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企業が提供する〝サードプレイス〟は定着するか?ビジネス特化型のワークスペース「スペースマーケットWORK」がめざすメリット

2020.08.30

新型コロナウイルスの影響により、企業ではオフィスの一部を解約したり、社員をテレワークに切り替えたりといった動きが見られる。

2020年8月4日、「スペースシェアをあたりまえに」をミッションに掲げる株式会社スペースマーケットは、こうしたテレワーク時代の働き方を支えるための分散型他拠点ワークプレイス「スペースマーケットWORK」の提供を新たに開始。同日、メディア向け説明会を開催した。

果たしてこの新たな試みは、企業、そしてそこで働く人たちにどのようなメリットをもたらしてくれるのだろうか。

スペースマーケットとは

本題に入る前に、スペースマーケットの事業について簡単に紹介しておきたい。スペースマーケットは、あらゆるスペースの貸し借りができるプラットフォーム。空いているスペースを貸したい人と、その場所を使いたい人とを結びつけるサービスだ。2014年にサービスを開始し、現在では1万3000件以上のスペースが掲載されている。同社執行役COO井上真吾氏によると、従来から会議室などのビジネス利用はあったものの、これまではパーティーや宴会、撮影、収録といった用途で利用されることが多かったという。

オフィス賃貸の課題

2020年に入ってからは、新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの人が”働き方の見直し”を迫られた。多くの企業は、「同じ場所で同じ時間働く」というスタイルを再考せざるを得なかったはずだ。

しかし、企業のオフィス賃貸は長期契約が前提で、即時契約や途中解約ができない。そのため、今回のような事態が起きても「来月に解約し、他の小規模オフィスに移転」など、機動的に動くことはなかなか難しい。

このような背景を受け同社は、充実したワーク環境をより手軽に利用できる「スペースマーケットWORK」の提供を開始した。年内には、全国3,000件以上のワークスペースの掲載を目指すという。

新たに登場したBtoBサービス「スペースマーケットWORK」

同サービス最大の特徴は、短期・中長期、どちらの利用にも対応している点。会議、打ち合わせなどの短期利用は最短1時間から15分単位で、中長期では週・月単位での利用ができる。オフィス家具や備品、インターネット環境が整ったスペースを、敷金や礼金などの初期費用なしで利用できるのは大きい。しかも、オンラインベースで手続きができるため効率的だ。

先行きが見えない状況の中、固定費となるオフィスの家賃を払い続けることは企業にとって大きな負担になる。状況が落ち着くまでの間、こうしたスペースを活用していくことも有力な選択肢になるはず。また、すぐに契約解除できない空いたオフィススペースや遊休スペースを貸し出し、収益化すこともできる。

他社との連携でより快適なワークスペースを追求

さらに、スペースマーケットは、NTT東日本・オカムラ・JTBなど16社との連携も発表。各企業の代表者から、新たな取り組みについて紹介された。

・株式会社オカムラ

株式会社オカムラ オフィス営業本部 インテリア営業部 部長 髙畑久氏

都内3か所に、オフィス家具メーカー株式会社オカムラとのコラボスペースを設置。本格的なオフィス家具が整った、快適な環境を提供する。設置されているそれぞれの家具は、自宅用としても利用しやすい価格帯のものを備えたという。テレワークの加速により、自宅用としてオフィスチェアの需要が増えたことは周知の事実だが、自分に合う座り心地の椅子を見つけるのはなかなか難しい。髙畑氏は、「お店で展示している椅子だと長い時間座って試すのは難しい。このスペースでじっくりと使い心地を試してほしい」とその想いを語った。

・NTT東日本

東日本電信電話株式会社 ビジネスイノベーション本部 BBXマーケティング部担当課長 渡辺文隆氏

NTT東日本との提携では、法人がより安心して利用できる仕事場「スペースマーケットPlus」を共同開発。NTTがICT関連サービスを提供することで、より快適な通信環境の実現、防犯用監視カメラの設置、AV機器やスマートロックの導入などが進められている。会社以外のスペース確保や利用には前向きなものの、セキュリティ面で不安を抱えていた企業にとっては一つの安心材料となりそうだ。

・JTB

株式会社JTB 東京中央支店 営業推進課 マネージャー兼推進担当 内藤司氏

JTBとは、地震や豪雨などで被災した場合でも、企業活動を維持するための「BCP(Business Continuity Plan)対策」で企業を支援するサービスを連携して提供する。あらかじめオフィスを分散させておくことで、普段はテレワークスペースとして活用しながら、大地震発生などの有事の際には「災害時対策本部」としても活用できる。2020年8月27日から、直下型地震が想定される東京都を中心にサービスの提供を開始する予定だ。

”第三の働く場所”は日本企業に定着するか

記者説明会が行われた「KICHI by WARP」。このスペースにもオカムラ社製のオフィス家具が設置されている。

今回発表された「スペースマーケットWORK」は、法人向けのサービス。もちろん、個人で利用することも可能だが、初期費用がないとはいえ、個人ではなかなか手が出にくいものが多い(会議室利用を除く)。中長期で利用するなら、最低でも複数名のチームで利用する方がいいだろう。

大企業はもちろん中小企業においても、契約更新のタイミングで思い切って、こうした機動性の高いスペースに切り替えていくのもありかもしれない。ただし、現在のところ中長期契約でも法人登記ができる物件は限られている。今後は「登記可能な物件を随時拡大していく」とのことだが、法人登記が必要な場合は、本社の住所を維持するか、バーチャルオフィスなどを併用する必要がある。(業種・業界や企業の規模感によって、そもそもシェアオフィスでの登記を望まないケースもあるようだ

企業だけでなく社員にもメリットが

例えば、週単位で複数の拠点を借りて、その場所に近い社員を定期的に出社させたり、基本はテレワークだが月に数回は集まって仕事をしたりと、さまざまな使い方ができるのもこのサービスのメリット。

自社に合った活用方法を見つけられれば、テレワークによるコミュニケーション問題や、自宅の設備問題を劇的に改善できるかもしれない。加えて、固定費の削減や本社機能のリスク分散にも大きな役割も果たしてくれるだろう。

もちろん企業側だけでなく、慣れないテレワークを強いられている社員にとっても、快適な設備の整った”第三の働く場所”があることは大きなメリットになるはずだ。

こうした機動的なスペースが日本の企業に定着していくか、今後も注目していきたい。

スペースマーケット WORK:https://work.spacemarket.com/

取材・文/久我裕紀

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