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オフィスチェアにも応用!抗アレルゲン機能、抗ウイルス機能を備えたホンダ「N-BOX」「N-WGN」のシートの進化

2020.08.16

 オフィスチェアを製造/販売する内田洋行(“UHIDA”のマークが入っている椅子を見たことがある方も少なくないはず)がホンダのN-BOXやN-WGNに使用している『アレルクリーンプラス』生地を使ったオフィスチェアの発売を開始した。

 クルマのシートに触れる機会が豊富にある筆者にとってもホンダが2017年に登場したN BOXに採用されているシートの高機能/高性能ぶりには一目を置いていた。シートの構造の進化のみならず機能性に優れているからだ。

 読者の方もご想像がつくとおり、クルマのシートというのは炎天下の車内の高温、または体温によるシート温度の上昇、光線、乗降時に繰り返されることによる摩耗など幅広い対策/開発が行われている。話は少し逸れるがクルマのシートにはファブリック素材とレザーもしくはフェイクレザーなどが採用されている。小柄な筆者にとっては実はファブリック製のシートのほうが表皮が柔らかくサポート性にも優位であるため国内外のブランド問わずファブリックシートに対する評価には厳しく、近年では生地の進化もあり一層評価の高いシートが増えている印象がある。

 そんなファブリックシートが前述のような過酷な条件をクリアしているのは当たり前。一般的に“抗菌”には配慮されているものがほとんど、また抗アレルゲン機能を持つシートもホンダのみならず一部採用が始まっている。ところがN BOXやN-WGNが採用するシートは表皮に『アレルクリーンプラス』と呼ぶ、抗アレルゲン機能+抗ウイルス機能を新たに備えた生地を採用。アレルクリーン“プラス”はこの抗ウイルス機能がプラスされていることを意味するのだ。

 実は抗アレルギーシートは他メーカーに先に採用されてしまい悔しい思いがあったそうだ。そこでさらに高機能シートを開発したい。世界中どこのメーカーもまだ造ったことのないシート素材でお客様のカーライフを支えたい!と一層奮起して開発責任者はチームをリードしたそうだ。果たして目指したのは一年中様々なユーザーに役立つシートだった。アレルゲンとは、主に花粉とダニの糞や死骸。春先から花粉が、ダニは6-9月がピーク。一方、ウイルスは冬期がピークだと言われている。抗アレルゲンについては抗アレルゲン剤とアレルゲン物質が接触することによりアレルゲンのタンパク質の不活性化を促す。新たに加えられた抗ウイルスはインフルエンザA型などのウイルス感染への予防に繋がるという。

 活性化しているウイルスが口腔内に取り込まれてしまうと突起形状であるヘマゲルチニン(インフルエンザウイルスおよびそのた多くの細菌)がRNA(リボ核酸:生物の細胞にとって重要なタンパク質を造り出す働きを持つ成分)を核に転写することで増殖、感染。それを抗インフルエンザウイルス剤を吸着、接触することでウイルスのタンパク構造が変性され、不活性化。細胞内に侵入することを抑制できるのだそうだ。このような機能を持つ抗アレルゲン/抗ウイルス剤を布地に加工することでアレルゲンやウイルスの不活性化を狙う。

 内田洋行はこのような機能を持つ生地をオフィスチェアに採用。より快適なオフィスチェア開発を目指す同社は常に機能素材を探していたそうだ。ただしクルマのシートは立体裁断、オフィスチェアは一枚で張り込む製造方法、これまでとの生地の流通経路が違うこと、またこれまで同様に布を扱うとはいえ新たな設備工場探しが必要となり苦労したそうだ。

 しかしシートクロスの耐久性は期待以上だった。オフィスチェアでも最高級の素材にこだわる同社はスナッキング(引っ掻いたときに引っ張れてくる)やピリング(毛玉、擦れ)のないものを使う。ホンダが開発した『アレルクリーンプラス』生地を他製品と同様に10万回叩く試験を行いクリア。「オフィスチェアの性能と同等かそれ以上」と、内田洋行の担当者の方はおっしゃっていた。

 参考までにオフィスチェアは20年くらいは持つそうだが、一般的に8年くらいで交換する方も多いのだとか。同社の耐久性と快適性への追求はワーカーが8-10時間座りっぱなしで仕事をすることを想定。内田洋行のオフィスチェアは高い耐久性能を誇る。N-BOXのシートは遠くからみるとブラック系に見えるが近づけばキレイな模様が入るモダンなファブリックを採用している。「我々が扱う木目ともマッチするんじゃないかと思って良いなと思いました」と内田洋行の担当者。そう、N-BOXやN-WGNに採用するシート生地をそのまんま採用しているのだ。

 アレルクリーンプラスを採用したオフィスチェア/ミーティングチェアは5種類。今回の2社合同で行われたプレゼンテーションはCOVID-19の対策を取られた広々としたスペースにテーブルとFM-345(モデル)が用意されていた。これは折りたたみもできるミーティングチェアだ。折りたたみ機能を考慮すると収納性面で座面のフラットさや厚みを抑えたいという発想が生まれると想像する。

 が、座り心地は見た目の座面の厚さ以上。お尻に触れる感覚は柔らかいが体重をしっかりと支える重厚さが頼もしく、快適だった。これが新品だからというわけではないことは、前述の耐久性のお話からも容易に想像がつく。個人的に気になったのは座面や背もたれにより厚みを持たせた「Elfie」や「KRENE」というシリーズ。私の仕事場にも採り入れたいと思える高性能ぶりがうかがえた。クルマ好きなら一層好感を抱ける一脚ではないか。

 ところで現在はCOVID-19の対策もあり、今後はこれまで一部企業が採用していたというフリーアドレス化やワーク@ホームがますます進みそうだ。2012年から内田洋行が提唱するワーカー自らが仕事内容に応じて最適なワークシーンを選ぶ=この選択行動が個人の能力をより高める効果に繋がるという『アクティブコモン』という“働き方”にオフィスチェアの性能は重要だ。

 クルマもシート性能が大事。両社は同じ空間を扱う会社ではあるが、異業種。今回新たな接点が生まれプロダクトが世に送り出された背景には人が中心のクルマづくりを軸に置くホンダと、ワーカーが中心のオフィスづくりを提唱する内田洋行とに共通点を見いだせた結果だ。両社は今後もこういった協業の機会を大切にしていきたいというから、第二弾、第三弾が登場することを期待したい。

取材・文/飯田裕子(モータージャーナリスト)

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