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脱炭素化にコミットしている国は数十億ドル規模の再生可能エネルギー輸入インフラの構築が不可欠

2020.08.25

ゼロカーボン化への取り組みは5000億ドル規模の事業機会をもたらす

世界的に脱炭素化の取り組みが行われる中、自国の需要を再生可能エネルギーのみで満たすことができない国は、経済成長と同時に非炭素化を達成するために、ゼロカーボンエネルギーのサプライチェーンを新たに構築する必要がある。

そこでラックスリサーチはエネルギーネットワークの発展:世界のエネルギー貿易の脱炭素化)』レポートにて、15の異なる再生可能エネルギーキャリアを評価し、技術開発を手がける国や企業を取り上げた。

今回はレポートの中身を抜粋してお届けしたい。

シンガポール、日本、オランダのような国では、風力や太陽光発電など、国内の再生可能エネルギー源だけでは自国のエネルギー需要を満たすことができません。

実際、世界のGDPの9兆ドルを代表する国々にて、国内の再生可能エネルギー発電だけではエネルギー需要を満たすことはできないため、再生エネルギー生産に不可欠な資源を豊富に持つ国々から再生可能エネルギーの輸入を行うことが必要になることは間違いありません」と、本報告書の執筆者であるラックスリサーチのTim Grejtak氏は説明している。

ラックスリサーチの分析では、AC及びDCの電力線建設が、遠く離れた地域からの低コストでの太陽光エネルギー輸入には最も費用対効果の高い方法であることがわかった。

しかし、距離的にこの方法が最も効率的であるのはおよそ1,000kmまで。遠く離れた地域から輸入を行う場合は、合成燃料のような他の再生可能エネルギーキャリアの方が低価格になる。

また重要なポイントとして、輸入エネルギーコストは他のゼロカーボン技術と競争できる点が挙げられます。ただし、現行のエネルギーキャリアは液化天然ガス(LNG)や石油を完全に代替する上で必要なコスト競争力を持ちません」、とGrejtakはコメントしている。

報告書にて、ラックスリサーチは電力、水素、合成メタン、アンモニアなどの従来のキャリアから、液体有機水素キャリア (LOHC)、バナジウム、アルミニウムなどのより進んだキャリアまで、15の異なる再生可能エネルギーキャリアの生涯コストを評価した。下記が主なポイントだ。

・電力網やパイプラインのような土地ベースのインフラストラクチャを通じてエネルギーを提供することは、パイプラインの非効率性や資金コストのために長距離で高価になる。

・一方、タンカーで運ばれるLOHC、LNGのような極低温キャリアにより運ばれる液体水素、など、船舶を介した輸送が長距離の輸送においてははるかに費用対効果が高いことがわかった。

また、ラックスリサーチの分析によると、すべての再生可能エネルギーキャリアにおいて、低コストの太陽光エネルギーは、地理的に好ましくない条件下において自国内で太陽光発電を行うよりも、50%から80%低いコストで資源制約のある地域へ輸入可能であることがわかった。

そのため、炭素排出削減にコミットしている国々は、今後数十億ドル規模の新たな再生可能エネルギー輸入インフラの構築へ向けて動き出すと考えられる。

ラックスリサーチは、再生可能エネルギー輸入インフラを導入する最初の転換点は、新しい高圧直流送電線による輸入電力が低炭素天然ガスタービンより安くなる2030年時期と予測している。

またその次の転換点は、液体水素の輸入が低炭素蒸気メタン改質よりも安くなる2040年時期となるだろう。

つまり、このようなエネルギー市場のパラダイムの変革に向け、関連企業は向こう10年で必要な戦略提携を構築し、試験的プロジェクトを実施することが可能だ。

すでに、川崎重工業、三井物産、エクイノール(ノルウェー)、ロイヤル・ダッチ・シェル(オランダ)などの企業は、欧州、日本、東南アジアにて、非炭素エネルギー貿易路の開拓へと動いている。再生可能エネルギー輸入という5000億ドル相当の市場をめぐる戦いは始まったばかりだ。

構成/ino.

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