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新型コロナの感染拡大で20代のビジネスパーソンが感じている不安と危機感

2020.08.09

新型コロナウィルス感染拡大の中、首都圏在住の働く20代はどのような不安・危機感を感じているのか。

今回インテージは、感染対策意識の高い20代有職者の男女6名を対象に、オンラインインタビューを実施した。

今の不安は自身の重症化より、家族や周囲への感染拡大や収入面

それぞれの方のプロフィールは次のとおりだ。

まず、彼らがどのような不安や危機感を感じているのかを聞いた。インタビューには、感染拡大への危機感があり、積極的に対策をしている人たちに参加してもらったので外出を避け、手洗い・うがい・マスク着用を徹底するなどの感染対策をしっかり行っていた。

もちろん「自分が感染しないように」という目的ではあるが、その先にあるのは、自身が重症化することへの恐れというよりも、気づかないうちに周囲の、主に中高年の身内や同僚などにうつさないようにしたい、という気持ちの方が強く表れていた。

“若年層は重症化しない”という情報もあったが、若く健康に自信があったり、まだ深刻な病気にかかったりしたことがないため、自身の健康状態が大きく損なわれることを想像できていない様子がわかった。

これは「20代」という年代ゆえの要素であり、この年代共通の傾向と言えそうだ。従って、重症化リスクの高い年代に比べると、どうしても危機意識が低めになる傾向があったのかもしれない。

とはいえ、感染対策、特に「外出自粛」に関しては、必ずしも不安・危機意識に根差しているだけではなかった。“外出を我慢する”のではなく、資格や投資の勉強を始めることで時間を有効活用しようとしていたり、SNSで目にした“おうち時間の過ごし方”を真似してみたりと、とても前向きな方向に意識を向けている様子がわかった。その適応力の高さ・柔軟性も、若年世代の特徴といえるかもしれない。

経済的不安について、全体的には、経済が停滞していることに対する漠然とした不安を抱いている様子だった。

中には、「この先、雇用を切られるかもしれない」(派遣勤務のCさん)、「残業代が減り、かつ無休の休みを取らされていて収入が減っている」(Fさん)という人もみられた。

今回のインタビューでは、新型コロナウイルスの感染拡大が報道されるようになった2020年1月頃から現在までの、危機意識・対策意識の変遷をヒストリー曲線で記入してもらい、気持ちに合う絵文字を選びながら話を聞いた。危機意識・対策意識は大まかに3つのタイプに傾向が分かれた。

I.危機感先行タイプ:感染拡大への恐怖感が強く、早い段階から対策を始めた

Fさんの意識は、感染拡大に対する恐怖感がとても強いことがわかる。1月末~2月上旬の早い段階から恐怖を覚えはじめ、3月中旬にはほぼ上限に達し、以降はどこか諦めの入った気持ちになっている。

通勤電車・バスで”感染するかもしれない”と周りを意識することがストレスになってしまうほどで、片道1時間半かけて徒歩で通勤するようになったという発言が印象的だった。ここまで強い恐怖感は、他の方にはないものだ。

II.勤務先主導タイプ:勤務先が早期に徹底した対策をしたために意識が高まった

Dさんの場合、初めて感染拡大を自分ごとと感じたのは、勤務先がきっかけ。それまでは「中国での話」と他人事と感じていたのが、Dさんの勤務先へ出入りしていた取引先の社員の感染発覚を機に、会社がさまざまな対策を積極的に行ったことで、事態の重大さを感じるようになった。

特に、勤務先で、マスクの着用をしていないと指摘されたり検温を義務化されたりしたことや、在宅勤務の体制を整えるためにPCを配布するといった支援があったことなどが、「そこまでするんだ」という驚きを生み、意識の変化につながっていた。企業がいち早く社員向けに積極的な対策を打つことは、若く健康な20代が自分ごととして危機感を持つために重要なポイントであったことが分かる。

そして以降、大型スポーツイベントの開催延期や、志村けんさんの死去、緊急事態宣言などで、自身の勤務先だけでなく、社会全体として対策をしていかなければならないのだと感じるようになり、より深刻に認識するようになっている。それには、SNSでのつながりも寄与している。

「マスクの作り方」や、「スマホを消毒した方がいい」という情報、ニューヨークの感染状況を発信した投稿、YouTubeでHIKAKINと小池都知事が対談した動画などを目にすることで、「軽視してはいけない、みんなで対策をしていかなければならないことなのだ」と意識が高まっていた。

III.情報フォロータイプ:ニュースや周囲からの情報などで、徐々に意識が高まった

Dさんのケースとは異なり、勤務先があまり対策をしていなかったり、対策を打つのが4/7の緊急事態宣言以降と比較的遅かったりした場合は、このタイプに該当した。

Cさんは業務内容上、4/18のインタビュー時現在も毎日出勤しなければなりません。仕事での大きな変化が起こっていないため、ニュースや身のまわりの出来事が少しずつ積み重なって、徐々に意識が上がっている。それゆえ、3つのタイプのうち、このタイプが、意識が高まるのが最も遅い傾向がみられた。

Cさんが感染拡大を自分ごとに感じ始めたのは、3月中旬の「通っていたスポーツクラブの休業」が大きな転換点だ。

それまでは趣味のテニスに週4~5日通っていたのができなくなってしまい、感染拡大防止のためには休業は当たり前とは思いつつも、自身の生活に変化が訪れる。

それから大学生の義兄妹の就活がWeb面接になったことや、志村けんさんの死去によって、コロナの感染自体や、感染拡大による社会的な影響が自身の家族とも結びついて認識されるようになったため、意識が大きく高まっていった。

ただし、「情報フォロータイプ」はCさん以外も含め、今回インタビューをした「感染対策意識の高い働く20代」の中では、比較的危機意識が低い傾向があった。

20代若年層の意識を高めるには、危機感を喚起する情報を発信するだけでは十分とは言えないようだ。

自身の健康が損なわれることが想像しづらい年代であるだけに、勤務先の企業を含めた社会全体が先導して対策を打ち、リアルで変化を起こすこと、とりわけ在宅勤務などによって日常生活・行動を変えることが、重要になってくると言えそうだ。

今回の分析は、下記の設計で実施した自主企画調査結果をもとに実施。

・調査実施日:2020年4月18日・19日

・調査対象者:一都三県在住の20代有職者男女6名(未既婚不問、ただし子ありは除外)。感染拡大に対して「危機感を感じている」「積極的に対策をしている」の両方について「とても当てはまる」と回答、かつ「外出自粛」「3密を避ける」「手洗い・うがい消毒」など具体的な対策を日常的にしている

・調査手法:リモートインタビュー

構成/ino.

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