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日本通信が月額2480円プランを導入、格安スマホの「無制限で使い放題」は本当に使えるのか?

2020.08.12

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は無制限プランは格安スマホユーザーにとって本当に無制限で使い放題になっているか? 議論します。

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日本通信の「合理的かけほプラン」とは?

房野氏:日本通信が、通話し放題、データ通信容量3GBで月額2480円の「合理的かけほプラン」を発表しました。どう思われましたか?

日本通信株式会社 代表取締役社長 福田尚久氏

房野氏

石野氏:日本通信は、この件をすごくアピールしたがっているように見えました。総務大臣の裁定が出て、日本通信が音声通話を値下げしたプランを出しそうだという流れになってきた時に、話を聞かせてくださいと日本通信の福田さん(日本通信 代表取締役社長 福田尚久氏)へ取材をお願いしたら、すぐにインタビューがセッティングされましたし(笑)。「(ドコモとは)こういう合意内容です」という話を聞いて、なるほどと思ったその翌日にドコモの吉澤社長のインタビューをさせていただいたんです。

 福田さんのインタビューで得た回答を吉澤さんへ質問したところ、回答にちょっと相違があった。吉澤さんは「合意事項には、(音声通話の)卸価格を下げるのと同時に、代替性が認められればプレフィックス(電話番号の前に識別コードをつけ、別の事業者を経由することで通話料を下げるサービスのこと)を使った通話でもいいと書いてある。ウチはプレフィックスでいく。日本通信にもご理解いただきたい」と断言していたんです。おいおい、双方で話が全然まとまっていないじゃん、という感じでまだバチバチしている。外から見ている方としては面白いですけど(笑)

 その後に、もう1度福田さんにインタビューする機会があって、今度は吉澤さんのコメントを福田さんに質問したところ、福田さんは「いやいや、プレフィックスを使った通話はあくまで将来の話であり、それができるまでは卸価格を下げるというのが合意内容。仮に将来、プレフィックス通話ができたとしても、それに納得できず、合理的な理由がなければ従う必要はない」ということでした。

 時系列が複雑で、互いの主張が乱れ飛び、みたいな状態。僕はドコモと日本通信の間のメッセンジャー役でした(笑)。ということで、通話料が値下げされることはされるんですけど、まだ完全合意に至っていないところがある。もしドコモがゴネまくったら、日本通信は大変なことになっちゃいますが、果たして……。

株式会社NTTドコモ 代表取締役社長 吉澤 和弘氏

石野氏

石川氏:これまで日本通信とドコモはずっと交渉していたけれど、話がまとまらなかったから総務大臣裁定が出たというのが今回のキモです。それで「ドコモはアクセスチャージ(接続料)を値下げしなさい」という話になっています。

 接続料は今まで30秒14円という設定。大手キャリアは30秒20円という料金でユーザーに音声通話を提供していて、MVNOも30秒20円で提供している。MVNOはこのルールでキャリアから借りるしか方法がないので、かけ放題プランをなかなか提供できなかった。ただ裏技的に、中継事業者という別の会社の回線を通過させることで通話料を安くすることができる。それによって、5分とか10分のかけ放題が提供されています。

 でも日本通信がいうには、とにかく電話のかけ放題がないと、ユーザーがMVNOを選んでくれない。どんなにデータ通信料が安くなっても、電話をたくさんかけたら料金は高くなる。また、店頭で「携帯電話料金が絶対安くなる」と言い切れないと。電話をたくさんかけたら、料金は大手キャリアよりも高くなるので。

 福田さんが試算するには、5分、10分のかけ放題を含め、かけ放題を契約している人は8000万人くらいだそうです。ドコモのかけ放題の契約数は、2、3年ほど前に約4500万というデータがあるので、3キャリアを合わせてそれくらいという試算。そうすると、多くの人はMVNOに移行すると料金が高くなってしまうという話になる。

 日本通信がいうには、ドコモと交渉することによって、30秒14円という設定が30秒数円になるだろうと。実際の値段は今年12月までの間に決まるんですが、日本通信は数円の安い設定になるだろうと見越して、見切り発車的に今回、2480円の「合理的かけほプラン」を発表した。こういう話です。

 ここからは石川 温の計算になるんですが、日本通信は追加のデータ容量を1GB 250円で売ります。合理的かけほプランには3GB付いているので、かける3GBで750円。2480円から3GB分の750円を引くと1730円になる。もし接続料が安くなって30秒5円になったとすると、1分10円の接続料が発生する。1730円だと173分(2時間53分)通話できる。173分以上ユーザーに電話されると日本通信は赤字になる、という単純な計算が成り立ちます。

 日本通信は、ユーザーは1か月に3時間強くらい電話するという計算をしているらしいので、たくさんユーザーを集めて、あまり電話しないユーザーが集まれば、うまく運営できるんじゃないかという計算が成り立つ。なので、日本通信としては、できるだけ接続料を安くしてもらう必要がある。5円じゃなくて、4円、3円にしてもらうことが条件になるし、あまり電話をかけないユーザーを集めることが重要になる。

高市早苗総務大臣・内閣府特命担当大臣

石川氏

石野氏:逆に、たくさん電話するユーザーに集まられると、一気に破綻してしまう可能性もある。

石川氏:そう、見切り発車したという感じ。

石野氏:結構、ギャンブルですよね。リスクが高いなと思った。見切り発車なんですけど、決まった金額を大臣裁定の日に遡って精算するというルールがあるので、12月までにいかに日本通信のいう「原価」をドコモに認めさせるかがポイントになる。その上で、さらに電話のヘビーユーザー以外のユーザーを多く集めないといけないので、結構ギャンブルという感じがしますよね。

石川氏:めちゃくちゃ電話をかけるユーザーが大量に集まるとヤバいことになる。

石野氏:その歯止めとなるように、一応、データの3GBを強制的に付けて、ちょっと高めにしているのかなという感じですね。

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