近年「SIMフリー」という単語をよく耳にするようになりました。「通信速度が遅くなるかも」「ケータイ代を抑えられるかも」といったうわさ程度の知識はあるものの、そもそもSIMフリーとはいったいどういった仕組みで、どのように契約すればいいのか、いくら程度やすくなるのかいまいちわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、SIMフリーとはいったい何なのかについて、改めて解説していきます。中には、ケータイ代を半額以下に抑えられる可能性もあるので、ぜひ参考にしてください。
そもそもSIMフリーって何?
まずは、SIMフリーとはいったい何なのかについて紹介していきます。
SIMフリースマホは格安でスマホを利用できる端末
SIMフリースマホとは、ドコモやau、ソフトバンク、楽天などの“キャリア”と呼ばれる通信事業者が提供する端末に対し、より安い価格で運用できるスマホを指します。これらは、「MVNO(仮想移動体通信事業者)」と呼ばれるサービスで、各MVNO会社と契約することで通信サービスを受けられるようになります。
MVNOはなんで安く使える?
通信キャリア各社は、それぞれが通信のための設備を持っています。各MVNO会社は、キャリアからその設備の一部を借り入れ、通信回線をユーザーに提供しているため、設備の維持費がかかりません。また、多くのMVNO会社は実店舗を持たず、インターネットでの販売をメインとしているので、店舗維持費や人件費といったコストも削減できるため、より安価でサービスを提供できるという仕組みです。
SIMフリースマホのメリット・デメリット
SIMフリースマホを使用する上でのメリットは、まず前述したとおり価格を抑えやすいという点にあります。端末料金は基本的には変わりませんが、毎月の契約料やプラン料金をかなり安く抑えられるので、キャリアで契約していた時から半額以下に抑えられるケースもあります。
また、いつでも気軽に端末や通信会社の変更ができるというメリットもあります。キャリアスマホのように、「何か月は使用しなければならない」といった制限はないので、欲しいスマホが発売されたら、端末を買い替えたり、別の通信会社に契約を変更することができます。
逆にデメリットとしては、通信速度が安定しないというものがあります。キャリアから通信設備の一部を借り、通信回線をユーザーに分配しているという関係上、回線が混み合う時間帯(通勤時間やお昼休みの時間など)は通信速度が低下してしまう可能性があります。一車線しかない道路で渋滞が起きてしまうと、身動きが取れなくなってしまうようなイメージに近いでしょう。
また、実店舗を持たないという性質上、困ったときにすぐサポートを受けられない可能性があります。故障の疑いがある際にも、直接各メーカーに問い合わせなければならないので、時間がかかったり、満足なサポートが受けられない危険性もあります。通信速度の問題と合わせ、コストを抑えるために仕方のない部分と割り切って運用できる人にはおすすめです。
SIMフリースマホの契約方法とプランの選択方法
MVNO各社には、それぞれプランが存在します。自分のスマホの使い方に合わせたプランを選択することで、ケータイ代をより節約できる可能性があるので、プランはしっかりと選びましょう。ここからは、MVNOとの契約方法とともに、どんなプランを選択するのがおすすめなのかを紹介していきましょう。
SIMフリースマホの契約方法
すでに紹介した通り、MVNO各社は実店舗を持たないことがほとんどです。なので、契約は基本的にインターネットで行います。
各MVNO会社のホームページには、「新規契約」「他社からの乗り換え」といった項目があります。今使っている電話番号のまま格安SIMに変更したい場合は、「他社からの乗り換え」を選択すれば、プラン選択などのページに移行できるので、ホームページの指示通りに契約内容を決めていきましょう。
おすすめのプランは?
おすすめのプランは、それぞれのスマホの使用方法によって変わります。まず選択するのは「月にどれだけのデータ通信を行うか」で、3GBや7GBなど、各MVNO会社が用意したプランを選択することになります。現在、どれくらいのデータ通信を利用しているかは、スマホの設定アプリから確認できるので、機種変更の前に確認しておきましょう。
また、特別なプランとして、YouTubeやNetflixといった動画配信サービスを定額で見放題のサービスや、端末の保証プランなどを用意しているMVNO会社も存在します。2020年8月現在は、一部のMVNO会社を除き、定額の電話かけ放題サービスはMVNO会社にはほぼ存在しないので、たくさん電話をかけるという人は注意して下さい。
※データは2020年8月上旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤 文彦