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冨嶽三十六景に東海道五拾三次も!東京都美術館「The UKIYO-E 2020 日本三大浮世絵コレクション」で絶対見ておくべき作品6選

2020.08.10

葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》天保元~4年(1830~33)頃 太田記念美術館
前期展示 ※後期も他館所蔵の同作品が展示されます

江戸時代の庶民たちに愛され、海外の多くの画家たちにも大きな影響を与えた浮世絵。世界に誇る浮世絵の魅力を存分に紹介するため、質・量ともに日本の三大浮世絵コレクションといって過言ではない太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団の名品を結集した「The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション」が、2020年7月23日より東京都美術館にて日時指定入場制で開幕した。

三大浮世絵コレクションが一同に集うのは史上初のことで、会期中は前期・後期で作品を入れ替えながら約450点の浮世絵を紹介する。浮世絵初心者の方も存分に楽しめる構成であり、あの葛飾北斎や歌川広重の超有名作も必見だ。

本展覧会で絶対に見ておきたい作品

歌川国政《市川鰕蔵の暫》 重要美術品 寛政8年(1796)頃 平木浮世絵財団 前期展示

役者画や美人画を手掛けた歌川国政の作品。暫(しばらく)は、市川家のお家芸とされる荒事の中でも代表的な演目だ。画面を斜めに分断して大きな面積を占める袖や、輪郭線なしに描かれた横顔が印象的だ。これらは国政の斬新な感覚と遊び心だが、作品から迫力と臨場感が溢れてきて、つい足を止めてしまうだろう。

菊川英山《青楼美人春手枕 鶴屋内橘》文化末~文政前期(1814~20)頃 太田記念美術館 前期展示

寒い冬のある日、高位の遊女・橘(画面右)がうたた寝しているシーンが描かれている。桜の時期の花魁道中で、若侍と運命的な出会いをした良い夢を見ている。夢の中の描写を吹き出しのように表現するのは、今日の漫画にも繋がっているといえるだろう。

本展では、桜の木々や桜模様の着物を描いた作品が多数ある。本作品のように寒さ厳しい冬に桜の季節を待ちわびること、また春が来たら桜を愛でる気持ちというのも、今も昔も変わらないと感じさせられる。

葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》天保元~4年(1830~33)頃 太田記念美術館 前期展示
※後期も他館所蔵の同作品が展示されます

何と言っても、今回の最大の見どころは葛飾北斎と歌川広重の作品。世界でも有名な浮世絵版画を作成した二名の作品が多数展示されている。

二人が活躍したこの頃は、人物画よりも風景画のジャンルが大きな位置を占めるようになる。両者の作品は、単なる風景ではなく、雨、風、雪、月といった気象が絵画の大きな要素となっており、日本独特の美的感覚が表されているのが特徴だ。

葛飾北斎の「冨嶽三十六景」とは、信仰の対象でもあり、日々の暮らしの中で眺められる富士のさまざまな姿を描いたもの。

こちらの「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、巨大な波が今まさに崩れ落ちようとする一歩手前の瞬間を描き、小型船に乗る者たちは船へ必死にしがみついている。波を描く先端部分がまるで人間の手のようで、がっちりと掴まれてしまいそうな勢いだ。波の濃淡の表現も美しく、荒れ狂う波と、雪をかぶって静かに鎮座する富士の対比のインパクトに心を揺さぶられる。

同じ作品が複数枚展示されているが、微妙に色合いが異なっているので、その違いも楽しんで欲しい。ほかにも「赤富士」、「黒富士」と呼ばれる葛飾北斎の人気作品も展示されている。
(後期は各作品1点ずつの展示となります)

歌川広重《東海道五拾三次之内 庄野 白雨》天保4~5年(1833~34)頃 平木浮世絵財団 前期展示

歌川広重の「東海道五拾三次」は、東海道にある53の宿場を描いたもの。旅路の風景を抒情豊かに描き、季節や時間、天候によって変化する情景を、実在感を持って表している点が特徴だ。

本作品の「白雨」はにわか雨のことで、急に激しく振り出した雨に道を急ぐ人々の姿がドラマチックに描かれている。斜めにたたきつけるように降る雨や、強い雨で傾き、雨に煙った背景の竹藪も必見だ。

