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給食改善で貧困層の小児肥満リスクが半減、米研究

2020.07.29

給食改善で貧困層の小児肥満リスクが半減――米研究

米国で学校給食の質の改善が進んだ結果、貧困層の子どもの肥満リスクが以前よりも47%低下したとする論文が、「Health Affairs」7月号に掲載された。

小児肥満が50万人以上減ったと推計され、成長後の慢性疾患リスクとそれに伴う医療コストの大幅な削減につながると、著者らは予測している。

米国では毎日約5000万人が学校給食の昼食を利用している。そのため、給食が子どもの健康に大きな影響を及ぼす。2010年に「健康で飢餓のない子ども法(HHFKA)」が成立後、学校給食の質の改善が進められてきた。

例えば、でんぷん質の多い野菜(フライドポテトなど)をそうでない野菜に替え、全粒穀物や果物を増やし、牛乳は無脂肪または低脂肪タイプに替えるといった変更が行われている。

このような変化は子どもの肥満の減少、特に、給食利用率の高い貧困層の子どもたちの肥満の減少につながっている可能性がある。

米ハーバードT. H. チャン公衆衛生大学院のErica Kenney氏らは、そのような効果が実際に現れているとの仮説を立て、小児対象に行われている健康調査のデータを基に、肥満率の経年的な変化と貧困との関係を検証した。

解析対象は2003~2018年にかけて6回行われた全米各州の健康調査対象者のうち、10~17歳の17万3,013人。平均年齢は13.5歳で51%が男子生徒。貧困層の比率は、2003年(14.8%)から2016年(20.0%)にかけて増加した後、2018年は16.9%に低下していた。

年齢、性別、人種/民族、経済状態などで調整後に、肥満リスクの経年的な変化を対象者全体で解析すると、給食の改善前には有意な変化が認められなかった(1年ごとの変化のオッズ比1.01、P>0.05)。また、給食改善後も同様に、有意な変化は起きていなかった(同0.98、P>0.05)。

ところが解析対象を貧困層の子どもたちに絞り込むと、給食改善前は1年ごとに肥満リスクが有意に上昇し(同1.04、P=0.003)、改善後は有意に低下していることが明らかになった(同0.91、P=0.004)。これは、給食改善後、貧困層の子どもの肥満リスクが毎年約9%ずつ低下していることを意味する。

また、以前の給食がそのまま続いていたと仮定した場合に比べ、2018年時点での貧困層の子どもの肥満リスクは47%低く、小児肥満が50万人以上減少したと推計された。

Kenney氏は、「貧困家庭の子どもほど給食利用率が高い。彼らが給食改善によって大きなメリットを受けたことは自然なこと」と述べている。

ただし同氏によると、この好ましい変化は長くは続かない可能性があるという。オバマ時代に始まった改善がトランプ政権下で後戻りする動きがあるのだ。具体的には、全粒穀物の利用比率の条件緩和などが検討されていると、同氏は説明している。

米レノックス・ヒル病院のKatrina Hartog氏は、この動きを「誤った方向に向かっている」とし、「われわれはこれらの基準を緩和するのではなく、維持あるいは強化する必要がある。健康な子どもは健康な大人に成長し、健康な食習慣を次世代に受け継いでいく可能性が高い」と強調する。

このような政治的な要因に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響も、事態の変化に影を落としている。ロバート・ウッド・ジョンソン財団のJamie Bussel氏は、「COVID-19危機により貧困層の子どもが給食を通して適切な栄養を得ることが困難になっている」とし、「全ての生徒に無料で食事を提供することを計画すべき」と述べている。(HealthDay News 2020年7月7日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.healthaffairs.org/doi/full/10.1377/hlthaff.2020.00133

構成/DIME編集部

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