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中国人民銀行が本格導入を進める「デジタル人民元」発行の狙い

2020.08.11

中国人民銀行が発行する『デジタル人民元』の本格導入に向けた試験運用が始まっている。そんな注目の『デジタル人民元』について三井住友DSアセットマネジメントがマーケットレポートを公開したので紹介しよう。

中銀デジタル通貨(CBDC、中央銀行が発行するデジタル通貨)は、2019年以降スウェーデンなどでも試験運用が進められているが、『デジタル人民元』が実用化されれば主要国で初めての中銀デジタル通貨となるため、その影響が議論されている。中国は2022年2月までに『デジタル人民元』を発行すべく着々と準備を進めている。

中国人民銀行(中央銀行)が発行する「デジタル人民元」

中国人民銀行は深セン市、雄安新区、蘇州市、成都市、北京冬季五輪の開催地となる北京市の会場周辺地域で『デジタル人民元』の実用化に向けた試験運用を進めている。

同行の易綱総裁のインタビューによると、2022年2月の北京冬季五輪に向けて『デジタル人民元』を発行する方針と見られる。

デジタル通貨では米フェイスブックが2019年に発表した「リブラ(Libra)」構想が広く知られているが、各国の金融政策の有効性低下やマネーロンダリングに対する懸念などの問題や国際的な批判が多く、発行には至っていない。

一方、国の中央銀行が発行するものとしては、スウェーデンの「eクローナ」やカンボジアの「バコン」などの試験運用が進められているが、主要国としては『デジタル人民元』が初めてと言える。

各国も中銀デジタル通貨の検討を本格化

デジタル通貨が現実味を帯びてきた背景としては、ブロックチェーン技術の開発、国際的なプラットフォーマー(ビジネスの「基盤」となるシステムやサービスを提供する事業者)の誕生といった環境要因と、国際社会における米国の緩やかな地位低下という構造要因が指摘されている。

これまで中銀デジタル通貨については、基軸通貨国である米国をはじめ各国では総じて慎重な姿勢が示されてきた。しかし、『デジタル人民元』の試験運用が進められる中、他の主要国も中銀デジタル通貨を検討する方向に転じ始めている。

各国の思惑と技術の進歩により通貨のデジタル化は進もう

『デジタル人民元』は、基軸通貨国である米国の影響を排除し、国際化が遅れる人民元をデジタル通貨で国際化することが狙いではないかとも見られている。

当面は国内決済での使用が想定されているが、中長期的に中国が推進する「一帯一路」構想の国・地域に『デジタル人民元』の利用が広がることも考えられる。

デジタル通貨は全ての決裁がデジタル情報で完結するため利便性やコストの低さは圧倒的。コロナ禍で非接触型のサービスが要求される環境も追い風。今後IT技術が一層進むと見込まれる中、本格化する各国の中銀デジタル通貨の取り組みが注目される。
※個別銘柄に言及しているが、当該銘柄を推奨するものではない。

関連情報:https://www.smd-am.co.jp/

構成/DIME編集部

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