展示の様子

こんな作品にも注目したい

歌舞妓堂艶鏡《三代目市川八百蔵の梅王丸》寛政8年(1796)7月 太田記念美術館 前期展示

迫力ある目元が特徴で、目が合ったような気分になれる。イケメンに見えるのは筆者だけではないはず。このように「かっこいいな」、「素敵だな」と自由に感じることができるのも浮世絵の魅力だと感じる。

歌川国貞《雪》天保2年(1831) 平木浮世絵財団 前期展示

「団扇絵」も非常に興味深い。絵が描かれている部分を丸く切り取って団扇にするというものだ。浮世絵は鑑賞するだけのものではなく、実用的なものとして身近に使えるものでもあった。こちらも、好きな人の団扇を持ってコンサートに出かける現代の私たちに通じるものを感じた。

思わず目移りしてしまう魅力的な浮世絵グッズをご紹介!

広々とした空間でグッズを選ぶことができる

ここでしか買えない展覧会オリジナルグッズを2点ご紹介したい。

1.オリジナルメモ帳 480円(税込)

展覧会オリジナルグッズ。今回の出品作の中でも、とびきりの美男・美女それぞれ3名がプリントされたメモ帳だ。カラフルで明るいポップなデザインに仕上げている。本展推しのイケメン3人に注目してほしいとのことだ。ギフトにも良さそう。

2.チケットファイル/マスクケース 275円(税込)

こちらも展覧会オリジナルグッズだ。チケットはもちろんのこと、今ではどこへ行くにも必需品ともいえるマスクが入り、両面とも抗菌加工が施されている。手頃な値段で購入できるのも嬉しいポイントだ。

そのほかにも展覧会定番のポストカードやマグネット、公式図録をはじめ、マスクや手ぬぐい、うちわなど様々な商品が取り揃えられている。展覧会の記念に、最後にぜひ立ち寄って欲しい。

本展覧会は【前期】2020年7月23日~8月23日、【後期】8月25日~9月22日で作品を入れ替えながら開催される(有名な冨嶽三十六景の三役「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」「山下白雨」、東海道五拾三次の「庄野 白雨」「蒲原 夜之雪」は3館の所蔵作品を入れ替えて常時展示)。

「初期浮世絵」、「錦絵の誕生」、「美人画・役者絵の展開」、「多様化する表現」、「自然描写と物語の世界」の全五章で構成されている。初期は墨一色の「墨摺絵」から始まり、次第に多色摺となり、章を追うごとに作品が色鮮やかで緻密になっていく様子も興味深い。

浮世絵は、作者や作品名も漢字ばかりで何だか難しそう……という印象があるかもしれないが、浮世絵初心者の方でも十分に楽しめる内容となっている。

令和に生きる私たちが、祖先の日常や流行、文化を垣間見ることができるのはとても面白い体験だと言えるだろう。またファッション、美人画、歌舞伎、風景など、自分が気になる部分に関心を持って自由に見ることができるのも楽しい。

前期・後期にわたって約450点も展示されるので、見応えは十分だ。音声ガイドの内容も充実しており、丁寧な解説で理解をより深めることができる。お子さまがいる家庭は、祖先の暮らしを知るきっかけとして、一緒に浮世絵を楽しむこともおすすめしたい。

なかなか海外に行けない今だからこそ、この夏は改めて日本文化に触れてみてはいかがだろうか。

※本展は日時指定入場制です。詳細は展覧会公式サイトをご覧ください。

【展覧会詳細】
「The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション」(東京都美術館)
・会期:【前期】2020年7月23日(木・祝)~8月23日(日)、【後期】2020年8月25日(火)~9月22日(火・祝)
・開室時間:9時30分~17時30分
・休室日:8月17 日(月)、24日(月)、9月7日(月)、14日(月)
・観覧料:一般1600円、大学生・専門学校生1300円、高校生800円、65歳以上1000円、中学生以下は無料 問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
・チケット購入場所:公式オンラインチケット(東京都美術館での販売はなし)
※その他詳しいチケット情報はこちら
https://ukiyoe2020.exhn.jp/ticket/

【展覧会公式サイト】
https://ukiyoe2020.exhn.jp

(東京都美術館における新型コロナウイルス感染症予防対策とご来館される皆様へのお願い)
https://www.tobikan.jp/information/20200629_1.html

取材・文/Mami

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