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ついに全線開通!地元の人たちに笑顔を届けた阿蘇の地を駆け抜けるJR九州豊肥本線

2020.08.16

先の豪雨災害などの報道が続いていた九州の鉄道から8月8日、明るい話題が届いた。酷暑の折りにもさわやかな風が吹き渡る、阿蘇の地を駆け抜けるJR九州豊肥本線が、4年4か月ぶりに熊本地震の被害から立ち直り、全線で運転を再開したのだ。

また、同日からは新しい運行形態となった観光列車特急「あそぼーい!」や、阿蘇観光に便利な特急「あそ」が新設。そんな豊肥本線の魅力を運転再開当日の模様といっしょにお伝えします!

8月8日運転再開初日レポート

2016年4月14日に発生した熊本地震は各所に大きな被害を残したが、JR九州豊肥本線においても線路の歪みなどの被害が随所に発生。それ以上に立野地区で発生した大規模な斜面崩落の被害は甚大で、国道横にかかる阿蘇大橋は谷底に崩落し、その横を走る豊肥本線も大量の土砂の中に埋れた。

その後、大雨により、今度は別な斜面が崩落。「正直、本当に復旧できるのか」と関係者が語るほどの被害だった。しかし、熊本県とJR、多くの人たちの尽力により、豊肥本線は全線で運転再開を果たした。

2020年8月8日、阿蘇方面に向かう運転再開1番列車をスイッチバックの丘で撮影。たくさんの人が思いを噛みしめて見守った。

運転再開当日の早朝。立野の丘の上に立っていると、始発列車が阿蘇方面から山を降りてきた。

立野には熊本から阿蘇へ登るために急勾配を行ったり来たりして登っていく、「スイッチバック」がある。これは豊肥本線最大の見所のひとつだ。

まだ夜の余韻が少し残る中、時刻通りにスイッチバックを列車が走る。4年間途絶えていた"鉄道のある日常"が再び始まった瞬間だ。

立野駅では熊本方面からやってきた列車と交換し、今度は阿蘇に向けてエンジンを吹かせながら力強く勾配を登っていく、阿蘇方面行きの始発列車がやってきた。車内にはこの復旧を待ちわびた多くの人たちが乗りこんでいた。

さて、豊肥本線にはJR九州の顔ともいえる観光列車、「D&S列車」である特急「あそぼーい!」号が運転されている。熊本地震以前は熊本〜宮地間で運転されていたが、今後は熊本から別府まで豊肥本線全線を走破するルートに変更されて運転再開されることになった。

8月8日は熊本駅でこの「あそぼーい!」別府行きの初列車に合わせて出発式が行われたほか、立野駅でも地元の保育園児たちによるお出迎え、ホームでの太鼓演奏や南阿蘇エイサー隊の力強い踊りで、「あそぼーい!」の運転再開をお祝いした。

立野駅では「あそぼーい!」の到着に合わせて、お出迎えの準備。みんなで手作りの旗を持ってスタンバイ!

立野駅に「あそぼーい!」が帰ってきた!

乗客を歓迎する横断幕も!

力いっぱいエイサーを踊って運行再開をお祝いだ。

豊肥本線ってこんな路線!

豊肥本線は熊本駅と大分駅を結ぶ約148kmの鉄道路線だ。九州を横断するように走っており、沿線には人気の高い観光地「阿蘇」があり、立野のスイッチバックや九州の山中を行くその車窓は美しく、魅力あふれる路線となっている。

熊本の空の玄関口である「阿蘇くまもと空港」も豊肥本線の肥後大津駅から車で15分と至近距離にある。そのため、一度熊本市内にリムジンバスで出なくとも、肥後大津駅から豊肥本線の旅を始められる。空港と肥後大津駅の間には無料のジャンボタクシーが運行されているのも嬉しいポイントだ!

