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「Rakuten Mini」で行政指導を受けた楽天モバイル、失地回復の策はあるか?

2020.08.25

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は楽天モバイルの受けた行政指導や、告知の方法について議論します。

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社内部署間の連携や管理がずさん

房野氏:「Rakuten Mini」がユーザーに告知せず対応周波数を変えて行政指導を受けたり、携帯電話サービスを停止してシステムメンテナンスを行うという告知(2020年7月17日の8時から21時までシステムメンテナンスを行うため、携帯電話サービスが利用できなくなるという告知)を誤掲載したりと、楽天モバイルはトラブルが続きましたね。

Rakuten Mini

房野氏

石川氏:楽天のことをつぶやくと、すぐ広報から電話がかかってくるからなぁ。

石川氏

法林氏:つぶやくんじゃなくて、記事にすればいいじゃん。

法林氏

石野氏:記事にしても、すぐ電話がかかってくる。

法林氏:でも、楽天モバイルの話題は読者の注目度が高いね。自分の書いた楽天モバイルについての記事も「Rakuten Mini」のニュースと絶妙なタイミングで掲載されて、よく読まれたようです。

石川氏:システムメンテナンス情報が誤掲載されたのが謎だった。あの件でも電話がかかってきたんですけど、かなり具体的な情報が勝手にアップされていて、どうなんだろうと思った。

法林氏:楽天モバイルは顧客管理も含めて管理がずさんだよね。業務に必要な情報の流れ方で問題が多い感じがする。

石川氏:テレワークで社内の連絡がうまくいかないのは理解できるんだけど、ああいった大切な情報が勝手にアップされて広報がびっくりする、というのはどうなんだろうって感じたな。

石野氏:そうですね。楽天の三木谷さんは、テレワークで3倍仕事がはかどったと言っていますけど、その裏では全然連携がとれずに苦労している人たちが……

代表取締役会長兼CEOの三木谷浩史氏

石野氏

法林氏:Rakuten Miniの件も、部署間の連絡がとれていなかったのが大きな要因だった。楽天は、成果主義なのはわかるけど、個人の成果しか追えていないんじゃないかって思ってしまうね。

石川氏:それか、上と直でしかつながっていないというか。

石野氏:それ、典型的なワンマン企業じゃないですか。

石川氏:勝手に情報が出てしまう。去年もダミーの料金プランが流出したじゃないですか。あれも誤掲載だっていう話だったし、今回のメンテナンス告知も誤掲載だし。楽天モバイルのプレスリリースが出るたびに、誤掲載じゃないかチェックしなきゃいけない(笑)

石野氏:かと思えば、変更したことを掲載しないRakuten Miniの件もあり(笑)

石川氏:未掲載。

石野氏:Rakuten Miniの件は、未掲載の上に誤掲載ですからね。

石川氏:楽天モバイルは世間から注目されていて、菅官房長官からの期待も高いんだけど、ずいぶん墓穴を掘っているというか、自ら失敗している感じがもったいない。しかも、失敗しているのはメンテナンス情報の誤掲載とか、どうでもいいところじゃないですか。

法林氏:本業に関係ないからね。

石川氏:そう、Rakuten Miniの技適問題も然り。通信障害もあったけど、それ以外の部分でミスを犯しているのがすごくもったいない。

石野氏:メンテナンス情報を見た時に、さすがに全停止でメンテナンスすることはないとは思ったんですけどね。楽天だったらやりかねないかなと、一瞬思ってしまった(笑)

法林氏:常識のレベルが違うから。

石野氏:楽天は「常識を覆せ」といっているので、ここでも覆してきたかと。

石川氏:誤掲載だけど、平日の昼間にネットワークを止めるのは、常識がなさ過ぎだよね。しかも当日の朝の発表。

石野氏:しかも長時間。

石川氏:告知が、例えばあの時間帯の数分間サービスが止まりますと書いてあれば、なんら問題ないし、他キャリアはそういう書き方をしている。だけど、あの文面を見ると、午前8時から午後9時まで。

石野氏:どーんと、しかも全国で利用停止。何をメンテナンスするんだって話。

石川氏:それって仮想化のメリットが何もないよ、電源を抜くのかってくらいのメンテナンス(笑)

房野氏:あのお知らせは、テンプレートがそのまま掲載されてしまったんですよね?

石野氏:テンプレートですね。テンプレートじゃないと、あんな長時間のメンテナンスはないですよ。

法林氏:あれは、楽天市場とかほかのサービスでやっているデータセンターとかのメンテナンスのテンプレートを、そのままモバイルに持ってきちゃったんじゃないかな。

石川氏:そこまでは聞いてないですが。

法林氏:多分、そうだと思うよ。だって普通、電話サービスでそんなサービス停止の仕方はしないじゃない。

石川氏:そうですけど、楽天は常識を覆すので。楽天は、本当に我々の常識が通用しないんですよ。

石野氏:しかも、その誤掲載をした直後に、「私、失敗しないので」が決めゼリフの米倉涼子が出るCMを発表した。失敗したばっかりじゃん。突っ込んでほしい感がすごくしました。狙ってやっているのかと思ったくらい。

法林氏:楽天市場は一定の評価を得ているけど、近年、いろんな企業やお店が離れていっているという話がある中で、今まで指摘されていた細かい部分のダメなところが、楽天モバイルで全部、露呈しちゃった感がある。料金の明細がちゃんとしていない話も含め。

