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ドコモに音声通話の卸料金値下げを要求した総務省、日本の通信料金は本当に高いのか?

2020.08.13

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は音声通話の卸料金値下げを要求した総務省が掲げる「日本の通信料金が高い」という問題について議論します。

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日本のモバイル通信は料金はまぁまぁ、品質は高い

房野氏:日本通信の電話かけ放題プラン「合理的かけほプラン」は、総務大臣裁定がキーになったとのことですが、これについて、総務省としてはどう考えていると思いますか?

日本通信の「合理的かけほプラン」

高市早苗総務大臣・内閣府特命担当大臣

房野氏

石川氏:総務省としては楽天モバイルに期待したけれど、それがいまいちだから「MVNOにがんばってもらわなきゃな」という感じになっているんだと思います。

石川氏

石野氏:最近、そんな感じがしますよね。

石野氏

房野氏:日本は携帯電話料金が高いという総務省の調査結果(「電気通信サービスに係る内外価格差調査」)も、また出ましたね。

法林氏:携帯電話料金については、国会議員の人たちが菅官房長官に「通信料金の国民負担引き下げに向けた提言」を出して、「ケータイWatch」という媒体に、その提言をした人たちのインタビュー記事が掲載されました。僕もインタビューに同席していたんですが、元総務副大臣の坂井学衆院議員がしきりに言っていたのが「指標がない」ということ。料金って何か、そういう話がようやく出てきた。議員さんの中にもわかる人がいる。でも全然わかっていない人が多い。坂井さんは総務副大臣をやっていたので、そういう意味ではわかる人がやっていたから良かった。

 総務省の中の人たちの感覚が、必ずしもユーザーの感覚と合っていない。この座談会でもよく話が出るように「ドイツ行ってベルリンから地方まで電車で移動したけれど、その間ずっと、スマホが2Gでしかつながらなかった」とか、そういう話は当たり前のようにあるのに、それにすら全然耳を貸さない状態だった。それが今回(の提言で)は、エリアや品質に言及している。料金を比較しているけど、各社の料金の何を比較しているのかということを、ちゃんとしないといけないよね、という話になってきたので、そこは大きかった。

菅 義偉内閣官房長官 沖縄基地負担軽減担当・拉致問題担当大臣

法林氏

石川氏:先日、ICT総研が調査データ(「2020年 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」)を出して、有識者会議のメンバーでもある野村総研の北さんが反応していましたが、それは世界6か国を比較していて、単に通信料金だけでなくて、通信品質、4Gの接続率とデータ通信速度も比較しています。

石野氏:Opensignalというイギリスの調査会社のデータを使っている。料金との相関関係を見ていて、日本は料金は高いけど満足度も高い、という結果でした。まぁまぁ高いけど、品質も高い。Opensignalのデータはキャリアもたまに使っていますね。

法林氏:Opensignalは独自で各国のネットワークの品質を調査している。日本の調査もしていて、4月に調査結果を公表した。

房野氏:その調査の資金は各国が出したりするんですか?

石野氏:いや、Opensignalは民間会社です。ただ、クアルコムの系列会社の資本とかも入っていますね。

法林氏:いろんな会社の資本が入っている。調査の指標にしてもらって、データを買ってもらう。いわゆる民間の調査会社、MM総研などと同じです。その通信、モバイル版といったところ。

石野氏:スピードテストアプリも出していますね。

石川氏:それによると、日本は料金的にはヨーロッパよりは高いけれど、アメリカ、韓国よりも安い。世界的に見ると真ん中。通信品質は韓国と並んで日本は良いということで、品質は高くて料金はそこそこという評価になっています。

房野氏:それってコスパがいいということですね。

法林氏:全然問題はないんですよ。以前から僕らが言っていたように、総務省の内外価格差調査については「それで比較しても意味がないんじゃないか」という話。

石野氏:総務省の内外価格差調査は数年おきに出ていますけど、あれってどうなんでしょうかね。

石川氏:大手キャリアの安い料金プランで比較するのと、シェアトップのキャリアで比較するのがあるけれど、それだとどうしても日本はドコモの料金が引用されるので高めに出てくる。

石野氏:しかも、シェアトップというだけで、その割合はまったく考慮されていない。例えばキャリアのシェアが40%、30%、30%という割合だとすると、上位40%を除く2社を合計した60%ものデータが無視されることになる。統計的にも、国が発表するデータとしても、ちょっとどうかなと思う。

石川氏:わかっていない感じがする。

法林氏:今は国に周波数をいただいて、モバイルネットワークサービスを献上している状態になっている。でも、周波数は国のものじゃない。国民のものです。だから料金を下げた方がいいのは絶対だけど、国の命令で下げるものではないと言い続けてきた。そのための競争をどうやって作るのか。そう言い始めたのはMNPが始まる頃からだから、15年以上やっているのに、この有様。1度評価軸を変えて、やり方を変えていただいた方がいいと思う。

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