人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

ハイエンド並みの性能で4万円ちょっと!お買い得すぎるGoogleスマホ「Pixel 4a」の実力

2020.08.28

■連載/石野純也のガチレビュー

 カメラにAIの力を全面的に取り込み、大きな話題を集めたグーグルの「Pixel 4」。まるで暗視カメラのように暗い場所でもはっきりと写る「夜景モード」や、デジタルズームながら劣化の少ない「超解像ズーム」といった機能の数々は、カメラ機能に関心のあるユーザーからも高い評価を得ていた。

 一方で、Pixel 4はフラッグシップモデルのため、その価格は最安の64GB版ですら、約9万円と高額だった。高機能モデルとしては一般的な価格ではあるものの、ハードウエアだけを見ると他社製品に見劣りする部分もあり、手を出しづらかったのも事実だ。そんなPixel 4シリーズに、廉価版といえる「Pixel 4a」が加わった。

 Pixel 4aは、昨年発売になった「Pixel 3a」から続くミドルレンジのライン。チップセットやボディの素材などでコストダウンを図りつつ、カメラ性能を上位モデルとほぼ同等にそろえるといったコンセプトは、今回も踏襲されている。そんなPixel 4aを、発売に先立ち試用することができた。そのレビューをお届けしよう。

本格的なカメラを搭載しながら価格を4万円台前半に抑えたPixel 4a

廉価版ならではのシンプルなボディだが、Pixelらしさは健在

 Pixel 4やその大画面版にあたるPixel 4 XLは、フラグシップモデルらしく、金属やガラスを使い、ボディの剛性も高かった。日常になじむデザインをコンセプトにしていたため、いかにもな光沢感はなく、落ち着いた仕上げになっていたが、本体に触れると、作りのよさはわかった。これに対し、Pixel 4aはポリカーボネートのユニボディ。一見すると、Pixel 4と同じに見えなくもないが、手に取ると、素材の持つ柔らかさは伝わってくる。

ボディはポリカーボネート製で、優しい手触り。電源キーのみ、ミントグリーンのような柔らかな色合いになっている

 ただし、これは必ずしも悪いというわけではない。確かに見方によってはチープさを感じるかもしれないが、オモチャっぽいかわいらしさも同居している。見た目と手触りの一致という点では、上位モデルのPixel 4よりも一貫性がある。正直なところ、このデザインであれば、無理にガラスなどの高級素材を使わず、ポリカーボネートで仕上げてコストを落としてくれた方がうれしい。落下時に、ガラスのように割れてしまう心配も少なくなる。

 背面には、指紋センサーが搭載されている。この位置にあると、デスクに置いた時にサッとロックを解除できないのが残念だが、手に取った時に人差し指が振れやすい位置にある。デザイン的には、側面の電源キーと一体にしたり、ディスプレイ内部に埋め込んだりしてほしいところだが、コストを抑えたミドルレンジモデルとして割り切るべきところといえるだろう。

背面には指紋センサーを搭載する

 なお、上位モデルのPixel 4には指紋センサーがなく、生体認証は顔認証一択だった。インカメラにドットプロジェクターや赤外線カメラを搭載し、セキュアに顔を認証できるためだが、同様に顔認証のみのiPhoneと同様、マスクを着けた顔が認識されず、コロナ禍の現状では少々使いづらい。単純に画像で認識する顔認証を搭載してほしかったところだが、今の世情を考えると、指紋センサーを搭載したのは正解だ。

インカメラはディスプレイに設けられたパンチホールに搭載される

 上記のように、Pixel 4aではインカメラ部分が簡略化されており、写真を撮るためのカメラのみが搭載されている。そのため、Pixel 4のように広いスペースを取る必要がなくなり、ディスプレイに開けられた穴にインカメラを格納している。結果として、本体のベゼルが細くなり、より洗練されたデザインになった。コストダウンを図りつつも、それによってマイナスになるのではなく、プラスの印象を与えるように設計した点は、高く評価できる。

上位モデルと同じように美しく撮れるカメラ、夜景もズームもバッチリ

 カメラは、標準と望遠の2つを搭載していたPixel 4から1つ減り、シングルカメラになった。一見するとスペックダウンにも見えるが、Pixel 4の望遠は光学2倍弱と、望遠とまで呼べるものではなく、AIで画質を補正する超解像ズームを補助したりするために使われていた。そのぶん、Pixel 4aでは超解像ズームの最大倍率が落ちてはいるものの、差は1倍程度。Pixel 4との差分という点では、シングルカメラでも十分といえる。この程度の差であれば、むしろPixel 4には超広角カメラを搭載してほしかったほどだ。

カメラはシングルカメラだが、デザインテイストはPixel 4を踏襲

 さっそく、写りをチェックしていこう。風景写真は色のバランスがよく、ディテールまで鮮明に捉えている。光量のやや少ない屋内で撮った写真も、ノイズが少なく、色も比較的忠実に反映している。明るい部分と暗い部分を分け、それぞれの露出を補正できる「デュアル露出補正」を使って明るさを微調整できるのも便利だ。リアルタイムにこの処理ができるのは、AIを活用しているPixel 4aならではといえる。

