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実際の球速・球種に則した打撃練習・視覚トレーニングが打撃能力を大きく改善することが順天堂大学スポーツ健康科学部の研究で明らかに

2020.08.04

野球の「打撃能力」を大きく改善するトレーニングとは?

スポーツ科学の分野では、筋力やパワー、持久力などのいわゆる“発揮する力(出力)”について、筋や遺伝子、酸素摂取量等の観点から幅広い研究が進んでいる。 一方で、多くの球技で求められているのが、ボールや対象物を視覚的に見て判断し、行動する能力であり「野球における打撃」はまさにその代表例と言えるだろう。

今回、順天堂大学スポーツ健康科学部の河村剛光 准教授らの研究グループは野球を対象に、実際の打撃練習や視覚的なトレーニングの効果を検証した。

研究では「打撃能力の向上には、その球速や球種に応じた練習が重要であり、実際の球速・球種に則した打撃練習・視覚トレーニングが、打撃能力を大きく改善する」ことを示した。

研究では、実際の野球の「打撃練習」とボールを見るという「視覚的なトレーニング」の効果を、打撃能力と視覚機能の観点から検証した。また、純粋な実験上での影響を明らかにするために、被験者は敢えて野球選手ではなく、普段野球の練習をしていない者(計46名)とした。

実験は、6つのグループで行い、<1>ストレート(直球)100km/hを打撃練習するグループ、<2>打席に立ってそのボールを見るグループ、<3>ストレート115km/hを打撃するグループ、<4>見るグループ、<5>カーブボール100km/hを打撃するグループ、<6>見るグループとした(図1)。

見るグループについては、ボールを見た後にスイングを行い、スイング練習自体の影響は各グループで統一。また、練習/トレーニングの前後には、打撃能力測定と、動体視力、深視力、眼と手の協応に関する視覚機能の測定を行った。打撃能力測定については、ストレート100km/h、115km/h、カーブ100km/hの3種類の条件で各20球実施。打撃結果を1球ずつ5段階で評価して合計し、各条件での得点とした。

主な実験結果(図2)として、 100km/hの球では、ストレートでもカーブボールでも打撃練習していた球種で打撃能力が向上(グループ<1>、<5>)しており、実際と同じ球種での練習が打撃能力に影響を及ぼすことが示された。

一方、100km/hのストレートで打撃練習したグループ(グループ<1>)では、同じ球速のカーブボールでも打撃能力が向上しており、また、視覚的なトレーニングにおいても100km/hのカーブボールでトレーニングを行ったグループ(グループ<6>)において、同じ球速のストレートの打撃能力が改善していることから、打撃練習・視覚的なトレーニングの効果は、球速による影響をより強く受ける可能性も示唆された。

加えて、115km/hのストレートで打撃練習したグループは、その球速以下での打撃能力改善も期待できることから、速い球速での練習はより効率的な練習となることが期待できる。

今後の展開

研究から、実際の球種・球速に則した打撃練習と視覚的なトレーニングが、打撃能力の向上において重要であることが示された。

これにより、改善が必要な特定の球種・球速に着目したトレーニングを行うことで、より効率的な練習が行えるため、長時間の練習が問題となっている部活動の場などで、練習時間の短縮につなげることが期待できる。

また、視覚的なトレーニングに関しては、オフシーズン中に取り組みやすいだけでなく、ケガをした選手への練習メニューとしても活用が可能だ。

定期的な打撃練習と視覚トレーニングを組み合わせることで、経験豊富な野球選手の打撃能力向上に役立てられる可能性もあることから、競技現場への実装を目指し、今後、さらなる研究を進めていく予定だという。

原著論文
本研究は、Journal of Human Kinetics 誌で、2019年12月に公開された。
タイトル: Effects of Batting Practice and Visual Training Focused on Pitch Type and Speed on Batting Ability and Visual Function
タイトル(日本語訳): 球種と球速に着目した打撃練習及び視覚的トレーニングが打撃能力と視覚機能に及ぼす影響
著者: Yoshimitsu Kohmura 1), Manabu Nakata 1), Atsushi Kubota 1), Yukihiro Aoba 2), Kazuhiro Aoki 1), Shigeki Murakami 1,3)
著者(日本語表記): 河村剛光 1), 中田 学 1), 窪田敦之 1)、靑葉幸洋 2), 青木和浩 1), 村上茂樹 1, 3)
著者所属:1) 順天堂大学スポーツ健康科学部, 2) 中央学院大学現代教養学部, 3) むらかみ眼科クリニック
DOI: 10.2478/hukin-2019-0034


構成/ino.

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