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解体工事会社の対応は?アスベスト規制を強化した大気汚染防止法改正の気になる中身

2020.08.18

5月29日、大気汚染防止法の改正法案が参院本会議で賛成多数で可決し、6月5日に公布された。

これによって、アスベスト含有建材(レベル3建材)を含む、アスベストを使った全ての建物が規制の対象となったわけだが、実際のところ、解体工事会社の何割がこの一部改正を認知し、また、具体的な準備を進めていたのだろうか?

法案成立前の4月20日~4月24日に解体工事会社193社を対象とした意識調査が行われところ、6割以上が「対策できていない」という事実が明らかになった。

以下に調査結果の詳細を紹介していく。

大気汚染防止法の一部改正が閣議決定されたことを知っている解体工事会社は約7割(66.3%)

解体工事会社に大気汚染防止法の一部を改正する法律案が閣議決定されたことを知っているか質問したところ、法改正に対する認知は約7割(「知っている」が66.3%、「知らない」が33.7%)となり、一定認知されていることが明らかになった。今後、業界認知を更に拡大させていく必要がありそうだ。

Q1. 大気汚染防止法の一部を改正する法律案が2020年3月10日に閣議決定され、通常国会に提出されました。

今後、全ての石綿(以下、アスベスト)含有建材への規制対象がレベル3建材にも拡大され、都道府県等への事前調査結果報告の義務付けや罰則規定が設けられることになります。この閣議決定を知っていましたか?(N=193)

6割以上が対策できていない(62.6%、「対策を検討・準備中」56.3%、「何もしていない」6.3%)

Q1.で「知っている」と回答した工事会社に、対応状況について質問したところ、法改正への対応状況については、6割以上が対策できていない(62.6%、「対策を検討・準備中」56.3%、「何もしていない」6.3%)と回答し、工事会社の対応は進んでいない現状が伺えた。

一方で、「すでに対応できる状態」にある工事会社は4割に届かず(37.5%)、法改正に向けた対応が急務であるといえる。

Q2. 法改正への対応状況はいかがでしょうか?(N=128)

法改正への対応として最も多いのは「取引のあるアスベスト調査会社と関係を強化する」(68.0%)

Q1.で「知っている」と回答した工事会社に、法改正に向けた対応予定について聞いたところ、「取引のあるアスベスト調査会社と関係を強化する」が約7割(68.0%)と最も多く、次いで「新規にアスベスト調査会社と提携する」が2割強(24.2%)となり、多くの工事会社が外部へ調査を依頼する体制を整える想定であるといえる。

一方で、「アスベスト調査士を社内に置く」は2割(20.3%)と、アスベスト調査を内製化する動きは鈍いことが伺える。

Q3. 法改正への対応として、どのような対応予定していますか。該当するものを全て選択してください。(N=128)

対応に向けた課題としては「アスベスト調査等のコストがかかる(工事費用に転嫁が必要)」が6割以上(61.7%)で最多

Q1.で「知っている」と回答した工事会社に、法改正への対応に向けた課題について質問したところ、「アスベスト調査等のコストがかかる(工事費用に転嫁が必要)」が6割以上(61.7%)と最も多く、工事会社にとってコストが一番の課題であるといえる。

次いで「事務手続きが煩雑で手間がかかる」(21.1%)、「アスベスト調査の手段やリソースがない」(1.6%)という結果になった。

Q4. 法改正への対応に向けた課題について、該当するものを全て選択してください。(N=128)

7割以上(73.6%)の工事会社がアスベスト調査会社との取引を持っている

現在、取引のあるアスベスト調査会社があるか質問したところ、7割以上(73.6%)が「ある」と回答し、多くの工事会社が外部の調査会社にアスベスト調査を委託していることが明らかになった。

Q5. 現在、取引のあるアスベスト調査会社はありますか?(N=193)

