカルティックな冒険に旅立つというストーリーがウケ、続編となる『MOTHER2』『MOTHER3』も作られている。ゲームのおもしろさをより盛り上げたのが、今も心に残る魅力的なセリフの数々。この『MOTHER』シリーズの〝ことば〟をすべて収録した恐るべき本が今年の12月発売を目指し、糸井さんが代表を務める「ほぼ日」で進行中だ。出版発表に合わせ「ほぼ日 MOTHER PROJECT」もスタート。『MOTHER』関連の様々なコンテンツやグッズが登場する。
「このプロジェクトは6年前に始まり〝できそうだ〟というところにたどりついたのが今年でした。決っして、30周年を意識したものではないのです。今後の構想は現在進行形でアイデアが膨らんでいます」(ほぼ日・広報)
当時の熱狂を回想しつつ、『MOTHER』イヤーを楽しみたい。
糸井重里さんも断言するように、今回も今後も新作ゲームの発売はなし。だが、その意志を継ぐ人が現れて『〝シン〟MOTHER』が製作されることを期待してしまう。
糸井重里さん
当時主流の中世ファンタジー系RPGと異なる斬新な世界観、音楽とのリンク、感動のエンディングなどでプレーヤーを魅了した。
上はドラマを盛り上げた名ゼリフの数々。
プロジェクトから生まれた『MOTHER』が好きな35人の漫画家・作家による公式トリビュートコミック『ポリアンナ』(2400円)も刊行された。
取材・文/安藤政弘
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