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これがテレワーク導入の障壁?経営者や部長クラスの約半数が「メリットを感じていない」

2020.08.15

コロナ禍を契機にテレワークが定着してほしいと考えるビジネスパーソンは多いはず。一方で、経営者層はマネジメントの観点から導入に対して慎重になっている人も少なくなさそうだ。

そんな一般社員と経営者層のテレワークに対する考え方の違いが、Dropbox Japan株式会社によりこのほど実施された意識・実態調査によって明らかになった。

なお本調査は、日本国内のナレッジワーカー/企業・組織の有職者1,000名を対象として実施されている。

地域や業種でテレワーク導入状況に差、資料やファイル閲覧に課題感も

今回調査を実施した 2020年5月11から12日において、テレワークを行っていたのは回答者の約4割(40.2%)だった。導入率には地域や業種の差がみられ、地域別では関東(54.3%)、業種別には通信・情報サービス関連企業(62.3%)と突出している。

また、外資系企業と政府・公共機関ではいずれも半数強がテレワークを導入しているものの、外資系企業では週の半分以上からほぼ完全にリモートで働いている人が多いのに対して、政府・公共機関などでは週に2日以内の部分的な実施にとどまるという回答が多数となった。

さらに、テレワークを実施していない人の 54%が、テレワークできる業務が全くないと回答している。

図1:リモートワークの導入状況
(設問)あなたは現在、テレワーク・リモートワークを実施していますか。以下より最も近いものをお知らせください。(各単一回答)

図2:(テレワーク未実施の回答者に対して)あなたの勤務先でテレワークの活用を検討するとしたら、課題や障害となりそうな項目は何ですか。(複数回答)

一方、テレワーク実施上の困りごととしては、社外からのアクセスができない(しにくい)ファイルの閲覧、紙の資料の確認や押印作業が不便だった、そのために出社を要したという事情が挙げられた。特に60代と40代の回答者の約4割が紙の書類の確認に、また、20代の回答者の44.8%が、社外からアクセスできないファイルの閲覧に課題を感じていた。

また、リモートワークを週5回実施できている会社はあまり課題感がないのに比べて、週3日~4日程度のリモートワークを実施している会社に勤務している回答者の場合は、約45%が紙の書類の確認や社外か
らアクセスできないファイルの確認についてやむを得ず出社した経験があり課題感を持っている、という結果が出た。

図3:(設問)テレワーク実施期間中に以下の理由でやむを得ず出社した経験はありますか。(複数回答)

コロナ禍前後におけるオンライン会議導入率の変化

企業の会議・ミーティングをオンラインで実施している割合について、2019年10月に同条件で実施した調査(※1)と比較したところ、社内外に関わらず1~2割の増加傾向となった。

「専らオンラインで実施」しているという回答は増加、「専ら対面で実施」は減少という傾向にあり、オンライン会議がこの6カ月間でインフラとして浸透してきている一方で、対面主義から未だ脱却できていない現状も浮き彫りになっている。

なお、図3でも、「テレワーク中やむを得ず出社した経験」として「対面での会議」を挙げた部長~経営者クラスの回答者が 32.3%を占めた。

図4:オンライン・オフラインでの会議実施比率推移
(設問)会議・ミーティングについて、「オフライン(対面での会議)」と、「オンライン(テレビ会議、Web会議、電話会議)」での実施比率はどのようになっていますか。オフラインが何割くらいを占めるかでご回答ください。(各単一回答)

一方、オンライン会議時の期待としては、「会議終了後に議事録ができていること」「会議が終わった段階で何をいつまでにするか、To do リストやスケジュールができあがっていること」「誰のコメントや提案なのか、後でわかるようにしたい」「メールや共有フォルダに散在する関連資料を探す苦労から解放されたい」等に期待を持つ層が、いずれも7割を超えた。

項目によっては、前回の調査よりも10ポイント程度上昇しており、オンライン会議の実施比率の増加に伴い、オンライン会議の後のフォローアップの重要性についても期待が高まっていることが伺える。

図5:(設問)オンライン会議(テレビ会議、web 会議、電話会議)の際に、次のような機能に、どの程度期待感をお持ちになりますか。それぞれについて、ご回答ください。
*もし、ほとんどオンライン会議は利用されていない方でも、印象で結構ですのでご回答ください。(各単一回答)

