
パソコン一台あればどこでも仕事ができそうなITエンジニア。しかし、任されている業務内容や情報漏洩に対する規約などによってリモートワークが許されない場合もある。
このほど、株式会社BlueMemeが実施した意識調査によると、クライアント先に出社して業務を行うITエンジニアの74.2%が緊急事態宣言下でも出社していたことが明らかになった。
なお本調査は、4月27日〜4月28日の期間、東京都内在住でクライアント先へ出社して業務を行うITエンジニア102名を対象にして実施されている。
緊急事態宣言前、クライアント先へ出社していたと回答したITエンジニアは87.3%
「Q1. 現在、新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言が出ていますが、宣言前の3月について、クライアント先へ出社していましたか? 割合を教えてください。」(n=102)という質問に対し、「100%出社」と回答したITエンジニアは61.8%であり、新型コロナウイルスが問題となった3月(緊急事態宣言前)において数日でも出社を要されたITエンジニアを含めると全体の87.3%を占める結果となった。
そのうち、緊急事態宣言後にも出社が必要とされたITエンジニアは74.2%
Q1で「出社」と回答した方に「Q2. 緊急事態宣言が出たあとの出社割合を教えてください。」(n=89)と質問したところ、「100%」と回答したITエンジニアが18.0%、「出社:80%以上・在宅勤務:20%以下」と回答したITエンジニアが7.9%、「出社:50%以上~80%未満・在宅勤務:20%以上~50%未満」と回答したITエンジニアが9.0%、「在宅勤務100%」と回答したITエンジニアが25.8%となった。
緊急事態宣言前と比較して、100%出社の割合は大きく減少したものの、緊急事態宣言下においてもいくらかの出社を必要とされているITエンジニアが74.2%存在することがわかった。
緊急事態宣言下でも出社を必要とされたITエンジニア、もっとも多かった出社の理由は?
Q2で「出社している」と回答した方に「Q3. 出社している理由を教えてください。」(n=66)と質問したところ、「個人や委託先の自宅からテスト環境や本番環境にアクセスできない」と回答したITエンジニアが69.7%に上った。
Q1で「出社している」と回答した方に「Q4. 出社している理由を自由に教えてください。」(n=46)と質問したところ、「クライアント先からの要望」、「対面でなければ行えない業務である」などの理由が挙げられた。
<自由回答・一部抜粋>
・機密情報や個人情報が含まれる情報を扱うため(37歳)
・個人情報を扱っているため社外へ情報を持ち出すことができないため(31歳)
・IT関連機器の作業のため(47歳)
・対面での打ち合わせが必要(52歳)
・お客様オーダーにより、現地での作業を求められているため(43歳)
・端末のメンテナンス業務のため(47歳)
・顧客先の要請で出社が必要であるため(42歳)
・端末キッティング等実機操作が有る為(45歳)
・どうしても出社先でないと出来ない作業があり、社会的インフラとして重要な業務であるから(45歳)
・セキュリュティや開発環境の問題で在宅だけでは作業ができない(52歳)
■まとめ
本調査により、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で企業のテレワーク化が進む中、緊急事態宣言下においてもクライアント先への出社を必要とされているITエンジニアは64.7%存在し、多くのIT企業が社員の完全なテレワーク移行に踏み切ることが出来ない状況にあることがわかった。
その理由として、「個人や委託先の自宅からテスト環境や本番環境にアクセスできない」が約7割と最も多く、その他「クライアント先からの要望」や「対面でなければ行えない業務である」などが上げられ、今後のBCP(事業継続計画)の策定においてもテレワークへのニーズが高まる一方で、完全なテレワークへの移行は難しい環境であることが明らかになった。
未曾有の事態において多くの企業が環境適応力に優れた組織風土の醸成に乗り出しており、新型コロナウイルス感染症による企業競争へのインパクトは計り知れない。アフターコロナにおける新しい生活様式としても、IT関連業務でのテレワーク化を促進できる仕組み作りが急務であると言えるだろう。
<調査概要>
調査期間:2020年4月27日〜4月28日
調査方法:インターネット調査
調査目的:緊急事態宣言前後におけるクライアント先に出社しているITエンジニアの働き方の実態調査
有効回答:東京都内在住でクライアント先へ出社して業務を行うITエンジニア102名
出典元:株式会社BlueMeme(ブルーミーム)
http://www.bluememe.jp/
構成/こじへい
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