
介護職は、高齢化が進む現代日本においてなくてはならない職業の一つだ。その担い手は一人でも多いに越したことはないが、中には、わけあって辞めてしまう人もいるだろう。
では、介護職を辞める理由として、とりわけ多いものとはいったい何なのだろうか?
そこで今回、医療・介護領域における人材紹介・派遣サービス大手の TSグループによる、「介護職の離職」に関する実態調査が行われたので、その結果を紹介していきたい。
なお本調査は、介護職を離職した経験がある10代から60代以上の男女322名を対象に実施されている。
約7割が介護の仕事は好きだが離職している実態
介護職を離職した際の経験について、「介護の仕事がとても好きだったがやめた(32.3%)」、「介護の仕事がどちらかというと好きだったがやめた(35.1%)」と、約 7 割(67.4%)が介護の仕事は好きだが離職している実態が明らかになった。
離職した理由は「職場の人間関係」「給与」「自分の介護技術不足」
介護職を離職した理由については、「職場の人間関係に苦労したから(46.6%)」が最多で、次いで、「給与など待遇が悪いから(41.0%)」「自分の介護技術が追いつかず、力不足を感じたから(29.2%)」だった。介護職員の離職を減らすためには、各事業所における勤務環境や教育体制の整備が鍵になることが伺える。
離職経験者の半数以上が復職
介護職に復職したいかという質問に対して、「すでに復職している(32.6%)」と「復職予定がある(19.6%)」の回答があり、約半数(52.2%)の離職経験者が復職もしくは復職予定であることが分かった。また約2割(19.9%)が「復職したいが、予定はない」と、復職に意欲的だった。
復職したい理由は「達成感を感じられる」「資格、技能が活かせる」「他の仕事に比べて自分に合っている」
復職をしたいと思う理由は、「資格、技能が活かせるから(41.8%)」が最多で、次いで「達成感ややりがいを感じられるから(41.4%)」「他の仕事に比べて自分に合っていると感じたから(40.1%)」と介護職自体の魅力を挙げる声が目立った。
現役職員が、コロナ対策として最も求めることは「マスクなど医療用品の安定供給」
すでに介護職に復帰している人に、コロナ対策として求めていることを聞くと「マスクなど医療用品の安定供給(70.5%)」の声が最多だった。また「慰労金の追加支給など経済的支援(55.2%)」「人材支援(52.4%)」「他業種からの理解(50.5%)」についても約半数以上が対策として求めていることが分かった。
【調査結果概要】
調査期間:2020年7月15日〜7月16日
調査対象:介護職を離職した経験がある10代から60代以上の男女 322人
調査方法:インターネット調査
出典元:TSグループ
https://www.tskouken.jp/
構成/こじへい
こちらの記事も読まれています