完全在宅勤務者の3割以上が1日3時間以上時短されていると実感

テレワークの効果としては、特に長時間労働の是正(32.8%)やワークライフバランス(31.7%)といった点において期待が寄せられている。しかし、とくに経営者~部長クラスの48.9%は、テレワークのメリットを感じていないということがわかった。

一方、テレワークを実施する頻度が高いほど、在宅勤務による時間を有効活用できていると感じていることがわかった。具体的には、1日平均2時間以上有効に活用できていると回答した人は、週2日リモートワークを実施している人の43.5%、週3~4実施している人の58.2%、週5以上の人で65.7%という結果だった。また、週5日以上の層の35.8%が、リモートワークによって一日平均3時間以上は時間を有効活用できていると感じている。

図6:(設問)今後、在宅勤務を導入または継続する場合のメリットについて、あてはまる項目を以下からお選びください。(複数回答)

図7:在宅勤務の頻度と一日あたり有効活用できていると感じる時間
(設問) 在宅勤務を実施することで、一日平均何時間有効に活用できると感じていますか。(単一回答)

テレワーク環境の整備が、就職先の選択にも影響

自分が就業する会社を選択する際、在宅勤務環境の有無が影響するかという問いに対して、20 代の回答者の60.7%が影響すると答えている。また、通信・情報サービス業界の回答者では59.6%、すでにリモー
トワークを導入している層では63.2%と、同様に高い傾向がみられた。

図8:在宅勤務環境の有無が転職先の検討に及ぼす影響
(設問)今後ご自身が就業する会社を選択する際、在宅勤務環境の有無は検討に影響を及ぼすと思いますか。(単一回答)

回答者の約8割がパンデミック収束後もテレワーク体制整備を望む。まずはインフラ整備から

テレワークを実施している方の約8割が、パンデミック収束後もテレワーク体制の整備・強化を希望しているという結果になった。

具体的な改善を望む点としては、PCなどのデバイス支給、社内資料への安全かつ便利なアクセス環境の整備そして、承認プロセスの可視化といった、インフラ整備に係るものが主となった。また、特に20代や政府・公共機関勤務者が多くの改善点を指摘している。

図9:(設問)今回の新型コロナウイルス感染症の大流行(パンデミック)が収束した後も、在宅勤務の体制整備や強化をあなたの勤務先に望みますか。(単一回答)

一般社団法人日本テレワーク協会、事務局長の村田瑞枝氏は次のように述べている。

「テレワークの実施経験がある方ほどテレワークのメリットや効果を実感していただけたことは嬉しい結果です。従来より、『テレワーク推進のためには”粘土層:古い価値観に固執して 新しい発想に慎重になっている層(上からの水を下に通さない)” や ”岩盤層:自らの考えに固執して決してそれを曲げない層”の意識改革が重要』と認識しており、経営者~部長クラスの方に本来の意味でのテレワークを実体験していただき、メリットを認識していただくことが次のステップになると考えています。テレワーク時代の管理職には離れた場所で働く部下たちの自律や成長を促し、チームの成果を上げることが期待され、部下が自助自走できるよう部下の力を引き出し、育てるマネジメントが求められています」

Dropbox Japanの代表取締役社長、五十嵐光喜氏は次のように述べている。

「パンデミックを受けて、ほぼ全ての企業が事業継続のためにテレワークを体現することとなりました。今回の調査では、調査対象をナッレジワーカーの有識者に絞っているなか、“テレワークできる業務が全くない"、と回答した方々が半数以上を占めたこと、そして、経営者~部長クラスの約半数がテレワークのメリットを感じてないなど、驚きの結果となりました。7月に経済財政諮問会議から『骨太の方針』が出されましたが、この中でこの1年をデジタル化をすすめる集中改革期間として『テレワークに数値目標』を定めるとありました。『Nice to have から Must have』へと舵が切られ、かつ、“今やるべき”と宣言されたことになります。弊社の顧客企業の中には、新たな発想やプロセス、ツールのもと在宅勤務体制を整備し、従業員のワークライフバランスを保ちつつ生産性を確保している好事例があります。Dropbox Japan では、日本および世界からの様々な現場事例をご紹介し、お客様の生産性向上環境構築に引き続き尽力してまいります」

<調査概要>
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:全国
調査対象者:22歳~69歳男女。職業はナレッジワーカーの有職者(製造業、運輸業の一般職は除く)
サンプル数:1,000サンプル
調査機関: 2020年4月24日~2020年5月12日(スクリーニング調査)
2020年5月11日~2020年5月12日(本調査)

出典元:Dropbox Japan株式会社

構成/こじへい

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