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認知機能への有効性も!?江崎グリコの社名の由来になった「グリコーゲン」って何?

2020.08.03

名前は化学の授業か何かで聞いたことがある。でも、どんなものかは思い出せない……およそ多くの人にとって「グリコーゲン」とはそんな類のものではないだろうか。

今回、実は江崎グリコの企業名の由来にもなっているこのグリコーゲンをテーマに、近年の研究成果や歴史について紹介していきたい。

1.認知機能の向上に関する論文

江崎グリコの企業名の由来にもなっている“グリコーゲン”に新たな効果として、認知機能への有効性を示すデータが得られた。

江崎グリコ健康科学研究所は、食品の有効成分に関する研究や適正な栄養摂取についての研究を進めている。グリコーゲンの経口摂取の研究では、これまでに、抗肥満効果、免疫賦活効果、抗酸化力による大腸炎軽減効果があることを報告している。

近年、老化に伴う認知機能低下は大きな社会問題となっており、研究の深耕が望まれている。アスタキサンチンやフラボノイドなどを豊富に含む食品では、認知機能改善効果が報告されている。そこでグリコは、独自の技術で澱粉から酵素で合成したグリコーゲンでの実験を実施した。

■方法
・38名の健常者(平均年齢41.8歳)に対し、二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験を実施した。
・被験者には5.0gのグリコーゲンまたはプラセボとして5.0gのマルトデキストリンを含む飲料を4週間飲んでもらった。
・主要評価項目として、認知機能を測定した(CogHealth試験)。
・CogHealth試験は0週目(摂取前)、2週目、4週目の16時から実施した。当日の昼食はうどんを食べていただき、その後試験終了まで水以外の飲食物の摂取を禁止した。30分間安静にしてから試験を実施した。

【グリコーゲン経口摂取による長期記憶向上効果】
健常者(1群38名)にグリコーゲンを4週間摂取させたときの認知機能をCogHealth試験で測定した。摂取4週間後、プラセボ群と比較して長期記憶力の項目が有意に向上した。

■結果
4週間グリコーゲンを摂取した場合に、プラセボを摂取した場合と比較して、CogHealth試験の長期記憶力(遅延再生)の項目で有意な成績向上が認められた。

■結論
本試験より、グリコーゲン 5.0gを4週間経口摂取することで、健常者の長期記憶力が向上することが示唆された。以上の結果を基に、将来的には認知機能向上効果を訴求する機能性表示食品対応の原料として使用できる可能性がある。

2.江崎グリコの名前の由来にもなった“グリコーゲン”

江崎グリコの創業者の江崎利一は佐賀で薬種業を営んでいた。ある日、川の土手を通ると、そこで漁師たちがカキの干し身をつくっていた。釜からゆで上ったカキを取り出すたびに、大量の煮汁がこぼれる光景を目にし、カキにはグリコーゲンが豊富に含まれているという研究発表を思い出した。

さっそく利一は漁師に煮汁を分けてもらい大学病院に分析を依頼。その結果、グリコーゲンが多く含まれているだけでなく、カルシウムや銅なども含まれていることがわかった。この利一とグリコーゲンの出会いが、グリコの誕生、江崎グリコ創立のはじまりになったのだ。

3.そもそも“グリコーゲン”とは

糖質は、エネルギー源(1gあたり4kcal)として最も多く利用され、摂取してから最も早くエネルギーに変わる即効性のある栄養素だ。このエネルギーが脳やカラダを動かす力となる。グリコーゲンは、その糖質の一種になる。人間は食物から摂取したエネルギーを、グリコーゲンの形で肝臓に一時的に蓄える。

すなわち、グリコーゲンにはエネルギー貯蔵物質としての働きがある。エネルギーの貯蔵手段には他に、脂肪とアミノ酸という形があるが、これらはエネルギーを取り出すために、複雑なステップを必要とする。グリコーゲンは、エネルギーに変換されやすい栄養素である糖質(ブドウ糖)がたくさんつながった構造のため、直接ブドウ糖に分解し、エネルギー源として利用できるというメリットがある。

グリコーゲンは、食品の中では、動物の肝臓や貝類のカキなどに多く含まれている(100グラム中約6グラム)。

4.グリコーゲンの研究の歴史

グリコーゲンはエネルギー源として知られているが、江碕グリコではグリコーゲンの研究を長年しており、様々な効果を見出している。グリコの健康科学研究所にて明らかにしてきたグリコーゲンの新機能や効果は多岐に渡る。

■各種グリコーゲンの電子顕微鏡像

近年の研究の一つでは、酵素で合成したグリコーゲンの構造や特徴は、カキやムール貝から抽出されたグリコーゲンと同様であることが確認された。このグリコーゲンは、グリコの商品にも採用されている。

5.商品以外でも活躍するグリコーゲン

グリコーゲンは江崎グリコの製品にも使用され、現在販売されているものではサプリメントに含まれている。

また、食品以外にもグリコから発売されている化粧品に使用されている。これはグリコーゲンの機能のひとつに、免疫細胞の近くにあると細胞を活性化して元気にする機能があり、これを利用することで肌のうるおいがアップし、毛穴やシワ対策にも役立つことがグリコの研究により証明されている。さらに、グリコーゲンは細胞を紫外線ダメージから守る効果があることも判明しているからだ。

■肌(3次元表皮モデル)への浸透性

グリコーゲンなし

グリコーゲンあり

緑の色素で標識したグリコーゲンを、3次元表皮モデルに24時間作用させたのち、凍結切片を作製し共焦点レーザー顕微鏡で観察した。コントロール(左)と比較して、グリコーゲンを塗布すると、角層付近に浸透していることが示された(右)。(グリコーゲンは角層に浸透し、保湿効果を促すことが示唆されている。)

青色:細胞、緑色:色素で標識したグリコーゲン

■グリコーゲンの可能性と今後の研究

過去数十年にわたる研究から、グリコーゲンは、口から食べても、肌に塗っても、私たちの健康維持に欠かせない素材であることが分かってきました。特に、今回明らかになった認知機能向上効果は、長寿化の進む現代社会において非常に関心の高いものと考えられます。これらの研究成果を商品として皆様のお手元に一日も早くお届けし、世界中の「おいしさと健康」に貢献できるよう、より一層研究に励んでまいります。

加藤 和子さん
2014年江崎グリコ(株)入社。
2014年6月より、健康科学研究所
にて食品の機能性研究に従事。

出典元:江崎グリコ

構成/こじへい

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