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オンラインイベント「マンガでわかるブロックチェーンのトリセツ ももりの補講」レポート

2020.08.09

 ブロックチェーンが社会のどのようなシーンで活躍するのだろうか。実際に手を動かしているプロたちの話を聞けば、活路が見いだせるはず。とりわけ「Withコロナ時代」として増々デジタル化が加速していく社会では、ブロックチェーンの仕組みや実装の考え方が、我々の暮らしをより良くしてくれる可能性を秘めている。

 8月4日に開催されたオンラインイベント「マンガでわかるブロックチェーンのトリセツ ももりの補講」では、ブロックチェーン入門書「マンガでわかるブロックチェーンのトリセツ」の著者でアステリア社の森 一弥さんや、本書の中で取り上げた事例に関係する有識者が登壇。

 ブロックチェーンの社会実装を目指して日々切磋琢磨する彼らの生の声を聞きながら、ブロックチェーンの基本や活用事例について学べる貴重なオンラインイベントだった。

 本記事ではそんなオンラインイベントで、筆者が特に興味深いと感じたポイントを中心紹介しよう。

■関連リンク一覧

 イベント動画は以下のリンクから視聴できる。ここで紹介した話題以外でも興味深く、初心者でも難なく理解できる話題がたくさんあるので未だ見ていない人は今すぐ観て欲しい。またイベント概要やブロックチェーンの基本について知りたい人もそれぞれの記事に目を通して欲しい。

イベント動画はこちら

イベントの概要や登壇者の略歴はこちら

本書の内容と連動したブロックチェーンの基本はこちら

Withコロナ時代でブロックチェーンは社会機能の分散化や価値の正当な評価に貢献する

 Withコロナ時代のブロックチェーンの使いみちはどのようなものがあるだろうか。イベント中でも話題に上がったが、社会全体が興味を持つ話題だろう。

 そもそもWithコロナ時代では、人々が対面で接する機会が減り、仕事は自宅や専用のオフィスで行う人が増える。ショッピングの需要はオンラインが主流になっていく。

 一言でいうとビジネスの機能や公共サービスの機能が「分散化」されていく時代になるはずだ。その分散化に貢献するのがブロックチェーン技術と言えるのではないだろうか。

 登壇者の一人で、有機野菜の生産履歴をブロックチェーンに書き込むことで消費者の安心と付加価値の向上を目指すプロジェクトを手がけた電通の鈴木 淳一さんはこう語る。

「機能を集約していた都市や企業が分散化していく社会構造では、その組織で働く従業員がブランド化されていくだろう。『キャリア権』ともいうべき権利で、過去の実績や職歴などを正当に評価しインセンティブを受け取れるようになる。」(鈴木)

オンラインイベント動画より編集部でキャプチャ(以下、同)

 消費者の目線では中央管理での情報流通から、協力者による横断型の情報流通になり「共感」がキーワードになると、鈴木さんは登壇中に述べている。鈴木さんはさらに「インフルエンサー」の機能や、Web2.0からWeb3.0へと変わっていくインターネット環境についても深い知見を述べていて他の登壇者も興味深そうに聞き入っていた。

 また鈴木さんは「AIや音声技術、光学技術の発達により、リモートワークしながらでも、近くに仕事仲間がいるかのように感じて仕事ができるようになる」とブロックチェーンに関連する技術の進歩で、そもそも働く環境がよりオフィスの臨場感を醸してくれることも期待していた。

ブロックチェーンで実現できるトレーサビリティが「価値の正当な評価」を実現するカギ

 そもそもブロックチェーンは「分散台帳」と呼ばれる技術の一つで、データを多数のサーバーにコピーして管理することで、どこかのサーバーが故障したとしても、データを保持し続けられる。また一度記録したデータは改ざんが事実上不可である一方、記録した順に取り出して確認することができる。

■データを多数のサーバー(ノード)で持ち合う技術に「P2P(ピア・ツー・ピア)」というものがあり、ブロックチェーンでもこの技術が使われている。

 また記録した順にデータを取り出して確認することを「トレーサビリティ」という。従来のデータベースに記録してトレーサビリティを実現することもできるのだが、ブロックチェーンを使うと、データの管理者が存在せず、改ざんも難しいためより合理的にトレーサビリティの実現が可能になる。

