
家族のために汗水たらして頑張っているのに、なぜか軽んじられ、嫌われてしまうオジサンたち……。
そんなオジサンが号泣必至の映画を、Netflixで見つけた。
ベン・アフレック主演の『トリプル・フロンティア』だ。
2019年にNetflixで独占配信された『トリプル・フロンティア』は、コロンビアの麻薬王ロレアからの現金強奪計画を遂行する、退役軍人5人組を描いたアクション&ヒューマン映画。
退役軍人の報われなさ、それゆえ一攫千金を目指すストーリーは、『ザ・ファイブ・ブラッズ』にも通じるものがある。
あらすじ
元米陸軍特殊部隊、現在は民間軍事会社に所属するサンティアゴ・"ポープ"・ガルシア(オスカー・アイザック)は、コロンビア警察と共に麻薬王ロレアを追っていた。
ある日ポープは、情報提供者からロレアに関する極秘情報を入手する。それは、ロレアの隠れ家の場所、そしてそこに一生使い切れないほどの大金が保管されているということだった。
そこでポープは、特殊部隊で共に戦ったトム・"レッドフライ"・デイヴィス(ベン・アフレック)ら旧友に声をかけ、麻薬王ロレアを倒すとともに、大金も奪取する計画を持ち掛ける。
大悪党を倒すという大義名分があるとは言え、やることは犯罪行為にほかならない。
別れた妻との間に娘がいるレッドフライは当初躊躇するが、ポープに説得されて参加を決意する。
見どころ
「退役して以来、全然働いてないもんね、あの人」
離婚した妻のもとで暮らす思春期の娘が父レッドフライに放った冷たいひと言は、観ている側の心にもグサッとくる。
家族のため国のために命がけで働いてボロボロになった挙句、この扱い……。世界中のオジサンの悲哀が詰まっているシーンと言えるだろう。
そしてさらに、
「国のために5回撃たれたのに、新車を買う金もないじゃないか」
ときた。
これはポープがレッドフライを計画に参加させようと説得する際のセリフなのだが、あまりにも報われなさすぎではないだろうか……。
結局やっていることは強盗と同じなのだが、しかし大量の現金は、5人にとってはただの“生活資金”や“贅沢資金”ではなかったように思う。
5人が欲しかったのは、自分たちがやり遂げたことに対する正当な評価であり、自らの価値を感じ誇りを取り戻すことであり、そして家族へと贈る愛の証だったのではないだろうか。
Netflix映画『トリプル・フロンティア』
独占配信中
文/吉野潤子
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