 楽天モバイルは、話題性は確実にあるし、注目度も高いけど、気をつけた方がいい。例えば「楽天モバイル」を検索すると、すごく好感度の高い記事はほとんどアフィリエイト狙いなんですよ。話題性があるのは認めるけど、ちょっと偏りを感じる。

石川氏:確か、楽天モバイルの第1四半期決算の時に、オンライン契約が多いという話があった。MMD研究所の調査データでも、Rakuten UN-LIMITの契約はオンライン契約が8割だった。ということから、ネットと相性がいいというか、ネット契約でみんな入ってきているのが事実なんだろうと思うし、そこが上手くいっているのかな。

石野氏:今は無料で使えるから、とりあえず使っておけばいいという考え方もできるので。

料金競争のために全国展開を求められている

石川氏:Rakuten UN-LIMITが6月末で100万契約に達したのはちょっとびっくりだった。

石野氏:そうですか?

法林氏:楽天グループで従業員数はどれくらいだっけ。

石川氏:2万人くらいですか?(2020年6月時点で約2万2700人)

法林氏:関係者で契約者数を稼げるね。

石川氏:社員の紹介者割引もあるし。

石野氏:ノルマとかもあるんじゃないですか。

石野氏:2万人が10人集めてくれば20万契約ですからね。

房野氏:タダなので、入りやすいですしね。

石川氏:だから、1年経った後どうなるか、ですよ。

石野氏:でも「Rakuten Link」のiPhone版を出したので、iPhone対応がちょっと見えてきて……。

法林氏:あれはちょっと意外でしたね。

石野氏:何かの布石なのかなと。iPhone取り扱いの話題でこんなに盛り上がるのはドコモ以来で、懐かしい感じがしますよね。例えば楽天モバイルで「iPhone SE」を扱えたりすると、ちょっと変わるかなって気もします。

iPhone SE

法林氏:7月20日に、「楽天無料サポータープログラム、Rakuten UN-LIMITプランへの変更(移行)のお願い」というメールが来ていたんですよ。

石野氏:MVNOからMNOの楽天モバイルに、どのくらい移行するんだろう。

房野氏:MVNOの楽天モバイルの契約者数はどれくらいでしたっけ。

石川氏:200万契約。

石野氏:あまり移行は進んでいないという話です。面白いのが、MVNOの楽天モバイルは9割以上のユーザーがドコモ回線を借りているので、ドコモにはMNOの楽天モバイルにどれくらい移行したかわかってしまう。ドコモの吉澤社長がニヤッとしながら「あまり移行は進んでいないみたいですよ」って言っていました。

石川氏:ドコモとauの両キャリアは、ユーザーの動きが手に取るようにわかるだろうね。MVNOからMNOへの移行に関してはドコモがばっちり押さえているし、どれくらい使っているかはKDDIが押さえているし。

石野氏:情報ダダ漏れ。

石川氏:吉澤社長とKDDIの髙橋社長は仲が良いので、どこかでその話をしてそう(笑)

房野氏:楽天モバイルは、ソフトバンクの孫さんに頼るという手はないですか?

石川氏:ないんじゃないかなぁ。

法林氏:僕は個人的に、楽天モバイルは都市型MNOとして生きていくべきだったと思っている。東名阪、地方の大都市を中心にエリアを展開して、それ以外のエリアはauローミングで、無理しない程度にやる。4Gの周波数が1波しかないけど、5Gで少し増えるし、地方のパートナーエリアで出た赤字は都市部で取り返す、くらいの都市型でやればいいのにと思ったんだけど、楽天モバイルにそんなつもりはさらさらないらしく、全国津々浦々まですべて楽天モバイルのネットワークでカバーすると。

石野氏:そこは総務省の方針も良くないですよね。全国カバーを前提にして参入させているので。4社とも全国でサービス展開するというのも、それはそれで芸がないというか。

房野氏:免許を取得する時に、全国カバーが条件になっていたんですね。

法林氏:全国を自社の電波だけでカバーするのは、鉄塔を建てたりすることを考えると、お金も手間もかかる。当然、そこに光回線も引かなくてはいけないので、大変なわけですよ。そう考えた時に、部分的に共有した方がいいというのが、ソフトバンクとKDDIが5Gで基地局を共用しようとしている話です。 
 楽天モバイルは、ローミングする部分はauにまかせて、「これから10年間は、基本的に都市部で最大限ネットワークを作ります」みたいな考え方はアリだと思う。なんだけど、そうはならなくて、衛星で全国をカバーするみたいなことを言っている。大丈夫かなって心配。

石川氏:根本に関わるんですけど、楽天モバイルが自分たちで、「スマホでこういうことしたい、ああいうことしたい」というのではなくて、とにかく菅官房長官の「携帯電話料金の値下げを実現したい、4キャリアあれば値下げされるだろう」という考えがスタートだから、結果として全国のエリアカバーも自分たちでやらないことにはどうしようもない、ということになって壁にぶつかっている。楽天が「自分たちでユーザーにサービスを提供したいだけなんだ」「楽天市場のタッチポイントとしてスマホを提供したいんだ」というのであれば、自分たちで作るエリアは都市だけで、ほかのエリアはauにお願いしますという割り切りもできると思うんですが、とにかく料金競争を成立させるために、3キャリアに対抗できる4社目としての位置付けを求められている。楽天の身の丈に合っていないと感じます。

菅 義偉内閣官房長官 沖縄基地負担軽減担当・拉致問題担当大臣

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