風景も料理もキレイに撮れている。シチュエーションに左右されにくく、画質も高い

デュアル露出補正で、明暗部それぞれの露出を調整できる

 次に、超解像ズームを試してみた。上に掲載した風景写真と同じ場所で、7倍ズームを使って看板に寄ってみたところ、文字までしっかり読むことができた。デジタルズーム特有のボケた絵とは一線を画していると言えそうだ。上の風景写真を同程度に切り抜き、拡大した写真と比較すれば、違いは一目瞭然。超解像ズームの効果がしっかり出ていることがわかる。

超解像ズームで撮った写真。確かに劣化が少なく、注のように細かな文字までしっかり読める

1倍で撮った写真を同程度に引き延ばしたが、細かな文字は読めなくなっている

 光学ズームではないため、さすがにこれをさらに拡大して使うのは少々厳しいが、等倍で見るぶんには十分なクオリティ。ズームはデジカメに比べ、サイズの制約が厳しいスマホが苦手とする機能なだけに、それをAIで補った点は、グーグルならでは。7倍までいかなくとも、少し被写体に寄りたい時などに重宝する機能だ。

 夜景モードの性能も、Pixel 4譲り。たとえば、以下のように真っ暗な場所で撮っても、被写体をそれなりにきれいに捉えてくれる。一般的なスマホカメラと大きく違うのはその色味。暗さで失われた色情報がしっかり補完されているため、あたかも光のある場所で撮ったかのように見える。もちろん、その名の通り、夜景の美しさも申し分ない。暗い夜空にもノイズがなく、建物も明るく写っている。超広角撮影など、非対応の機能もあるが、写りに関してはハイエンドモデルと十分戦えることがわかるはずだ。

真っ暗な場所でも、色をキレイに捉えており、明るい場所で撮ったかのよう

夜景も暗い部分のノイズが少なく、キレイな写真が撮れる

処理速度も高く、おサイフケータイにも対応

 ただし、ミドルレンジモデルゆえに、Pixel 4aには、Pixel 4に搭載されていた「Pixel Neural Core」がない。これは、機械学習の処理を専門に担うチップのこと。Pixel 4ではCPUやGPUとは別に、このチップを積んでいたが、Pixel 4aはSnapdragon 730Gのみとなる。Pixel Neural Coreは、写真撮影にフル活用されていた。同じ処理を、Pixel 4aはPixel Neural Coreなしで行っているというわけだ。

 そのため、同じクオリティを実現しようとすると、どうしてもPixel 4aの方が、処理に時間がかかることになる。特に夜景モードなど、複数枚の写真を合成する重めの処理が必要な場合、“写真の完成”までに少々時間がかかる。こうした処理はバックグラウンドで行われるため、撮ってすぐに写真を開かなければ気づかないかもしれない。ただし、仕上がりを確認してからもう1枚撮るという時に、処理が終わるのを待たなければならないことが何度かあった。

ベンチマークアプリ「Geekbench 5」でのスコア。2〜3年前のハイエンドモデルに近い数値だ

 通常の動作が遅いかと言われれば、まったくそんなことはないと断言しておきたい。スクロール程度の操作はサクサクで、引っかかりなどは一切なく、滑らかだ。アプリの立ち上がりも速く、文字入力などにもストレスは感じない。言われなければ、ハイエンドモデルと思えるほどのパフォーマンスだ。実際、Pixel 4aの搭載するSnapdragon 730Gは処理能力が高く、2〜3年前のハイエンドモデル相当のパフォーマンスはある。

 また、メモリ(RAM)も6GB搭載されており、ハイエンドモデルのPixel 4と同等。最近では、8GBや12GBのメモリを搭載する端末も徐々に増えているが、複数のアプリを同時に起動したり、常駐させておくアプリがそこまで多くなかったりすれば、6GBで十分だ。さらに、ストレージもPixel 4の上位版と同じ128GB搭載されている。動画をたくさん保存する人にはやや物足りないが、Googleフォトを組み合わせるなどすれば、十分なストレージといえる。

メモリは6GB搭載。上位モデルのPixel 4と同容量

廉価版ながら、128GBのストレージを搭載しているのもうれしい

 日本版のPixel 4aは、FeliCaを搭載し、おサイフケータイやGoogle Payに対応しているのもうれしいポイント。同価格帯のミドルレンジモデル、特に海外メーカー製のものは、性能が優れている一方で、日本独自仕様に対応していないケースもままある。OPPOのような例外はある一方で、選択肢は限定的だ。一度使うと手放せなくなる機能なだけに、ミドルレンジながらしっかり対応している点は評価できる。

日本版は、おサイフケータイも利用できる

 Pixel 4aは、どちらかと言えば、ハイエンドに近い位置づけのミドルレンジモデルだ。処理能力は高く、カメラの画質はハイエンドとも競えるクオリティで、不満は少ない。超広角カメラに対応していなかったり、質感がややチープだったりと、価格なりの部分はあるものの、これだけの端末が4万円前半というのは驚きだ。分離プラン時代にふさわしい、コストパフォーマンスの高い1台といえるだろう。

【石野's ジャッジメント】
質感        ★★★
持ちやすさ     ★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★
UI         ★★★★
撮影性能      ★★★★★
音楽性能      ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
生体認証      ★★★★
決済機能      ★★★★★
バッテリーもち   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年9月16日(水) 発売

DIME最新号の特別付録は「マルチレンチ&ツール14」!特集は「オンラインビジネス入門」「Z世代の新・経済学」「軽自動車」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。