一検体あたりのコストは40,000円以上が約3割(28.9%)で最多

Q5.でアスベスト調査会社との取引が「ある」と回答した工事会社に、アスベスト定性分析にかかる一検体あたりのコストについて質問したところ、「40,000円以上」が約3割(28.9%)と最も多く、次いで「30,000円~39,999円」(26.1%)、「20,000円~29,999円」(15.5%)、「10,000円~19,999円」(12.7%)、「~9,999円」(0.7%)と続いた。

法改正後は、解体工事に伴うアスベスト調査のコストが工事会社や施主にとっての負担になりそうだ。

Q6. アスベスト定性分析(アスベスト有無及び種類の判定)にかかるコスト(一検体あたり単価)はいくらですか?(N=142)

アスベスト調査会社の価格に満足している工事会社は2割に届かず(16.2%)

Q5.でアスベスト調査会社との取引が「ある」と回答した工事会社に、アスベスト調査会社の価格に満足しているか聞いたところ、「非常に満足」(4.9%)、「満足」(11.3%)と、満足している工事会社は2割に届かず(16.2%)、コストに対する満足度が低いことが明らかになった。

次いで「どちらともいえない」(65.5%)、「不満」(14.8%)、「非常に不満」(3.5%)という結果に。7割以上が調査会社と取引がある一方で、コストに満足している工事会社は少ないといえる。

Q7. 価格に満足していますか?(N=142)

アスベスト調査の納期は6日~10日が4割以上(41.5%)

Q5.でアスベスト調査会社との取引が「ある」と回答した工事会社に、アスベスト定性分析の納期について聞いたところ、「6日~10日」が4割以上(41.5%)となり、最も多い回答だった。

以降、「3日~5日」(27.5%)、「11日~15日」(12.7%)、と続いた。6日~10日の納期が平均的であるといえそうだ。

Q8. アスベスト定性分析の納期は、どれくらいかかりますか?(N=142)

アスベスト調査会社の納期に満足している工事会社は約3割(29.2%)

Q5.でアスベスト調査会社との取引が「ある」と回答した工事会社に、アスベスト調査会社の納期に満足しているか聞いたところ、「非常に満足」(6.3%)、「満足」(23.9%)と約3割(29.2%)にとどまり、価格に続き納期についても満足している工事会社が少ないことが明らかになった。

次いで「どちらともいえない」(57.0%)、「不満」(12.0%)、「非常に不満」(0.7%)という結果になった。7割以上の工事会社が調査会社を頼る一方で、価格・納期ともに満足している工事会社が少ないという実態が浮き彫りになった。

Q9. 分析納期に満足していますか?(N=142)

社内にアスベスト調査士がいる工事会社は1割どまり(15.0%)

現在、社内にアスベスト調査士がいるか質問したところ、「いる」と回答した工事会社は1割どまり(15.0%)、これまではアスベスト調査を内製化する動きは鈍かったことが伺える。

Q10. 現在、社内にアスベスト調査士はいますか?(N=193)

アスベスト調査士養成のため、安く講座が受けられるサービスを求めている工事会社は約半数(46.1%)

大気汚染防止法の一部改正への対応で、求めるサービスについて聞いたところ、「アスベスト調査士養成のため、安く講座が受けられるサービスを提供してほしい」と回答した工事会社が約半数(46.1%)あり、一方で、「アスベスト調査会社を紹介してほしい」は約2割(17.1%)にとどまった。

これは、調査の「コスト」や「納期」という課題に対して、調査を内製化することによってコストを抑え、納期を最短化したい工事会社の狙いがあるためと考えられる。

今回の調査により、これまで外部の調査会社に頼っていた工事会社が、アスベスト調査を内製化させたいという顕在化してこなかったニーズを持っていることが浮き彫りとなった。

Q11. 大気汚染防止法改正への対応について、求めるサービスがあれば教えてください。該当するもの全てを選択してください。(N=193)

<調査概要>
・調査方法 :インターネットによる調査
・調査期間:2020年4月20日~4月24日
・調査対象:解体工事一括見積もりマッチングサービス「くらそうね」と提携する解体工事会社193社

出典元:株式会社クラッソーネ

構成/こじへい

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