豊肥本線は肥後大津駅〜大分駅の間は「電車」ではなく「ディーゼル車」が運行されている。「ゴロゴロゴロ……」というエンジン音をBGMに、旅情満点の列車旅を楽しむことができる。

立野駅では南阿蘇鉄道と接続しており、湧水の里である南阿蘇エリアへアクセスすることができたが、南阿蘇鉄道も現在では熊本地震の影響で中松〜高森間のみの運転となっている。こちらも2023年夏の運転再開を目指して現在奮闘中だ。

JRの駅に並ぶようにある南阿蘇鉄道のホーム。こちらの運転再開はもう少し先だが、とても楽しみ。

南阿蘇鉄道といえばトロッコ列車が名物だが、このトロッコ列車はまだ立野駅にはこないものの、土休日を中心に運転を再開している中松〜高森間で運転されているので、こちらもぜひ楽しんでほしい。

立野駅から南阿蘇鉄道鉄道へはバスが出ているのでこちらを利用してアクセスしよう。バスの時刻はこちらトロッコ列車など南阿蘇鉄道についてはこちら

南阿蘇鉄道のトロッコ列車。オープンエアが心地いい!

立野からは豊肥本線最大の見所といえる、「スイッチバック」で方向転換をしながら、急勾配を登っていく。JR九州の中でもトップクラスの急坂をゆっくりと登って阿蘇エリアに入ると、これまでの風景や空気とは異なり、高地のさわやかな風が吹き渡る。熊本から向かうと進行方向右手に阿蘇山が見えるぞ。

阿蘇駅、宮地駅を超えると今度は九州の山地を越える迫力の車窓が楽しめる。特に必見なのが豊後清川〜三重町間にある、奥岳川にかかる鉄橋だ! この鉄橋を渡り切るとなんと岩壁に突っ込むようにトンネルに入るという大迫力の展開が楽しめる。

雄大な阿蘇山の横を走る豊肥本線。

豊後竹田〜朝地間にある登録有形文化財の「笹無田水路橋」。そのすぐ横を豊肥本線が駆け抜ける。

豊後清川〜三重町では列車が断崖絶壁のトンネルに入る大迫力の光景が見られる!

乗って楽しい「D&S列車」

豊肥本線でおすすめなのが、観光列車であるD&S列車、「あそぼーい!」だ。熊本〜別府間を土休日を中心に一往復運転されている。

熊本を9時09分に出発し、別府には12時32分に到着する。折り返しは15時12分に別府を出発し、熊本に18時29分に戻ってくる。

車体にはかわいらしいオリジナルキャラクターの「くろちゃん」が描かれており、車両両端にはワイドな「全面展望」が楽しめるパノラマシートを設置。ほかにも車内販売が行われる「くろカフェ」や窓側が常に子ども用の小柄な席になるようになっている「白いくろちゃんシート」など、親子で楽しめる工夫がもりだくさん!

現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一部施設が使用できないが、豊肥本線を楽しむならおすすめの特急列車だ。

「あそぼーい!」は全席指定の特急列車のため、あらかじめ乗車券のほか、特急券を駅のみどりの窓口等で購入しておこう。

「あそぼーい!」について詳しくはこちら

豊肥本線を走るD&S列車 特急「あそぼーい!」。D&Sは「デザイン&ストーリー」の意味。

こうして鉄道はつながる

最後にこんなエピソードをご紹介したい。立野で運転再開の初列車を撮影したのち移動していると、付近の踏切である家族に出会った。早朝から熱心にカメラを持って娘さんと一緒に立野のスイッチバックを行き交う列車へ手を振っていた木場さんファミリーだ。お父さんにお話を聞くと「娘に僕の仕事の成果を見せたくて」とひと言。

こちらの木場さん、この立野地区で豊肥本線の復旧工事に従事されていたそう。

「娘が生まれたころから単身赴任でここの地域の復興工事に携わってきました。もちろん、娘と離れていたのは寂しかったですよ(笑) 

でも、この地域の人たちが本当に応援してくれました。道などで地元の方に挨拶すると、『こんにちは』、ではなく、『ありがとう』という言葉を返してくれました。今日はこの運行再開という悲願の日に娘にお父さんの頑張った成果を見せたくてやってきました」。

立野と豊肥本線の復旧に従事された木場さん。寂しかった日々はご家族も同じ思い。この日、その日々が報われただろうか。

鉄道は多くの思いを乗せて走っている。

お父さんの大きな腕に抱かれた娘さんは、立野の鉄路を行き交う列車たちに「きをつけてねー!」と大きな声で手を振っていた。

地元の人、JR、県、そしてこうして線路を再び繋いだ多くの人の思いが叶い、豊肥本線の日々が再び始まった。

現在開催中の豊肥本線スイッチオンキャンペーンについてはこちらもチェックしてみよう!

取材・文/村上悠太

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