
「中途採用比率の義務化」について、企業にメリットはあるのか?
近年、「日本の終身雇用制度」は、大きく揺らぎ始めている。
外資系企業では従来より成果主義の文化が根強いため、年齢や転職回数で判断されることが少なく、能力のある人がそれを活かせる環境で働くというモデルが成り立っている。
このような文化的背景の違いから、現在外資系企業の中途採用比率が日系企業より高いのは必然だろう。
日本は今ようやく、海外企業の採用に追いつくための動きを取り始めたと言える。
そんな中エンワールド・ジャパンは、厚生労働省が発表した「中途採用比率の公表義務化」についてアンケートを実施した。
中途採用比率、外資系企業は「90%以上」
現在の中途採用比率を伺ったところ、外資系企業は「90%以上」が最多で52%、日系企業は「50~69%」が最多で30%。中途採用比率が50%を超えている企業は、外資系企業で79%、日系企業で62%となり、外資系企業の中途採用比率の高さがわかる。
現在の中途社員採用比率は何%ですか。
「中途採用比率の公表義務化」企業の認知度は2割弱
厚生労働省が発表した「中途採用比率の公表義務化」(2021年4月施行開始予定、従業員301人以上の企業対象)について知っているか伺ったところ、「知っている」と回答した企業は2割弱。(全体/外資系企業:20%、日系企業:14%、従業員301人以上の企業/同:21%、17%)
厚生労働省が定めた「中途採用比率の公表義務化」 (2021年4月施行開始予定、従業員301人以上の企業対象) について知っていますか。
15%が「中途採用比率の公表義務化」は企業にメリットがあると回答
「中途採用比率の公表義務化」は、企業にメリットがあると思うか伺うと「ある」と回答した企業は15%に留まった。(外資系企業:14%、日系企業:16%)「分からない」と回答した企業が最も多く、約6割だった。(同:58%、59%)
企業にメリットが「ある」と回答した企業にどの様なメリットがあると思うか伺うと、第1位は外資系企業で「求職者が転職先を探す際の、公平な情報提供の機会となる。」(同:80%、33%)、 日系企業で「求職者の応募を集めやすくなる」(同:50%、67%)。
「中途採用比率の義務化」について、企業にメリットはあると思いますか。
求職者に「メリットがある」と回答した企業は4割強
「中途採用比率の公表義務化」は、求職者にメリットがあると思うか伺うと、「ある」と回答した企業は4割強。(外資系企業:42%、日系企業:46%)現時点では「中途採用比率の公表義務化」は、企業より求職者にメリットがあると考えている、企業が多いことが推察できる。
求職者にメリットが「ある」と回答した企業にどの様なメリットがあると思うか伺うと、第1位は外資系企業、日系企業ともに「転職の際に企業の体質を比較しやすくなる」となり、約8割が回答した。(同:79%、71%)
「中途採用比率の義務化」について、求職者にメリットはあると思いますか。
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
調査実施期間:2020年3月26日~3月30日
有効回答数:企業:113社 転職サービス登録者:1,275名
回答者属性:企業/外資系企業:65%、日系企業:35%
転職サービス登録者/外資系企業社員:46%、日系企業社員:54%
構成/ino.