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モラルに反する業務に国家と闘う決意をした彼女の運命は?英国人女性の実話を基にした映画「オフィシャル・シークレット」

2020.08.29

■連載/Londonトレンド通信

Photo by Lia Toby/Getty Images for BFI

 イギリスを相手に戦ったキャサリン・ガンという女性がいる。8月28日公開のギャヴィン・フッド監督『オフィシャル・シークレット』は、その戦いの物語だ。

 上の写真は、2019年10月10日に第63回ロンドン映画祭で開催されたヨーロッパ・プレミア時の、キャサリン役のキーラ・ナイトレイとキャサリン本人。ご覧の通り、外見は似ていない。

 キーラは、映画中でも、たとえばダークなヘアをブロンドにすることはしていない。外見を似せることより、おそろしくストレスフルな状況に置かれたキャサリンの内面を表現することに力を注いでいる。

(C)2018 OFFICIAL SECRETS HOLDINGS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED. 

 キャサリンは、英諜報機関での勤務中に、米英間の秘密を知ってしまう。イラク侵攻に向けての、工作活動に関するやりとりだ。そして、その情報を外部に出すことを決意する。ホイッスルブロワーになったのだ。

 ちなみに、キャサリンの仕事は中国語の翻訳で、日本語と中国語を学んだ彼女は、日本で英語を教えた経験もあるという。

 本題に戻ろう。キャサリンの行為は、もちろん諜報機関では許されないことだ。一方、正当ではない方法でイラク侵攻に舵を切るのは、違法の疑いもある。その情報を握ってしまったキャサリンは、自分の職場である諜報機関での正しさより、人としての正しさを選ぶ。

 キャサリンにとって幸運だったのは、その行為を支持する人々が出てきたことだ。まず、キャサリンのリークを発表しようというジャーナリストがいた。マーティン・ブライト(下の写真、同じくヨーロッパ・プレミア時)だ。リークの内容をオブザーバー紙に掲載、キャサリンの握った国家の秘密は日の下にさらされた。

Photo by Lia Toby/Getty Images for BFI

 その後、職場でのリーク犯人探しに名乗り出たキャサリンは、Official Secrets Act(公務秘密法)に抵触したとして訴えられる。そして、キャサリンの弁護を引き受けたのがベン・エマーソン(下の写真、同プレミア時)だ。ウィキリークスのジュリアン・アサンジや、亡命先のロンドンで毒殺された元ロシア諜報部員アレクサンドル・リトビネンコの件なども担当した弁護士だ。

Photo by Lia Toby/Getty Images for BFI

 映画中では、11代目『ドクター・フー』として知られるマット・スミスがマーティンを、『ハリー・ポッター』シリーズのヴォルデモート役でもお馴染みの名優レイフ・ファインズがベンを演じている。

(C)2018 OFFICIAL SECRETS HOLDINGS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 さて、この映画、面白すぎるのが玉に瑕だ。というのも、サスペンスあり、法廷劇ありで、しっかり楽しませるのだ。米英間の秘密に、実在のホイッスルブロワーとくれば、予想するであろう社会派映画からは、良くも悪くもはみ出す映画になっている。

文/山口ゆかり
ロンドン在住フリーランスライター。日本語が読める英在住者のための映画情報サイトを運営。http://eigauk.com

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