 このトレーサビリティのおかげで、有機野菜を生産する農家から、販売するスーパーマーケットまでどんな経路を辿って自分の口に入ったのかがわかる。言い換えると健康志向で有機野菜を求める人が、正しく有機野菜の価値を確認できることになる。

■トレーサビリティの例示。生産者の流通経路の登録はタブレット端末で行い流通経路が地図上にマッピングされる

■消費者の価値観が多様化して新たな価値の評価軸が求められており評価の要素の1つとしてトレーサビリティが使える

 そしてトレーサビリティに関しては、ビジネスパーソンのキャリアの来歴も同じ。履歴書・職務経歴書に書いた情報だけでは信憑性に劣ってしまうが、ブロックチェーンに仕事の履歴やアウトプットを記録しておけば、信憑性があがり、正しくキャリアを評価してもらえることにつながる。仮に嘘の情報を書いてしまうとそれが嘘だと指摘する人が出てくるし、記録する情報はいつ誰が記録したかがわかるので、正しい情報を記録しようとする秩序が働く。

新たな付加価値を生み出すためにはブロックチェーンの持つ機能「スマートコントラクト」を活用せよ

 ブロックチェーンには「スマートコントラクト」という機能が備わっている。スマートコントラクトとは「契約の自動化」を意味する。そもそも契約とは、締結する人の間同士で「何かしらの仕事や行動に対して対価を支払う」行為を表す。

 そんなスマートコントラクトに注目して、電力ビジネスで新たな付加価値創出に奮闘しているのが中部電力である。同社は、電気自動車の充電サービスや電力の個人間取引などを如何にして合理的に実現するか、また如何に高付加価値なものするか、その実現のためブロックチェーンに注目している。

■中部電力がブロックチェーンに取り組む背景には価値の創造だけでなく環境配慮や業務効率化の観点も

 イベントに登壇した中部電力の市川 英弘さんは「例えば家電量販店で冷蔵庫を買うと中部電力の電力が10年分付いてくる。電気に色付けをすることにより、推しのアイドルの発電した電気を買い、使用量に応じて特典が貰える。といった風に、今までできなかった付加価値を付けることが可能になる」と興味深い活用方法を存分に語ってくれた。

■新たな付加価値を生み出すビジネスモデル「アイドルとの個人間電力取引」

 これらの付加価値を生み出すには、先に説明したトレーサビリティが役に立つ。個人間取引の履歴の証明や、さらには電量利用量を記録しておくことで需要の予測などにも利用することができる。

「ブロックチェーン=仮想通貨」 という考えから脱却しないと真の価値はわからない

「ブロックチェーンと聞いて仮想通貨だけを思い浮かべて、お金のような価値のやり取りだけに注目してはいけない」と森 一弥さんは、視聴者からの質問に対して何度も指摘していた。

 確かにブロックチェーンは仮想通貨「ビットコイン」の実装をきっかけに登場した経緯があるし、記録したデータに価値を持たせることができる。しかしお金のように「価値そのもの」を流通させることはブロックチェーンの一つの実装例にすぎないのだ。

 それを勘違いして、トレーサビリティを実現した新しい仮想通貨は出てくるのか?とか、キャリア権の仮想通貨は日本円だといくらで売れるのか?という風に、仮想通貨中心でブロックチェーンの利用を考えるのはナンセンスだろう。

 インターネット、AI、IoT、データベース……などのIT技術と並列に並べ、社会のデジタル化を進めるために必要な「道具」の一つとして考えないと、ブロックチェーンの真価はいつまでたっても理解できない。

 理解を進めるためのきっかけとして、ぜひ本書を活用して欲しい。

『マンガでわかるブロックチェーンのトリセツ』(小学館)
著/森 一弥 (アステリア、Blockchain Solution R&Dグループ ディレクター)
作画/佐倉 イサミ
本体1300円+税 2020年7月1日発売
ぜひお近くの書店でお買い求めください。
各電子書店でも発売中↓
https://www.amazon.co.jp/dp/4093887772/
https://books.rakuten.co.jp/rb/16332273/
https://7net.omni7.jp/detail_isbn/978-4-09-388777-9
https://www.yodobashi.com/product/100000009003287602/

取材・文/久我吉史

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