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妊娠中の農薬の摂取が自閉症スペクトラム障害などの神経発達障害に起因する可能性、千葉大学研究報告

2020.08.21

ASDは代表的な神経発達障害だが、その病因は未だ明らかにされていない。

一方で、多くの疫学研究から、環境要因(農薬等の環境化学物質など)がASDの発症に寄与している可能性が指摘されている。

今回、千葉大学社会精神保健教育研究センターの橋本謙二 教授(神経科学)、大学院医学薬学府博士課程3年の蒲垚宇 氏らは、妊娠中の農薬グリホサートの摂取が、子どもの自閉症スペクトラム障害などの神経発達障害の病因に関係している可能性があることを示した。

妊娠中の農薬の摂取が、子どもの自閉症の発症に影響か

研究チームは、グリホサートを妊娠マウスに飲料水として与えた動物モデルを用いて、下記の実験を行った。

その結果から、妊娠中の農薬の摂取が、子どものASDの発症に関係している可能性が示唆されたほか、多価不飽和脂肪酸の代謝に関わる可溶性エポキシド加水分解酵素の異常が、ASD様の行動異常の発生に重要な役割を果たしていることも明らかに。

グリホサートの構造式

1.    農薬を含む水を飲ませた妊娠マウスから生まれた仔マウス(以下、母体暴露群)の行動異常

-      妊娠マウスにグリホサートを含む水を離乳期(生後21日)まで与えると、生まれた仔マウスがASD様の行動異常(社会性相互作用の障害など)を示した。

2.    母体暴露群と、通常の水を与えた妊娠マウスから生まれた仔マウス(以下、コントロール群)との比較結果

-      母体暴露群の腸内細菌叢はコントロール群と比較して乱れていた。

図2

-      母体暴露群の前頭皮質のsEHの発現はコントロール群と比較して有意に高く(図2)、同部位におけるエポキシ不飽和脂肪酸の量は有意に低下した。

3.     sEH を阻害することによる行動異常の抑制効果

-      妊娠マウスへ sEH 阻害薬※5TPPUを妊娠期から離乳期まで投与すると、母体暴露群のASD様の行動異常が抑制された。

実験で用いたグリホサートは高濃度(0.098%)であるため、結果からヒトでの妊婦のグリホサートの摂取が、子どもにASDを引き起こすという結論は導き出せない。

しかし、グリホサートなどの農薬は、残留農薬として輸入小麦等に混入している可能性が指摘されており、食事として摂取している可能性がある。

農薬の母体暴露と子どものASD発症との関連については、今後、妊婦を対象とした大規模な追跡研究を実施する必要があると考えられる。

たとえば、妊婦の血液や尿中のグリホサート等の農薬の濃度測定と、生まれた子どもの追跡調査(ASD発症率など)を実施することで、ASDの病因に農薬の母体暴露が関係しているかが明らかになると考えられる。

論文情報

・論文タイトル:Maternal glyphosate exposure causes autism-like behaviors in offspring through increased expression of soluble epoxide hydrolase.

・雑誌名:Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America

構成/ino.

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